第25話 究極の植物魔法
まえがき
本日二話公開しています。24話を忘れずに。
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魔導書契約の報告の翌日。
早速契約して使えるようになった究極の植物魔法を試しに魔法修練場に来た。
途中、種を受け取ってきた。
「いちごの種を使います。」
「私を通す?」
「最初だから自分でやってみる。」
「頑張って。」
大量の魔力を込めてこの場所で成長する想像をして究極の植物魔法の『変種』を使う。
光った種を地面に埋めてプチグロースを種に使う。
少し土が盛り上がり芽が出てくる。
魔力をどんどん注ぎ成長させる。
花が咲き、実が……
いつまで経ってもならない。
花が枯れ細い茎の先から芽が出てきてまた花が咲く。
また細い茎が伸び芽が出て花が咲くのを繰り返し、いつまでも実がならなかった。
プチグロースは発芽させる魔法。
グロースというさらに成長させる魔法がある。
この魔法は魔導書に書いてあったが究極の植物魔法ではない。
魔導書に農民が使っている魔法だと書いてあったが、俺が生まれた村では使っている人がいなかったから知らなかった。
「ラハートフ君、いちごは受粉しないと実がなりませんよ。」
「それ、早く言ってよ。」
なるほど……
ユシル、本当、早く指摘してほしかったよ……
そのまま成長させて花が咲いたところで指では上手く付かないから、袖でとんとんとして受粉させてからプチグロースを使う。
すると、普通の真っ赤ないちごができた。
次、この場所で成長し受粉させなくても実がなるのを想像して『変種』した。粒々がないいちごができた。
美味しさは変わらない。
続けて成長させると最初のいちごと一緒で細い茎が伸び芽が出てと増えていく。
「ラハートフ君、これだともし枯れてしまったら種がなくなって次が育てられないようになりますよ。」
「それは駄目だね。」
「でも美味しいわっ!」
「ありがとうございます。」
時々エアルリーザ様がいちご狩りに来て「取れたては美味しいわね。」とか笑顔で「美味しいわ。」と言い食べていた。
ラハートフのやる気は超絶好調に上がった。
隠密侍女のメリルさんの口角が若干上がっているように見えて、見ていたら顔を少し赤くしていた。
可愛いところがあ
睨まれた。
やっぱり、怖い……
今のところ最初に変種した種は成長し続けているけど(領兵さん達が成長させ受粉し食べている)、枯れてからでは遅いから対策をしとかないとね。
次、受粉しなくても種ありの実がなるのを想像して『変種』を使ったら魔力切れを起こし気絶し、変種は失敗した。
昼過ぎに起き再挑戦し、また気絶し失敗した。
夕食後に起き、旅のオトモを少し読み、再挑戦、気絶した。
翌日また魔力切れを起こして気絶し失敗した。
昼過ぎに起きる。
今は無理そうだから、受粉しなくても実がなり、受粉したら種あり実がなるのを想像し『変種』した。
今度は魔力切れを起こさず気絶せず、種が光る。
埋めて花が咲くところまでプチグロースを使い、いくつか受粉した後、またプチグロースを使った。
受粉しなかったものは種無し、受粉したものは種ありのいちごができた。
成功だっ!
何度か繰り返し同じ場所で成長させ続けていると魔力消費が多くなっているような感じがした。
魔力を多く注がないと成長速度が遅い。
そういえば……と、収穫が終わったら、畑に堆肥などを混ぜて土の栄養を回復させていたなと基本的なことを忘れていた。
土の栄養が少なくても成長するのを想像した。
種はできたが、成長させるのに変わらず大量な魔力が必要だった。
栄養がなくてもでやったら案の定さらに多くの魔力が必要になった。
栄養の代わりを魔力で補っているから消費量が増えるのかな?
逆に魔力さえあれば成長させられるんだからある意味成功か?
ユシルを通して『変種』を使うと、栄養がなくても成長する種と同じくらいの魔力消費が成長に必要だった。
これは精霊が魔力で成長する故、種も魔力で成長すると無意識に込められたからだった。
気がつくと魔法修練場がいちご畑になっていた。
使用人や夫人様方、その子供達が笑顔で楽しそうにいちご狩りをしていた。
綿棒のような物が用意されていて自分達で受粉し成長させいちごがなると取って食べている。
エアルリーザ様もアウルーレ様と一緒にいつもより楽しそうにいちご狩りをしていた。
エアルリーザ様が可愛いっ!
エンダースが「なんで農民がすることを貴族の俺がしなければいけないのですかっ!」と言い、俺をついでに睨み去っていった。トリーリア様が悲しそうにしていた。
場の空気が悪くなったが、空気を読まない子供達の「美味しいっ!」「美味しいっ!」と笑顔で食べて元気な声を上げる姿に楽しく暖かい雰囲気に戻る。
受粉しなくても実がなるいちごに「魔法だけでいちごがなるっ!すっごーい!」とテンションが上がる子供達。
グロースを使い続けて魔力切れで倒れてしまった。
魔力を増やす方法を知らない人達が慌てて、盟約をしている母親達は子供を抱っこしながらこそこそと何かを話していた。
後日エヴィンカル様に呼ばれ話を聞いた。
子供達に「気絶するまで魔法をかけてくれたいちごが一番美味しいわ。」と、「子供達が頑張ってやるように仕向けていいか?それで毎日寝る前いちごを成長させ、魔力を増やさせていいか?」と聞いてきた。
それは子供は親に褒められたくて頑張り、知らぬ間に魔力が増えていたってことかな?
盟約の抜け道なのかな?
後々ちゃんと盟約をするってエヴィンカル様が言う。
「オルヴェルド公爵家の為になるなら別に構いません。」と、本当にそう思って言った。
オルヴェルド家が強くなるなら大歓迎だ。
エアルリーザ様を守る為にオルヴェルド家が力をつけるのは大歓迎だから了承した。
あと魔法修練場をいちご畑にするなら前もって言ってほしかったと言われた。
え?
俺のせいなのか?
いつの間にか広がっていて俺も驚いたんだけど……
領兵さん達と母さん達が住んでいる建物の近くに移植しました。
ついでにいちご以外の野菜や果実も土が栄養なくても成長し、受粉しなくても実がなり、受粉したら種ありになるのを想像して『変種』をした。
一日で終わるわけなく数日かけて様々な種を『変種』をした。
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あとがき
家庭菜園をしているのですが、ガチで本気で欲しい魔法です。ゴーヤやカボチャとかに使いたい。連作障害を起こらないようにしたい。肥料も堆肥も買わなくてもいいようにしたい。そんな願望で生まれた魔法です。
関係ありませんが茎ブロッコリーに群がるアブラムシをどうにかしたいです。はい。どうでもいいですね。すみません。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
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