第39話 七歳 2

まえがき

22/06/01 17:38

38話の最後の方を「妊娠していた母さんが天使を二人産んだ。まさかの男女の双子だった。」と加筆修正しました。

ーーーーー


もちもちのふっくら頬っぺたを人差し指でつんつんする。


弟の方はやめろよーと言ってるかのように眉を寄せてちっちゃなお手てで押し退けようとする。

妹の方は人差し指を握ってきゃっきゃと手を上下左右に振る。


弟ラルと妹ラーナの双子は俺が六歳になる前に生まれた。


ラルが母さんと同じ金髪、瞳は右が父さんの赤、左が母さんの青のオッドアイ。

ラーナが父さんと同じ青髪、瞳が右が青、左が赤のオッドアイ。


オッドアイって格好良く感じる、羨ましい。

あ、俺は父さんの髪色を濃くした深青髪に瞳は父さんと同じ赤だ。


起きているときにプチライトを出して二人に触れさせる。

圧縮していない普通のプチライトだから素通りする。


すごく不思議そうにしている。

可愛い。

両手でぱんと挟もうとしても素通り。

また不思議そうにしている。

可愛い。


追いかけさせ疲れて寝たら、魔力奪取で魔力切れまで魔力を奪い、魔力を送り込む。

寝ていたら魔力切れまで魔力を奪い、魔力を送り込む。

七歳になった今でも魔力奪取と魔力譲渡を続けている。

俺の赤ちゃん時代より魔力量が多くなっている。


魔力奪取は悪魔などの精神体がもし襲ってきたらどうすればいいか?ということをふと思い、魔力で形を保っているとか言われた。


魔法で攻撃され傷つけば魔力が減り、最終的には保てなくなり消滅するみたいだ。

直接魔力を吸収できればいいなと思いユシル相手に試行錯誤した。


触れている状態なら吸収できるようになった。

逆も、魔力譲渡もできるようになった。


付き合わせたお礼に魔力譲渡で魔力を送ったら今ではユシルはセディスさんと同じくらいの背丈になっている。

ニチカは小学三年生くらい、ポチマルはニチカや俺を乗せられるくらいの大きさになっている。

望んでいる大きさを保っているんですとユシルが言っていた。


あとラルとラーナの目の前に様々な形のプチファイアなどを見せる。

あの回るやつのように様々な形のプチ魔法を浮かべ回す。

二人とも楽しそうだ。


もう少し大きくなったら木馬みたくプチウィンドのグリフォンとかに乗せてあげよう。

理解できるようになったら、身体強化も教えて最強の一角に育てよう。

たぶん俺はこの子達が成人するまで一緒にいられないだろうから……



午前の騎士訓練、午後の魔法修練がいつものように終わり、『ゲート』で帰ろうとしたら、使用人のマベルさんにエヴィンカルさんが呼んでいると言われ、執務室に入室の許可を取り中に入る。


エヴィンカル様とセディスさん以外にも今日も可愛いエアルリーザ様と綺麗なアウルーレ様とトリーリア様、嫌なやつエンダース、様がいた。


「俺達を待たせるとは何様のつもりだ?」

「……」

「土下座しろよ。」

「……」

「おいっ!無視するなっ!」

「……」


エヴィンカル様はこめかみを揉んで、トリーリア様は両手で顔を覆って、アウルーレ様とエアルリーザ様を呆れた顔をして、セディスさんは悲しそうな表情をしている。


極力会わないように過ごしてきたけど、性根は変わっていないんだな……


「……はぁ、遅れて申し訳ありませんでした。」

「最初っからそうしろよなっ!」


頭を足でぐりぐりされる、前に頭と足の間に結界を張る。

エンダース、様は結界をぐりぐり、ぐりぐりして満足したようだ。


面倒臭いなぁ……


「お父様、それで」


エンダース、様が言い切る前にエヴィンカル様がエンダース、様をぶん殴った。

執務室の壁にぶつかり、床に倒れる。

一応胸が上下しているから生きているだろう。


「ラハートフ、すまない。」

「いえ、結界を張ったので頭も汚れていませんし、気にしてません。」

「……それでも、すまない。」

「ラハートフ君、ごめんなさい。」

「エヴィンカル様、トリーリア様、本当に気にしていないので、いいですよ。エヴィンカル様、それでなぜ私は呼ばれたのでしょうか?」

「……うむ。ラハートフも七歳になったのだろう?明日適性属性と魔力量を鑑定する日なのだ。一緒に行ってもらおうかと思ってな。」

「明日ですか?大丈夫ですが、適性属性って何ですか?」

「そうか、では一緒に行こう。適性属性とはーー」


ーーーーー

あとがき

も、もしかして主人公の髪色瞳色、初発表ですか、ね?39話で初って……というかエアルリーザ様の髪色瞳色しか出ていないですね……


ここまで読んでいただきありがとうございます。

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