第23話 契約精霊

究極の植物魔法の魔導書に宿っている元木の精霊ドライアドが言うには魔導書とは精霊や著者の霊魂、悪魔などの精神体が宿っている本のことを指すようだ。

宿っていない本は魔導書ではない。


人族がいう魔導書の殆どは魔導書ではない。

逆に魔導書なのにそう思われていない本もいくつかあるらしい。


人族がいう魔導書は習得が困難な魔法書や威力が非常に高い魔法書など多くの魔力を必要としている魔法書を指している。

威力が非常に高い魔法書にその属性の精霊が宿ることがあるから本物の魔導書ってこともある。

火なら火の精霊が、回復なら天使などが宿るらしい。

ただ気に入ったという理由で宿る精神体もいるらしい。


究極の植物魔法の魔導書に宿っている元木の精霊ドライアド、全長三十センチくらいで麦わら帽子を被った碧色のロングストレートヘアに同色の瞳のたれ目で小麦色の健康的な肌の薄い緑色のワンピースを着た見た目お姉さんが俺と契約しちゃったみたいだ。


本が閉じられているときは寝起きの微睡みのような感じで意識はとてもぼんやりとしているようだ。

誰かが触れると少し覚醒する。

本を広げ読まれると完全に覚醒し読んでいる者のことを確認する。


自分と相性がいいか?

魔力量はどのくらいか?

どういう気持ちで読んでいるのか?とチェックが入るようだ。


そして最後まで読まれると契約の一段階目、契約精霊が姿を現し読者に触れると契約の二段階目、魔導書を取り込めたら契約完了。

以降定期的に魔力を与える。


「本来二段階目の時に契約するか確認を取るのですが、あなたのことがとても気に入っちゃいまして契約をしちゃいました。あなたのことは応援します。」

「ありがとうございます?えーっと、契約する前に聞くべきことだと思いますが、メリット、デメリットはありますか?」

「いつも通りの話し方でいいですよ。メリットは魔法が確実に使えるようになる。私を通して使えば効果倍増。魔力消費量減少。植物や精霊に関しての知識を教えられること。特に植物には強いです。あとはなんでしょうか。あ、念話ができます。あなたが寂しい時や相談したい時、いつでも私に念話していいですよ。」

「う、うん。ありがとう。俺、ラハートフという名前だからラハートフと呼んで。デメリットは?」

「わかりました。ラハートフ君と呼びますね。デメリットは私との契約では定期的に魔力を与えることだけです。他の魔導書ですとその属性の魔法しか使えなくなるとか寿命を対価にとかいろいろあります。」

「えっ!?もしお姉さんがそういう魔導書だったらヤバかったってこと?」

「基本本契約の前に確認をしますから大丈夫ですよ。」

「でも、お姉さんみたいに気に入られたらヤバいんじゃない?」

「相性が良くないとあんなにすんなり契約できませんから、不安になる必要はありません。拒絶すればいいのです。」

「そう、それなら安心、かな?」

「これからは私が守りますので、安心してください。」

「精霊に守られるなんて安心だね。ありがとう、お姉さん。」

「と、当然のことですから、気にしないでください。」

「?あ、お姉さんの名前は?」


そう聞くと少し顔を赤くしていたお姉さんがさらに赤くしもじもじし始めた。


えっ?なに?

なんかエロいんだけど?

エロいと思うだけで興奮はしないけど……

ただ、ただエロいなーって感想。


「私、初めてなんです……」

「えっ?なにがっ?!」

「……ですから、ね?」

「いや、本当にっ、なにがっ?!」

「……」

「いやっ、そんなに見つめられても、この身体だとまだ無理だっ!」

「無理じゃないですよ?」

「えっ?この世界だと五歳児でもできるのっ?」

「年齢は関係ありません。」

「マジか!?というかっ!これからしようとしていることは名前とは関係ないよねっ?」

「何を言っているのですか?名付けなんですから名前と関係あります。」

「えっ?名付け?」

「ん?あ!ラハートフ君は、ナニを、想像したのですか?」

「い、いや、」

「もう、ラハートフ君はいけない子ですね。そういうことは好きな子としなさい。」

「いやまだできないしお姉さんが紛らわしい言動したからで」

「お姉さんはラハートフ君を応援しているわ。」

「……はぁ、名付けされるのが初めてってことなんだね。」

「そうです。契約自体が初めてなんです。」

「……はぁ、元木の精霊の時の名前はないの?」

「精霊に名前はないです。契約して名付けで初めて名前が付きます。」

「そうなんだ。」

「優しく……して、くださいね……」

「わざとやっているでしょ!もう!」

「なんだかお姉さん、ラハートフ君をからかいたくなっちゃいます。」

「……名付けはしないといけないの?」

「ごめんなさいごめんなさい何でもしますから名付けをしてください!」

「えっ?ご、ごめん、泣かないで。ちゃんと名付けするから。」

「ありがとうございますありがとうございます。」

「う、うん。」


いきなり泣くお姉さんに困惑しながら、どんな名前がお姉さんに合うか考える。


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あとがき

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