第82話 国王と教皇
ラハートフが幸せな時間をエアルリーザと過ごしている頃、王宮のある一室でドラゴライヴェルド国国王とライトベル教会教皇が密談をしていた。
「聖女様がそなたの子を想っている。」
「……あぁ、我が子も聖女を想っているようだな。」
「愛し合う者同士が結婚するべきではないかね?」
「……」
「……まさか、反対なのかね?」
「……全属性の公爵令嬢だぞ?」
「ふむ……その公爵令嬢の専属従者を知っているかね?」
「たしか、全勝した……ラハートフ、だったか?」
「そうだ。」
「彼がどうした?」
「適性属性がなしなんだよ。」
「なんとっ……」
「神々に見捨てられた者が全勝というのはおかしくないかね?」
「そうだな……まさかっ、本当に禁呪をっ?」
「その通り。そして、そのことは次期当主のエンダース君以外の現当主、第一夫人、第二夫人、令嬢が知っていてなお、その禁呪を使う見捨てられた者を令嬢につけている。」
「なんだとっ?!それは、本当かっ?」
「聖女様の言葉、真実である。」
「なんということだ……建国の立役者の一人で由緒正しいオルヴェルド公爵の者達が……」
「全属性の愛し子も禁呪を使っているそうで。」
「……息子の言う通り婚約破棄をしよう。そして禁呪を使っていると知りながら隠しているもの達を「そこは聖女様に考えがあるようだ。」そうなのか?犠牲が増えるではないか?今すぐ捕縛した方がいいのではないか?」
「監視をしている。それに聖女様が結界を張っている。大丈夫だ。」
「聖女の結界……それなら大丈夫か。我は婚約破棄をすればいいのか?他には?」
「今はそれだけでいい。何かあればまた来よう。」
「そうか。聖女様に我が民をどうかよろしく頼むと言っといてくれ。」
「慈悲の聖女様だ。力になってくれるだろう。」
教皇が退室する。
国王は教皇が退室して自分以外いない部屋で言った。
「教皇が言ったことの事実確認をしろ。それから教会とオルヴェルド公爵家を監視しろ。いけ。」
完全に国王だけになった。
「オルヴェルド公爵家は禁呪ではない魔力量を増やす方法に、適性なしでも強力な魔法を使える方法を知っていて隠しているのか……あの二人以外にも当然いるな……。オルヴェルド公爵家、教会、どちらを取るべきか……」
「……というか教えてくれてもいいんじゃないかエヴィ……婚約の王命を出してから素っ気なくなってしまったよな。俺が先走ってしまったせいか……。でも仕方がないじゃないか!だってさ全属性だぞ?全属性!しかもエヴィの娘!同じ年の息子がいて運命を感じたんだ!出すじゃん!王命!出してしまうじゃん!王命!ーーーー」
一人で愚痴を吐きまくる国王。友人や馬鹿息子などの愚痴が一時間は続いた。
人が来なければもっと続いていたかもしれない。
ーーーーー
あとがき
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