第40話 適性属性
がたごろ、がたごろと音を立てて進む馬車の中にいる。
もちろん大きなチャイルドシートのプチウィンドに座っている。
村から街に来るときに乗った馬車よりは多少揺れは少なそうだけど、無理。
吐きそうになると思いプチウィンドを使った。
エアルリーザ様がすぐ気がつき、エアルリーザ様とアウルーレ様のも用意し、お二方様が座ってらっしゃる。
メリルさんのも用意しました。
座ってるだけで自分とは違い高貴さが溢れ出ている。
目の前に女神様と天使様が並んで座ってらっしゃる。
エアルリーザ様、美し可愛格いっ!
良いっ!
アウルーレ様とセットで目を保養に最っ高!
ここは天国かっ!
あぁ、癒されるぅ……
隣からの寒い視線は気づかないふりをする。
馬車が二台並んで教会に進んでいる。
前の馬車にはエヴィンカル様とトリーリア様とエンダース、様が乗っている。
エンダース、様は昨日のことを覚えていないみたいだ。
なぜか気分良く乗っていらっしゃった。
後ろの馬車は女神様ことアウルーレ様と可愛い天使様エアルリーザ様と、下僕のわたくしことラハートフと侍女のメリルさんが乗っています。
教会で一年に一回七歳を迎えた子供が集まり、適性属性と魔力量を鑑定してもらうらしい。
適性属性とはなんぞや?と思った。
だって
プチだけど、使えるじゃないか。
あれ?闇、ダーク?もあるのかな?
「『プチダーク』」と呟くと雷雲みたいな黒い靄が出た。
これ、細くして目のところに持っていったらモザイクされた人みたいになるな、っふふ。
エアルリーザ様とアウルーレ様、メリルさんに変な目で見られていたことには気が付かないまま、教会に到着した。
先に降りる。
手を差し伸べて降りるのを補助する。
ちょんと手をのせるエアルリーザ様は可愛いっ!
次にアウルーレ様をと補助しようとしたら、扉の前にメリルさんがいてアウルーレ様の補助するメリルさんの姿に不覚にも格好良いと思ってしまった。
ぱく、参考にしよう。
自分達以外にも自分達のように馬車で来る者や徒歩で来る者が教会に来ていた。
自領の教会だからか最前列にエアルリーザ様達は座る。
エアルリーザ様に手を引っ張られ、エアルリーザ様の隣に座らせられた。
座らさせてもらった。
エヴィンカル様、エンダース、様、トリーリア様、アウルーレ様、エアルリーザ様、俺の順に座っている。
メリルさんは厳しい目をしながら横で立っている。
後ろは貴族っぽい人達が座っていて俺の方に視線を向けている。
俺、ここに座ってていんだろうか……
「エンダース・フェン・オルヴェルド様、前へ」
始まった。
「ふっ。」
なぜかドヤ顔を俺に向けてから前に進んだエンダース、様。
えっ?なに?
「エンダース様は風と水属性の適性がありますね。」
「当たり前だ。」
「次に魔力量を……」
魔力量の鑑定の水晶が溢れんばかりの光が出る。
光が明るいほど魔力量が高いらしい。
「なんと、素晴らしいです!」
「ふっ。当たり前だ。」
ドヤ顔で戻ってくるエンダース、様。
うちのエアルリーザ様の方がすごいぜよっ!
魔力量はめがーめがーってなるかもしれないな。
「エアルリーザ・フェン・オルヴェルド様、前へ。」
「はい。」
堂々としてらっしゃる。
あのエアルリーザ様の片鱗を見せてますね!
今は格好可愛いだけど、それも良いっ!
「な、ななんと!全属性っ!」
「「「!?」」」
俺は知っていたから驚かなかったけど、エヴィンカル様とトリーリア様、アウルーレ様とメリルさん以外の人達がめっちゃ驚いている。
エンダース、様も驚き、怖い顔をしてめっちゃ睨んでいる。
そんな凝視していると危ないよ。
エアルリーザ様が魔力量の鑑定の水晶に触れると「「「めがーめがー!」」」と案の定エンダース、様より強烈なとんでもない光が出て悲鳴が上がる。
まぁエンダース、様であのくらい光ったから、こうなるだろうと予測して覚えたてのプチダークでサングラスっぽいのを作って回避した。
エヴィンカル様達の目もそれで覆って被害を回避。
エヴィンカル様達が俺の方を見てくるんだが?
何かしただろうか?
教会全体が大騒ぎのところをエヴィンカル様の一言で、少し落ち着き他の子達の鑑定が続く。
てっきりエアルリーザ様の次かと思って立ち上がる準備をしていたんだが、違う名前が呼ばれ、おっととってなった。
恥ずかしい……。
呼ばれる順番は席順じゃなく身分順っぽい。
あいつ誰?という視線を向けられるわけだよな……
ーーーーー
あとがき
ここまで読んでいただきありがとうございます。
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