第109話 アリティーナ・フェン・ガルディーナ 十六歳

まえがき

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応援コメントには活力をいただいたり、浮かんでこなかった展開やネタなんかを思い付かせてもらっています。とても有り難いです。

本当にありがとうございます。

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私はアリティーナ・フェン・ガルディーナといいます。

今年十六歳になり、ドラゴライヴェルド王立学園の四学年の上級クラスに通っている生徒です。


今ではあまり気にしなくなり頭の片隅に置かれていたものが同級生のラハト様ラハートフの愛称と転入生のテリスディス様の決闘で呼び起こされました。


それは決闘中のテリスディス様が言った言葉でした。

その言葉はアニメやゲームというこの世界にはない言葉でした。

じゃあ、何処の言葉なんだ?と聞かれたら、信じられないかもしれませんが、私の前世、地球、異世界の言葉ですと答えます。


頭の片隅に置かれていたものは前世のことです。


前世の記憶を思い出した頃は少々混乱しましたが、今となっては家族、学園に入学してからできた友達と楽しく過ごしていたものですから、今世のアリティーナ・フェン・ガルディーナとして、前世の私のことはあまり気にせず過ごしていました。


まぁ、時々前世の知識は思い出すことはありましたが……

食べ物、料理のことやアニメや映画の想像物の魔法のことですが……


そう、地球からしたら異世界の、この世界には想像物の魔法が実在しているのです。


プチクリーンという綺麗にする魔法がなんといっても素晴らしい魔法です!


残業や徹夜明け仕事終わりのメイク落としやシャワーの面倒臭ささは女性にはわかると思います。

今すぐ眠りたいのに、メイクを落とさなきゃ、シャワーを浴びて汗を流さなきゃと睡魔と戦いながらやっていました。


綺麗さっぱりなんです!

なんて素晴らしい魔法なんでしょうかっ!


それから、夢でした空を自由に飛ぶというものはエリザ様達と出会って、教えを説いてもらって、最近飛べるようになりました。


エリザ様がうっとりとして「ラハートフと見た夕日を今も鮮明に思い出せますわ。」と言いました意味を後にわかりました。

前世も含めて、その時のことは最高の思い出になりました。



と話が逸れてしまいましたね。

テリスディス様が言った前世の言葉です。


私という転生者がいる一例があるのですから、他にもいてもおかしくありません。

彼も私と同じく前世の記憶を持つ転生者なのでしょうか?


本人に聞くのはあまり、したくないですね……

その、あまり、関わりたくない方です……



それはもう、初対面の時からそう思ってしまいました。


「エアルリーザ・フェン・オルヴェルド、実物の方が美しいな。アリティーナ・フェン・ガルディーナも可愛い。」


エリザ様が美しいのはわかります。

その次の言葉に驚きました。


「嫁のお前達に会いに、俺が直々に来た。」


へ?

なぜ私は会ったことも聞いたこともないこの人の嫁にされているんでしょうか?と思いました。


スタン様が私を守るように前に立ってくれました。

格好良いです。


あ、スタン様とはベスタット侯爵の次男で近衛騎士団長の子息のスタルード・フェン・ベスタット様のことです。


エリザ様やラハト様達の入学試験で彼女達(特にエリザ様)に憧れ、スタン様も彼女達に憧れたようで入学当初から共に行動をしてました。

そうしている内にだんだんとスタン様に惹かれていきました。


二学年でクラスが別れた時は少なからずショックを受けました。

昼休みや放課後など時間がある時は自然とスタン様の近くにいました。

休日にも一緒に出掛けることもありました。


三学年でまた同じくクラスになった時は嬉しくて、つい抱きついてしまいました。

抱きつかれたスタン様が顔を赤くしているのを見て、ギャップ萌えしました。


その年の夏休みに、なんと!

スタン様から「アリナ嬢、君のことが好きだ。結婚を前提で付き合ってくれ。」とストレートにプロポーズされました。


エリザ様が言っていた夕日の中でです。

嬉し泣きで「私もスタン様が好きです。よろしくお願いします。」と答えました。


とまた話が逸れてしまいました。

両親への挨拶とかの話はまた今度しましょう。



テリスディス様はラハト様に負けたにも関わらず、何事もなかったかのように私達に帝国に来るように何度も言ってきます。

断っても何度もです。

話を聞かない人は嫌いです。


そういえばモモティルナさんも話を聞きませんでしたね……



勝ったラハト様にも帝国に来るように言っています。


エリザ様が第一のラハト様が帝国に行かないエリザ様を置いて帝国に行くわけありません。

そのエリザ様も好きな人が側にいる今の環境から、好きでもなんでもない人のところに行くわけありません。

観光とかで一緒に行きそうですけど。


テリスディス様に呆れるばかりです。


転生者だから、少し話をしたいと思いましたが、テリスディス様と話をしたら、なんか運命だとか言いそうでややこしくなりそうで断念しました。


まぁ、断念と思っても、今、凄く幸せなので前世のことなんてまた頭の片隅に置いておきましょう。



しかし、テリスディス様は弱かったですね。

私もスタン様も、上級クラスの皆も彼に余裕で勝てますね。


え?

今度は魔法戦?


どう考えてもテリスディス様が勝つのは無理でしょうが、帝国の人がどんな魔法を使うのか、ラハト様がそれにどう対処するのかが楽しみです。


ーーーーー

あとがき

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