第22話 魔導書

魔導書二冊を受け取り盟約を達成したから、出ていかなきゃいけないと思っていたのだけど、プチウォーターでの特産品作りの件でまだ詳細を詰めていないから、終わるまで滞在していいと言われ、お言葉に甘え同じ部屋に泊まらせてもらうことにした。


魔導書は多くの魔力と適性、才能がなければ使用できない。とエヴィンカル様が言っていた。

なぜだろうか、使用できないという言葉に引っ掛かりを感じた。


オルヴェルド公爵家の所蔵する魔導書を全てぱらぱらとかるく読んで感じたことがあった。

多くの魔導書に著者の想い?がひしひしと感じた。


それが何なのかすぐに知ることになったけど……


選んだ魔導書は究極の植物魔法と旅のオトモの二冊。

大金貨十枚とまさかの千枚超え大金貨二千枚。

その価値を聞いたとき旅のオトモを返そうとしたが受け取ってくれと頑なに返還を拒否された。

諦めて受け取ることにした。


盟約をしてでもこんなにも価値がある魔導書を全て村人に見させ選ばさせてくれたエヴィンカル様への好感度が超上昇した。


俺的には究極の植物魔法も大金貨千枚くらい価値があるものだと思っている。

どんな魔法かというと植物をどんな場所でもどんな環境でも成長できるようにする魔法だ。

極寒の地や痩せた土地などで大大大活躍するような魔法がなんで十枚の価値なのか理解できない。


なぜこの魔導書を選んだかというと、もし断罪ルートに進んだらエアルリーザ様を拉致し、この国を出ようと思っている。

その道中、この魔法が使えれば食料で困ることがなくなると思いこの魔導書に決めた。


新鮮なものを、美味しいものを食べさせて少しでも心を癒してあげたいと思ったんだ。


特産品作りにも役が立ちそうということも少しある。

少量でいいから様々な種を買ってきてもらうことをお願いした。


それにエアルリーザ様に会いにい、じゃなくて魔法の試行、改良をするため魔法修練場に通っている時、攻撃はドラゴンプチファイアやライフル弾プチアースなどで十分だと領兵さん達に言われた。


防御はドーム状のプチウィンドやプチアース、プチウォーターで防げると言われ、妨害はプチアースの土の手やドラゴンやグリフォンなどの生き物?系プチでいいと。


回復や特殊はプチ○○がないからそれ系統の魔導書にしようかなと思ったけど、なんと回復の魔法をエアルリーザ様の母君アウルーレ様が直々に教えてくれることになったから、除外した。


攻撃防御妨害は十分だと言われたが、今の魔法が通じない敵が出てくるかもしれないし、エアルリーザ様を守るため救うため試行、改良していく所存であります。

当然魔力量も継続して増やしている。



二冊目の旅のオトモは特殊系である。

三つの魔法が書かれている。


唐突だがこの世界には俺達人族や魔物の他に動物やオルヴェルド家の貴族紋章になっているフェンリルのような聖獣などがいる。


その動物や聖獣などと特殊な契約するコンパニォンという魔法が一つ目の魔法だ。

普通の契約魔法が主に敵対行動しない、契約者の命に従うというだけだが、旅のオトモの契約魔法はお互いに敵対行動しない、迷惑かけないという契約以外に念話(電話みたいなもん。遠くにいても、口に出さなくても頭で思うことで伝わる。)や召喚送還ができ、GPSのような位置がわかるようになり、さらにお互いの能力の一部が相手に付与されお互い能力が上昇するようだ。

上昇率は仲の良さで上下するようでオトモを大切にするようにと書いてある。


二つ目はテントという名の異空間の魔法。

術者の魔力量で中の広さが変わる。

想像した環境、中身にできる。

究極の植物魔法と組み合わせれば最強の居住地ができあがるかもと思った。


三つ目はもう一度あそこに行きたい!と思う気持ちから生まれた魔法、ゲート。

転移魔法だ。

一度訪れたことのある場所の魔力座標というものを記録する。

行きたい場所の魔力座標を入力しゲートを使うとそこに繋がる。

魔力量で記録できる数が変わる。と書いてある。


魔導書を真剣に読んでいると不思議と内容がすんなり頭の中に入ってくる。

時間を忘れ、朝から究極の植物魔法を読み始め、昼食を忘れ読み続け、夕食前に読み終わってしまった。


パタンと魔導書を閉じると魔導書が淡く光り、光が形を作り始め、麦わら帽子を被った碧色のロングストレートヘアに同色の瞳のたれ目で小麦色の健康的な肌の薄い緑色のワンピースを着た見た目お姉さんと成った。


全長三十センチくらいの。

前世の小学生の時使っていた竹のものさしくらい。


見た目お姉さんが「あなたに究極の植物魔法を授けましょう。」と言いおでこにキスをしてきた。

魔導書が光になり俺の中に入ってくる。


そして、究極の植物魔法を理解した。

たぶん、使える。

キスをして離れた見た目お姉さんがにこにこしている。


「えーっと、本の精霊さん?」

「惜しいです。私はこの魔法書が気に入り、契約精霊となったもと木の精霊ドライアドです。」

「魔法書?魔導書じゃないんだ?契約精霊に元木の精霊?」

「今は魔導書ですね。私のような精霊や著者の霊魂、悪魔などの精神体が宿っているものを魔導書と言い、宿っていないものは魔導書とは言いません。」

「衝撃の真実を知ってしまったような……あれ?今の言い方だと、魔導書じゃない魔導書がある感じですか?」

「はい。人の子が魔導書と呼んでいるものの多くのものは魔導書ではありません。」

「……そこにある旅のオトモは?」

「元気な子達が宿ってますね。」

「運が良いの、かな……」

「そうですねと言いたいですが、あの場所には多くの魔導書が置かれてありました。」

「それは、凄いことだよね?分かってて収集しているのかな?」

「それはわかりませんが、この家の子で魔導書と契約している子はいますよ。」

「そうなんですか?あ、エヴィンカル様かな?前に不思議なことがあったんだけど、精霊とかなら納得いくかも。」

「契約している子の名がエヴィンカルというかはわかりません。」

「そっか。契約しているということはすぐにわかるようなことなんですか?」

「気配がしますからわかります。」

「俺とあなたは契約しているんですか?」

「はい。契約しちゃいました。」


ということはエヴィンカル様も俺が契約しているということがわかるってことだよな。

報告しないとな……


エヴィンカル様は本物の魔導書だとわかっていてくれたのだろうか?

俺が契約できると思っていたのだろうか?

俺はエヴィンカル様じゃないからわからないな。

報告ついでに聞いてみようかな?


ーーーーー

あとがき

小麦色の健康的な肌のお姉さんが好きな方も好きでない方もフォロー応援評価をお願いします。

私は好きです。

元気っ子な人も好きです。

でも一番はエアルリーザ様です。


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