第111話 領境へ

エリザお嬢様のさらさらな髪が風で後ろへ流れている。

その綺麗なさらさらな髪が日光に当てられ、きらきらと光を放って輝いている。


あぁ、なんて、神々しいんだ……


今度ペガサスを作って乗ってもらおうかな。

そして、純白をメインのドレスアーマーを装備してもらおう。

最高に抜群な組み合わせだな!


「ラハートフ、制御に集中しなさい。」

「む、難しいですが、頑張ります。」


隣にエリザお嬢様がいて、見惚れてしまい時々制御が途切れて、揺れる。


なんの制御かというと、でっけえドラゴンプチウィンドとでっけえ翼のない飛行機かロケットを横にして、少し左右に拡げた形のプチウィンドの二つの魔法である。

俺特製の超厳選ドライフルーツを食べて魔力を回復させながら作り出した。


どちらも中に入れるようになっていて、公爵閣下と領境へ行く領兵千人が分かれて、でっけえドラゴンプチウィンドとでっけえロケットの中にいる。


そしてドラゴンプチウィンドがロケットプチウィンドを掴んで、飛んで領境へ向かっている。


俺はドラゴンの頭上に乗っている。

隣にはエリザお嬢様がいる。

エリザお嬢様が時々飲み物やドライフルーツを俺の口に運んでくれている。


幸せ、すぎる……


「あーん。」


ぐらっとドラゴンとロケットが揺れる。


エリザお嬢様の「あーん。」攻撃、不意討ちすぎる……


「ラハートフ、口を開けなさい。あーん。」


ここは、天国か?

天使お嬢様に食べさせてもらっているから、天国だな……


「あ、あーん。」

「もう少し食べる?」

「幸せ十分です。」

「?そう。欲しくなったら言いなさいよ。」

「わかりました。」


そして風でなびく髪を押さえながら自身もドライフルーツを食べて、少し微笑むエリザお嬢様を横目で見る。


かわええ……


またぐらっとドラゴンとロケットが揺れる。


「ラハートフ、大丈夫?」

「は、はい。すみません。」


いいえ、あなたが可愛すぎてヤバイです……


エリザお嬢様の「あーん。」攻撃や可愛い仕草と戦いながら、ドラゴンプチウィンドとロケットプチウィンドを制御して、領境へ飛んでいく。


ほんの少し制御に慣れてきて、会話ができるようになった。

エリザお嬢様が呟いた言葉に反応する。


「グリフォンの異常は何が原因なのかしらね。」

「わかりません。」

「討伐して、仲間のグリフォンが襲ってこないかしら。」

「グリフォンは仲間意識が高いらしいですから、あり得ますね。公爵閣下に後で伝えましょう。」

「えぇ。」

「愛用しているグリフォンプチウィンドの本物の古聖獣ですから、できれば異常を取り除いて仲良くしたいです。」

「そうね。ラハートフなら、なんとかしてくれそうな感じがするわ。」

「いや、エリザお嬢様。無力化はできるかもしれませんが、異常を取り除くのはどちらかというとエリザお嬢様の光属性か闇属性の方がなんとかできるかと思いますよ。」

「そう?じゃあ、ラハートフと私で一緒にグリフォンを救いましょう。そして、一緒に乗せてもらって飛びましょう。」

「エリザお嬢様と一緒なら、不可能も可能にしてやります!一緒に乗らさせていただきます!」


やる気が上がって、ドラゴンプチウィンドの速度が上がった。




「ひいい!また揺れたっ!」

「落ちないよなっ?なぁっ?大丈夫だよなっ?」

「速くなったぞっ!」

「この速さで地面に落ちたら死ぬぞっ!」

「おおおい!ラハートフううう!大丈夫だよなあああ?」

「うおおおお!はええええ!」

「揺れすぎてぎもぢわるい……」

「お、おい、ここで吐くなよっ!」

「俺もぎもぢわるい……」

「お、お前もか!が、我慢しろよ?」

「う、う……」

「ラハートフううう!これ以上揺らすなあああ!」


ドラゴンプチウィンドとロケットプチウィンドの中で大変なことが起こりそうになっているのにはラハートフもエリザお嬢様も知らなかった……


到着まで何度も揺れた……


ーーーーー

あとがき

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