第64話 野外実習 その後

アリナ嬢が前衛、ウィンドル様が後衛の攻撃魔法、ナトナ嬢が後衛の妨害の構成で戦うようだ。


オークども(三対一、三対二、三対三)は余裕、三対四、オークリーダー、オークナイト、オークメイジまでは善戦し、オークハイメイジ、オークジェネラルには悪戦苦戦していた。


どちらも前線のアリナ嬢が吹き飛ばされ崩れたことにより壊滅に追い込まれた。

エンダース様が間に入り、エリザお嬢様がアリナ嬢に何度も回復魔法を使った。

まぁ短時間で急激に強くなることはほぼないからずっと劣勢だった。

諦めず立ち向かえることは凄いことだ。


アリナ嬢はオークの攻撃で吹き飛び、何度も地面を転がった。

腕や足があらぬ方向に折れていたり血を吐くこともあった。

血や土汚れを気にせず回復魔法をかけてもらったら何度も前線に戻った。


ウィンドル様は泣き言を吐きながらもナトナ嬢の前に立って男を見せていた。


ナトナ嬢は援護に徹底していた。

ダークで目隠しをしたりアロー系で攻撃の邪魔をしていた。


最後はアリナ嬢が連戦の疲れと血を失いすぎたことで倒れてエンダース様がアリナ嬢をお姫様抱っこして後退し、エリザお嬢様が止めを刺して終わった。


ウィンドル様が両手を広げ仰向けに倒れた。


「疲れたー。」

「お疲れ様です。『プチクリーン』」

「うんー、ありがとー。」

「ありがとう。」

「アリティーナ嬢は大丈夫ー?」

「ああ、疲れて眠っているだけだ。」

「『ヒール』これで直に起きるでしょう。」

「エンダース様、アリナ嬢をここに。『プチクリーン』」

「ああ、ありがとう。」


背もたれが少し倒れていて、スライムジェルを入れた革袋をいくつも面に沿って貼り付けている椅子を人数分出しパラソルも設置し、そこに寝かせるよう勧める。


「僕もそれに横になっていいのー?」

「いいですよ。『プチクリーン』ナトナ嬢もエリザお嬢様もどうぞ。」

「ありがとー。」

「「ありがとう。」」

「ラハートフ君がオークを回収しプチクリーンもしてくれて、この椅子の座り心地が良い感じで、ぐっすり寝ちゃいそうだよー。」

「アリナ嬢が起きるまで寝てもいいと思いますよ。」

「ええ、いいわよ。」

「じゃあ、お言葉に甘えてさせてもらうねー。すーすー。」

「はやっ!」

「格上の敵と戦ったから余計に疲れたんだろう。」

「そうでしたね。」

「良い経験になったかしら。」

「なった。」

「そう。なら良かったわ。」

「ナトナ嬢も少し寝ても大丈夫ですよ。」

「大丈夫。エリザ達のようにどうすれば強くなれる?」


訓練修練実戦の繰り返しかな?

魔力量を増やす、のは秘密か……

魔法を何度も使用して慣れることはできるな。


エリザお嬢様、エンダース様、俺は話せる範囲でこういうことを繰り返してきたとかやってきたとか教えた。


話している途中にホルスディン達の乗るグリフォンプチウィンドが森の外に出たことを感知したからホルスディン達を降ろし?落とした。

「ぐえっ!」て言ったかもな。


アリナ嬢が目を覚ますころにはグリフォンが戻ってきて、ウィンドル様を起こして片付けをしてグリフォンに乗って周囲を探索した。

数体のオークが四組いて討伐した。


戻る途中に俺達とモモティルナ達の監視者と何人かと出会う。


「無事で良かった……」とすごく安堵した表情で言われた。

「どうやって逃げてきたんだ?あ、そのグリフォンのおかげか……」と彼らは勝手に自身で納得していたけど、エンダース様が「オークキングどもと偵察に出ていた四組はグリフォンではなく俺達が討伐してきました。」と言えば「「「は?」」」と口を開けぽかんと数秒固まっていた。


オークキングをプチボックスから出すと「「「ええええええ!オークキングだあああ!」」」と他にも上位種を出して傷を見て信じてもらえた。


監視者、野外実習で雇われた斥候冒険者達は今回用意されたのはゴブリンだけと言われていたらしい。

モモティルナ達の監視者はオークを発見して自分では敵わないからすぐに救援を呼びに行ったようだ。


緊急事態を知らせる狼煙とかないのかよと心の中でツッコミを入れた。


俺達の斥候冒険者は他のパーティーに森から出るように伝え回った。

モモティルナ達の監視者と待機していた戦闘を得意とする冒険者達が救援に来た途中に俺達に出会ったようだ。


彼らはそのまま周囲を探索をすると言って、別れた。

俺達は「オークが出たことで今回の野外実習は中止になった。森を出るように。」と言われた通り、森を出た。


「「「なっ!」」」

「エンダース様っ!生きていたんですね!良かったです!」

「……ああ。モモティルナ嬢も殿下達も無事で良かった。」

「エンダース様のおかげですっ!ありがとうございます!エンダース様、怪我はしてませんか?大丈夫ですか?」

「……」

「……大丈夫だ。」

「本当ですか?無理はしてはいけませんよ?」

「大丈夫だ。」


モモティルナがエンダース様に纏わり付く。

ホルスディンはエリザお嬢様を悔しそうに睨み、他逆ハーレムメンバーはエンダース様を睨んでいる。


「ラハートフ、オークキングが出たんですって。」

「はい。」

「私達も戦いたかったわ。」

「「「いやいや、シーラお姉様、オークキングと戦ったら死んでしまいますって!」」」

「大丈夫よ。私とあなた達なら殺れるわ。」

「「「シーラお姉様……」」」


若干百合の雰囲気を感じる。

高貴なお姉様属性のエリザお嬢様とツンデレ属性シーラお姉様の二人の方がいいけど……

って何を考えているんだっ!俺は……


用意していないオークが出た問題が起こったが、俺達の救援が間に合い、ホルスディン達が無事救われた。

殲滅もされ他のパーティーにも被害が出なかった。

野外実習は中止で終わった。


調査されたが、原因不明で調査が終わった。


ーーーーー

あとがき

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