第119話 呪いの反撃

「エリザさんっ!グリフォンから手を離してっ!」


養母が叫ぶように言った。


「あっ、ぐっ……」

「エリザお嬢様っ!」

「「「エリザっ!」」」


エリザお嬢様が握っていた手を離し、グリフォンに魔力を送っていた右手を押さえて呻き声を上げ蹲る。


「エリザお嬢様っ!どうしたのですかっ?母上っ!」

「残りの邪神の呪いがエリザさんに、」

「ううう、」

「エリザお嬢様っ!」


エリザお嬢様の右手が黒く染まっている。

あぶら汗がにじみ出ている。

黒がゆっくりとエリザお嬢様の手を侵食していっている。


俺は直感的にエリザお嬢様の黒くなった手を握り、魔力奪取をした。


いつもの魔力奪取とは違い、激痛が走る。


「ぐうううううう」

「「「ラハートフっ!」」」

「ラハートフっ!手を離しなさいっ!」

「嫌ですっ!」


歯を食いしばる。

だが自分の痛みなんて、どうでもいい。


なに、エリザお嬢様に痛みを与え、綺麗な身体を汚そうとしてやがるっ!

ささっと出てこいっ!


自分の両手が黒く染まり、エリザお嬢様の右手が白く綺麗な手に戻っていく。

完全に抜けきったところで手を離す。


今度はエリザお嬢様が俺の手に触れようとするのを止める。


「ラハートフっ!今魔力を送るわっ!」

「いえっ!エリザお嬢様っ!」

「!」

「呪いが抜けたグリフォンを叩き起こし、そいつにやらせてくださいっ!古聖獣の魔力でも解呪できます!」

「くっ、わかったわ。耐えなさいよ。」

「私を、誰だと思っているのですか?こんなの余裕ですよ。」

「そう、ね。ラハートフなら余裕ね。」


「グリフォン!起きなさい!」

「グリフォン!起きろ!」


シーラお姉様とリヨンお兄様が「叩き起こし」と聞いて、本当に叩きながら起こそうとしている。


すっすっはーすっすっはー


手の周囲に結界を張って、目を瞑り、痛みを我慢する。


「起きろって言ってるのよっ!」

「ぐわああああ」


起きないグリフォンにシーラお姉様がたぶんキレた。

槍かなにかを『ボックス』から取り出し、無防備な腹に槍を振り下ろしたのだろう。


「やっと起きたわね。」

「腹があああ」


グリフォンの声がこもって聞きづらい。


「ラハートフの邪神の呪いをなんとかしてっ!」

「腹があああ」

「『ハイヒール』」

「この魔力はっ!全属性かっ!」


やはりグリフォンの声がこもって聞きづらい。


「そんなことよりラハートフの邪神の呪いをなんとかしてっ!」

「そうだっ?我は邪神の呪いに「後で説明しますから、早くラハートフを助けてください!」う、うむ、わかったと言いたいが、動けぬし、話しづらいぞ。なんだ?これは?」

「……ラハートフ、解除できる?」


あ、枷か……


「だ、大丈夫です。解除。」

「魔法だったのか。お主が全属性持ちだったのか。」

「違う。」

「ぬ?では、なぜお主が「早く解呪してください。終わったら説明しますので。」うむ。」


ーーーーー

あとがき

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