第116話 グリフォン

圧倒的なわが、オルヴェルド領軍の戦闘に不思議なテンションになってしまったが、少し落ち着いて、あれ?このままだとちょっとヤバイかもと思った。


子供達に「戦う姿も見ただろ?」とかきりっと言ったのに、何もしてないぞ……

たしかに強い人いっぱいいるとは言ったけど、俺は、何もしてない……

帰って、どんな活躍したの?とか聞かれてたら、どうしよう……


「「ラハートフ!」」

「!?」


エリザお嬢様と公爵閣下の自分を呼ぶ声に我に返る。

前方から高速で接近してくるものに気がつき、結界を張る。


領兵達も気がつき魔法を放つ。

高速で飛ぶものが物ともせず領兵を突っ込み、近くにいた領兵も離れていた領兵も吹き飛ぶ。

そのまま進み、俺達の前で急停止すると衝撃波が発生し、結界と後ろの城壁にぶつかり、どごおおおんと大きな音を立てる。


「我を、殺せる、人の子よ。」


高速で飛んできたものが、情報通りの瞳が黒いグリフォンが苦し気に話しかけてきた。


「我を、殺して、くれ。」

「グリフォン様、どういうことでしょうか?」

「早く、意識を、保って、いる、間に、ぐっ」

「グリフォン様?」

「……」


グリフォンの雰囲気が変わったように感じてエリザお嬢様達に叫ぶように言った。


「エリザお嬢様!公爵閣下!構えてください!」

「グルアアアアアアアアアアア!」


ばりんっ


「「「っ!」」」


グリフォンの咆哮で結界が壊される。

グリフォンが前足を振りかぶって攻撃を仕掛けてきた。

エリザお嬢様達は後ろに飛び、俺は横に飛んで、エリザお嬢様の方へ行かないように結界を張る。


それは杞憂に終わり、グリフォンは俺を追いかけてきて、続けて右、左と鋭い爪で斬り裂こうと連続で前足を振るってくる。


「エリザお嬢様、公爵閣下、今は手を出さないでください。」

「わかった。」

「わかったわ。」


理性を失ったグリフォンの攻撃を避けながら考える。


グリフォンは無理矢理されただけで元凶じゃないっぽいな。


グリフォンは何かに抵抗していたよな?

通常と違い瞳が黒いのもそれの影響なのか?

黒いって言ったら、闇魔法?


プチダークのサングラスのようなものを瞳につけているだけで理性を失うわけないよな……

逆に大人しくなりそう?


呪いでは、理性を失って襲いかかってくるだろうか?

痛みとかで暴れそうではあるな……

人が魔物、敵に見えるなんて呪いだとしても、殺してくれとは言わないだろう……


とりあえずエリザお嬢様のひか


「っ!」


避けたと思ったら、頬に痛みを感じた。

頬から血が流れる。

魔力を纏い、その表面上に結界も張っていたにも関わらず、切り裂かれた。


いつもより少し強めに結界を張っていたんだが……

さすが世界が誕生した時からいたとされている古聖獣のグリフォンだなっ!



「まったく……」

「どうした?」

「ラハートフが傷を負ったのに、笑っていますの。」

「笑っているな。まぁ、余裕があるということだろう。」

「わかっていますが。」

「好きな人には傷ついてほしくないか。」

「っっ!そ、そうです……」

「終わったら、叱りながら心配したとか言って傷を治せば多少気を付けるようになる。」

「……実体験ですか?」

「……」

「そうします。」


エアルリーザは父親からラハートフとグリフォンの戦いの方へ目を向ける。


「グルアアアア!」

「力任せの、攻撃だな。リオンお兄様の、ベアフォン、みたいだな。」


同じ獣?だしな……

グリフォンも獣ようなもんだよな?

獣と一緒にしたら、失礼か?


いくつか傷を負ったが、少しずつ魔力と結界の強度を上げていったら、切られないようになった。

だが空中戦はグリフォンの方が一枚、いや三枚四枚も上手で避けきれないことがある。


攻撃が重くて、衝撃があって地味に痛い……


「ガルッ!グルッ!ゴルアアアア!」


右前足、左前足の振りかぶりから、翼を羽ばたかせ後方に飛ぶ。

翼からグリフォンの羽が弾丸のように放たれる。


「『プチウィンド』『プチウォーター』『プチボックス』」


グリフォンの方に強風を起こし羽の勢いを殺し、水の壁で羽を受け止める。

グリフォンの羽をプチボックスに収納する。


「おお!グリフォンの羽、ゲットだぜ!」

「グルアアアアアアアアアアア!」

「またくれるのかっ!ありがとう!」


また飛ばしてくる羽を同じように回収する。

何度か繰り返してくるのを全て回収する。


「結構な羽を飛ばしているのに禿げないのな。あ、もしかして、魔法の羽なのか?羽の形の魔法を飛ばしているのか?だから禿げないのか?グリフォンが解除したら消えちゃう?」

「グルアアアア!」


通用しないことを何度も繰り返す学習しないグリフォンがまた羽を飛ばしてくる。

無数の魔力糸を放ち、飛んでくる羽に魔力奪取を使ってみた。


「あああ、魔法だったのか……エリザお嬢様のためのグリフォンの羽毛布団が……」


羽が消えてショックを受ける。


「グルアアアアアアアアアアア!早くっ!殺してくれっ!」

「あ、グリフォン。」


意識を取り戻したグリフォンだけど、羽の魔法と共に突っ込んでくる。

身体の制御は取り戻していないようだ。

羽は魔力奪取で消し去り、突進を上に飛んで避け、グリフォンの背中に飛び乗る。


跨がるとグリフォンが暴れる。

振るい落とされないように足に力を入れて、背中の羽?皮?を掴む。


ロデオ、だっけ?

暴れる牛に乗る競技?


なんてどうでもいいことが思い浮かぶ。


「グリフォン、聖獣がなぜ魔物を率いている?」

「ぐっ、我の魔力が、瘴気に侵されている。」

「瘴気ってなんだ?」

「魔物の、根源。邪神の、祝福、我らに、とっては呪い。」


邪神の祝福に呪いって聞いたことないぞ。

古聖獣だから知っている情報なのか?

本当に、神がいるのか……?


魔王がいるかもしれないっていうのは、ゲームで出てきたからわかるが……

実際いるかわからないが……


呪いで魔物に近づいているから、魔物と一緒にいて、強者だから率いているの、か?


「邪神の呪い……解呪はできないのか?」


エリザお嬢様の癒しパワー光属性で解呪できるんじゃないかと思っている。


うん、できるだろ。

なんたって、エリザお嬢様の癒しパワーだぞ?

女神で天使で神子様の綺麗で可愛いエリザお嬢様だぞ?

できるだろ。


ーーーーー

あとがき

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