第103話 転入生とエリザお嬢様のお気に入り
「エアルリーザ・フェン・オルヴェルド、実物の方が美しいな。アリティーナ・フェン・ガルディーナも可愛い。」
始業式が終わり、教室に向かおうとする俺達の前に立った日焼けした肌にガタイの良い男がエリザお嬢様とアリナ嬢を見て言った。
身長は俺と同じくらい百七十五センチくらいか。
赤みのあるシルバーに蒼い瞳の俺様系イケメンの顔立ち、爆発しろっ!
「俺はバルバドゥウス帝国第二皇子、テリスディス・デ・バルバドゥウスである。嫁のお前達に会いに、俺が直々に来た。」
クラス表に書いてあった第二十五位のテリスディス・デ・バルバドゥウスのようだ。
「……」
「へ?」
「「「はあ?」」」
テリスディスの言葉にエリザお嬢様が無言、アリナ嬢が頭の上に疑問だらけ、俺とエンスとスタンはふざけたこと言ってんじゃねぇよ?的な感じの反応をする。
「直々に来て正解だった。やはり次期皇帝の俺に相応しい女達だ。今すぐでも連れ帰って式を挙げたいものだが、親父に卒業を条件にと言われているから、残念なものだ。」
「何言ってんのお前?まるでエリザお嬢様が嫁である前提で話しているんだ?」
「そうね、勝手にあなたの嫁にしないでちょうだい。不愉快ですわ。」
「そ、そうです!」
「誰だお前?」
つい口を挟んでしまった俺を睨んでくるテリスディスを睨み返しながら答える。
「エリザお嬢様の専属従者兼護衛だ。」
「専属従者?護衛?そんなやつがいたのか……まぁ、関係ないな。エリザもアリナも考えてみろよ。弱々しい王子より次期皇帝の俺の方が断然良いに決まっているだろ?」
なぜ、王子が出てくる?
関係ないだろ?
「断然良いも良くないも、申し訳ないけど、あなたは好みでありませんから、お断りしますわ。」
「同じく、お断りします!」
テリスディスがエリザお嬢様とアリナ嬢の即答の謝絶に驚いている。
「はあ?あんな王子が好みだって言うのかっ?」
「違いますが?」
「好みじゃありません!」
エリザお嬢様の好みじゃない即答の否定になんか、ほっとした。
「だったら次期皇帝の俺の方がいいだろっ!」
「あなた以外という考えもありますよ。」
「そうです!」
「美味い物や美しい宝石にドレス、奴隷、帝国にある物が手に入るんだぞ?どう考えても俺の方がいいだろ?」
「美味しい物ですか……」
「好きな人じゃありませんから。」
エリザお嬢様が『ボックス』から俺特製のドライフルーツを出した。
それはテリスディスに差し出す。
エリザお嬢様っ!
それはエリザお嬢様の為に作ったやつですよ?
そんなやつにあげるなんて……
「これは、ドライフルーツか?」
「知ってますのね。」
「ま、まぁな。」
「食べてみてください。」
テリスディスがいちごのドライフルーツを口に入れ咀嚼して見開く。
「美味いっ!」
「そうでしょう。帝国には用意できますか?」
「当たり前だろう。できるに決まっているだろ。」
「では、次はこちらを。」
一瞬だったけど、そうでしょう。のちょいドヤ顔エリザお嬢様っ!
可愛いっ!
エリザお嬢様がまた俺特製のドライフルーツを数十個出す。
テリスディスはどれも美味いと食べて言う。
さらに生の果物も数種類出す。
「それらを用意できますか?」
「買えばよかろう。」
「季節関係なく用意できますか?私が食べたいときに用意できますか?」
「季節関係なく、食べたいときに、だと?」
「えぇ。今、甘いいちごを食べたいですわ。出してくださらない?」
「……今は、ない。」
「用意できないじゃない。」
「すぐ用意する。」
「今と言ったのですが?」
「っ……」
「手に入らないじゃない。話にならないわね。」
そう言ったエリザお嬢様はテリスディスを通りすぎて、教室に向かった。
その後を俺達はついていく。
テリスディスが俯いて拳を強く握ってその場に留まっていた。
ーーーーー
あとがき
最後まで読んでいただきありがとうございます。
面白いじゃん、続き早く上げろ。と思ったら☆☆☆、面白いなぁと思っても☆☆☆、少しでも気になるな。と思っても☆☆☆をつけていってくださいな!
冗談です。
前から☆☆☆、☆☆、☆をつけてください!
面白くなってきたら☆を足してくださいな!
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