第89話 勝負
エリザお嬢様に出会うまで、魔法がある異世界でしか思っていなかった。
エリザお嬢様のこともエリザお嬢様以外クソったれな乙女ゲームのことを忘れていた。
エリザお嬢様の衝撃な自己紹介で、魅かれた彼女と同じ名前をすぐに思い出し、オルヴェルド家の貴族紋章などに既視感を感じていた理由がわかった。
思い出すことなく考えることなく生きていると、よっぽどのことがない限り忘れてしまう……。
まぁ、エリザお嬢様関係以外のことはほとんど覚えていないのだけどな……
それでも二学年から始まる実技授業で乙女ゲームがRPGでもあったことを思い出した。
その実技授業はダンジョン攻略。
RPGゲームでもあったことを思い出し、ゲームではレベルやステータスを確認できた。
ということは……
ステータスオープンとかメニューオープンなんて呟いたんけど出なかった。
大声で言わなくてよかった……。
しかし確認はできないけどレベルの概念はあるんじゃないかと思う。
魔物や盗賊どもを何体か斃すと若干身体能力が上がっている、ような感じがしていた。
レベルアップしていたんじゃないかと今なら思う。
この世界ではただ多くの魔物を斃すと強くなるくらいにしか捉えれていないけど、これレベルアップだよな?
ゲームではあったレベルアップ時にHP(生命力)MP(魔力量)が全回復するということはなかったけど……。
親睦会から数日、ダンジョン攻略の実技授業が始まる。
初回は二学年の生徒全員が訓練場に集まって学園にあるダンジョンの説明があった。
ダンジョンには難易度が魔法と同じく初級、中級、上級、特級がある。
構造も洞窟型、建物型(塔や城、廃墟など)、自然型(森や山、砂漠など)、ランダム型(階層ことに変わるダンジョン)。
構造の難易度は洞窟<建物≦自然<ランダムと難しくなっている。
ダンジョンの中にいる魔物は階層、難易度が上がると強くなっていく。
最深部のボスは一、二段上の強さらしい。
学園には九つのダンジョンがあるらしい。
初級、中級、上級の三つの難易度に洞窟型、建物型、自然型がそれぞれの難易度にある。
三学年までに最低初級の建物型を、四学年までに中級の洞窟型を、五学年までに中級の建物型を、六学年まで中級の自然型を、六学年は最低上級の洞窟型まで攻略しなければ進級、卒業できないようだ。
説明が終わると、モモティルナがクラスメイトを引き連れて、俺達に近づいてきた。
そして、モモティルナがエリザお嬢様を指差して言った。
「エリザ、勝負よ!」
「はぁ……何の勝負かしら?モモティルナさん?」
「早く攻略した方が勝ちよ。私が勝ったら、当主継承権を放棄しなさい!」
「モモティルナ嬢!どういうことだっ?」
エンスがモモティルナに怒鳴る。
「ひぃ、こ、これはエンス様のためなんです!」
「「……」」
「エンダース、モモの言うことを聞いておけ。そしたらお前は当主になれる。」
「……たしかに当主になりたい。父上のような当主になりたい。」
「じゃあ、」
「がっ!次期当主を決めるのは現当主の父上だ!選ばれなかったら、相応しくない、ただそれだけだ!そして選ばれた次期当主を支えるだけだっ!お前達には関係ない!」
「そんな!関係ないなんて言わないでください……」
「モモ……」
「それに俺とエリザが勝負するならまだしも、関係ないモモティルナ嬢とエリザが勝負して、なぜモモティルナ嬢が勝ったらエリザの継承権の放棄なのか全く理解できない。」
「同じパーティーです!関係なくないです!」
「組んだ覚えがない。俺はスタン、タッシュ、ウィンとパーティーを組む。モモティルナ嬢とは組まない。」
「そ、そんなぁ……」
「何を勝手にパーティーを組んでいるっ!モモの言うことを聞け!」
モモティルナとホルスディン、むちゃくちゃだな……
「……勝負してもいいわよ。」
「え?エリザお嬢様?」
「は?エリザ?」
「私が勝ったら、モモティルナさんは何を差し出すのかしら?それともあなたが決めたように私が決めていいのかしら?」
「い、いいわよっ!あなたが決めて!」
「じゃあ……」
「……」ごくり。
「私が勝ったら、モモティルナさんは私達に関わってこないでください。」
「……ふぅ。わかったわ!」
「それでどのダンジョンの攻略をすることになるのかしら?」
「初級の自然型よ!」
「わかりましたわ。次のダンジョン攻略の授業からでいいかしら?」
「えぇ。」
「初級の自然型を早く攻略した方が勝利。モモティルナさんが勝利したら私の継承権の放棄、私が勝利したらあなたは私達に関わらない。でいいかしら?」
「えぇ。」
「よろしくお願いしますね。」
「えぇ。」
ーーーーー
あとがき
面白いじゃん、続き早く上げろ。と思ったら☆☆☆、面白いなぁと思っても☆☆☆、少しでも気になるな。と思っても☆☆☆をつけていってくださいな!
冗談です。
前から☆☆☆、☆☆、☆をつけてください!
面白くなってきたら☆を足してくださいな!
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