第60話 野外実習

なぁ?

知っているか?


縦ロールに自動防御機能が付くことを君は知っているか?

強化されると攻撃機能も付くんだ。


何を言っているんだ?お前って。

いや、本当だから。


ですわ五令嬢は最近防御機能が付いたけど、シーラお姉様は攻撃機能も付いているんだ。

さらにシーラお姉様のにはジェットエンジンのような加速機能も付いていると思う。


身体強化と風の魔法だけじゃ考えられない速さで突っ込んできたんだ。

見た瞬間本気に近い身体強化をしていなかったら、避けられなかったと思う。


「危ないよ!」

「避けると思ったわ!」


避けて振り向くと、シーラお姉様が遅れて振り向いた。

あの速さですぐに振り向くのは難しい。


後方を向いていた二つの縦ロールがシーラお姉様の前方に向き、速さが緩やかになったのを見た。


推進システムとかズルい!

防御も攻撃もできるなんて!

これだから天才はっ!

羨ましいぞっ!


縦ロールにはしたくないけど……


「今日こそ勝つわ!私達の訓練の成果を見せるわ!」

「俺は、誰にも負けるわけにはいかないんだっ!」


「「「ショコランお姉様!頑張れ!」」」

「ラハートフ、姉さんに負けるなー。」

「二人とも頑張ってください。」

「ラハートフ殿がこんなに強いとは思わなかったでござる。」

「そうだな。」

「まだ本気ではなさそうだな。」

「そうなのかっ?」「そうなのでござるかっ?」

「「……」」


「うおおおおおお!」

「うおおおおおお!」


シーラお姉様に真似てノリで声を出す。


ですわ五令嬢、リヨンお兄様、アリティーナ嬢、タダシュ様、スタルード様、エンダース様、エリザお嬢様とメリルさんに俺とシーラお姉様の模擬戦を見られていた。


シーラお姉様が複雑な動きをできるようになったら厄介だけど、少しずつ動きが増えているけど……。


今回は真っ直ぐ突っ込んでくるだけ(いつもより速かった)だったからプチウォーターの弾幕とほぼ同時に出したプチアースの棒に足が引っ掛かり、ずさーっと地面に顔と身体をつけて俺の足元まで滑ってきたところを頭に武器を突き立てて終了した。


あの速さに耐えられる身体強化をしているから土汚れだけで無傷のシーラお姉様が土を払いながら立ち上がる。

プチクリーンをかけてあげる。


「ありがとう。弾幕のせいで棒に気がつかなかったわ。同時使用だからっていうのもあるけど、魔眼を誤魔化すなんて上手い使い方をするわね。」

それ縦ロールを地面に向けて立て直すと思ったけどね。」

「なるほど……」


シーラお姉様が出来るか考え込む。


「明日から野外実習だから、今日はここまでにしましょう。」


エリザお嬢様の言葉で少し雑談して解散した。



翌日校門を入ってすぐ脇のところに一学年生が集まっている。


「「「おはようございます。」」」

「「「おはよう。」」」


クラスメイト、五令嬢と挨拶を交わす。


「「「シーラお姉様、今日からよろしくお願いします!」」」

「ええ、よろしくね。」


シーラお姉様はカレッド嬢達とパーティーを組んで野外実習に臨む。

俺はエリザお嬢様とエンダース様とアリティーナ嬢、ウィンドル様とナトナ嬢と組んでいる。


最初はウィンドル様とナトナ嬢ではなくタダシュ様とスタルード様と組む予定だったのだが、先の二人がボッチ同士?で余ったから一緒に組むことになった。


モモティルナ達は自分達の世界に入っていて、パーティーの話に入ってこない。

エンダース様とスタルード様をしつこく勧誘してきたけど、エンダース様が「いい加減しろっ!」とぶちキレて、悔しそうに戻っていった。


ルシュカ嬢第十位イーサ嬢第十四位クロッシュ嬢第二十位カシュエ嬢第九位が四人パーティーだった。


俺達と彼女達で話し合い、彼女達にタダシュ様とスタルード様が入り、ウィンドル様とナトナ嬢が俺達のパーティーに入るようになった。


あ、リヨンお兄様はシーラお姉様に対抗して集めたメンバーとパーティーを組んでいる。


「よろしくねー。」

「よろしく。」

「よろしくお願いしますね。」

「よろしくお願いします!」

「あぁ、よろしく。」

「よろしくお願いします。」


モモティルナパーティー達が朝から俺達を睨んでくる。


めっちゃ絡んできそうだ。

面倒臭い……


ーーーーー

あとがき

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