第51話 入学式 色々
「おはようございます、ホルスディン様。」
エスコートされ馬車から降りたエリザお嬢様が校門前に立っている第四王子で婚約者のホルスディン殿下に挨拶をする。
ホルスディン殿下は無愛想にエリザお嬢様に挨拶を返す。
「……おはよう。」
「「「ホルスディン殿下、おはようございます。」」」
「!ホルスディン殿下、おはようございます。」
「……おはよう。」
マジルド三義姉兄は息を合わせ、若干遅れてエンダース様が挨拶をする。
また無愛想に返事を返された。
「待っていたのですか?言ってくださればもっと早く来ましたのに。」
「……」
「待たせてしまいすみません。」
「……」
「あの「ホールースーさーまー。」」
エリザお嬢様の言葉を遮り殿下を呼ぶ声に俺達は振り返ると、手を振りながら走ってくる女の子がいた。
「はぁはぁ、緊張して遅くまで寝れなくて寝坊しちゃいました。遅れてごめんなさい。」
「いや、僕もさっき来たばかりだから気にしなくていいよ。」
エリザお嬢様との接し方と違い、殿下は明るい表情で女の子に返答する。
エリザお嬢様側の周りの空気が下がる。
特に俺の。
「おはよう!もも。」
「おはようございます!」
おいおいおい?
婚約者の前で、なんだ?
その明るい表情は?
ふざけてんのか?
うちのエリザお嬢様との態度が全然違うじゃないか?
そもそも婚約者を待ってないで他の女を待っているとかあり得ないからまじあり得ないからどういう思考回路しているんだおまえは?
「……殿下、そのかたは?」
「……こち「あ!エリザ様ですね!おはようございます!」」
「……えぇ、おはようございます。」
「私はモモティルナ・ライトベルです!」
イライラが増す。
こいつもふざけたやつだな……
殿下の言葉を遮る、のはどうでもいいが、いきなり愛称呼びだと?
許可もされていないのに……
「私はエアルリーザ・フェン・オルヴェルドと申します。こちらは「エンダース様ですね!おはようございます!」」
「あ、あぁ、おはよう。」
こいつは、またあああ!
「(ラハートフ、落ち着いて。エリザ様に迷惑がかかるよ。)」
リヨンお兄様の言葉を聞き少し落ち着かせる。
すーはーすーはー。
「ショコラン・フェン・マジルドですわ。」
「弟のリョーレンだよ。」
「……弟のラハートフです。」
「あ、はい。おはようございます。」
「「おはよう。」」
「……おはようございます。」
「ホルス様、遅れてしまいます!エリザ様もエンダース様も行きましょう!」
「そうだね。」
「……えぇ。」
「……あぁ。」
ホルスディン殿下とモモティルナが並んで楽しそうに会話をして、その少し後ろをエリザお嬢様と俺達が歩く。
おかしいよね?
おかしいよな?
「(ラハートフ、私は気にしていないから、あなたも気にしないで。)」
「(……。)」
首を縦に振る。
気にしないなんて無理ですよエリザお嬢様……
エリザお嬢様を蔑ろにする奴らを気にしないなんて俺にはできません。
今は我慢しますけど……
「エアルリーザ様!ショコラン様!リョーレン様!ラハートフ様!おはようございます!」
「「「!?」」」
入学式が行われる建物に入ってすぐに声をかけられて驚く俺達。
俺は声をかけてきた人物にも驚く。
「「おはようございます。」」
「「「おはよう。」」」
「私、アリティーナ・フェン・ガルディーナと申します。皆様の実技試験の魔法も凄かったですが、対人戦が素晴らしかったです!とっても格好良かったです!」
「えぇ、ありがとう。」
「当然ね!」
「どうも。」
「……」
「皆様と同じクラスになれてとても嬉しいです!これからよろしくお願いします!」
「よろしくお願いしますね。」
「「よろしく。」」
「……」
「……よろしく。」
アリティーナ嬢が好意を持ってエリザお嬢様と会話している状況に言葉が出ないほど驚く。
全然キャラが違う。
ゲームじゃないから違っても不思議ではないけど……
エンダース様も変わってきているし、エリザお嬢様はさらに綺麗さ高貴さ凛々しさがパワーアップしているけど……
「お兄様ですわ。」
「……エンダースだ。」
「エアルリーザ様のお兄様ですか!よろしくお願いします!」
「あぁ、よろしく。」
本当に、不思議な光景だ……
「ラハートフ、さっきから黙ってどうしたの?」
「ううん、何でもないよ。」
「そう?」
「うん。」
座る席が成績順。
エリザお嬢様の隣か真後ろがよかった……
モモティルナ、席変われ……
金、濃い桃、輝く金、レッドグループフルーツ
赤、青、濃い青、緑
銀、茶、黒、金
焦げ茶、水、紫、銀
深青、銀、茶、黄
日本では染めないとあり得ない髪色。
地毛なんだよ地毛。
ほんと色々あるなぁ。
慣れたけど……。
一番目を引くのはやはりエリザお嬢様の綺麗で輝く金髪。
斜め後ろからのエリザお嬢様も良いな……
座る姿勢も背筋がぴんとしていて綺麗だよな。
それに比べ隣の濃い桃は落ち着きがなくツインテールを振らしてうざったのなんの。
エリザお嬢様みたく落ち着いていろって。
エリザお嬢様の後ろ姿に見惚れ、濃い桃にイラつき、またエリザお嬢様に見惚れていたら、入学式が終わっていた。
振り返りこっちを見たエリザお嬢様と目が合い正気に戻った。
ーーーーー
あとがき
面白いじゃん、続き早く上げろ。と思ったら☆☆☆、面白いなぁと思っても☆☆☆、少しでも気になるな。と思っても☆☆☆をつけていってくださいな!
冗談です。
前から☆☆☆、☆☆、☆をつけてください!
面白くなってきたら☆を足してくださいな!
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