第20話 エアルリーザ様+αと魔力と魔法の話 2

オルヴェルド公爵家の使用人達と朝食を終え、今日も別の魔導書を見て悩む。


バン!と扉が開く。

エアルリーザ様とその後ろに侍女さんのメリルさんが立っている。

デジャブ。


「ラハートフ、また魔法を教えなさい!」

「はい、わかりました。片付けますので少々お待ちください。」

「手伝ってあげるわ。」

優しい、好き……

「ありがとうございます。」


同じ展開、はっ?!

ループかっ?


「手が止まっています。早く片付けてください。」

「はっはいっ!」


メリルさんが俺の耳元でエアルリーザ様には聞こえない小さな声で言った。

いきなりで身体がビクッとした。

いつの間に近づいていたんだかわからなかった。


隠密もできるメリルさん、隠密侍女か。

強い。

怖い。


はい、無事に魔法修練場に着きました。


エアルリーザ様が椅子に座って俯きました。

何かあったのか?

少し経ちエアルリーザ様が口を開きました。


「昨日、魔力を使い切ろうとしたのよ。でも使い切る前に疲れて寝てしまったの。ラハートフもそういうことなかった?」


寝落ちしちゃったのか。

今世ではないけど前世ではよくしていたな……


「エアルリーザ様は魔力を多く込めたり、同時使用はしなかったのですか?」「魔力を多く込める?同時使用?」

「はい。魔力量が増えて使い切るまで時間がかかるなっ!って、早く使い切るにはどうすればいいだろうか?と考えました。そうだ!一回に使う魔力を増やしてみよう!とか同時に二個出せれば二倍だ!次に三個だ!四個だ!と増やしたら、早く使い切ることができるようになりました。」

「そんなことができるのっ?!」

「エアルリーザ様もできるようになりますよ。」


エアルリーザ様と時々メリルさんと魔法を試行しながら自分がやったことや思ったことを話す。


「魔力を多く込めると効果が上がるとわかって、それでふと明るさや大きさが変わるのなら形も変えられるんじゃないかと思ったのがきっかけで、グリフォンプチウィンドやプチファイアのフェニックスやドラゴン、プチウォーターのリヴァイアサンや色んな魚、プチウィンドのシルフ、プチアースの亀や土の手などを何度も試し作ったんです。」


今まで作ったことがある形を披露した。

魔法修練場にいた領兵さん達にも拍手を送られた。


そして、エアルリーザ様は魔力を多く込めれるようになった。


「ラハートフ、圧縮ができませんの。」

「使用する魔力を圧縮するんですが……」

「それがわかりませんの。」


うーん。

魔力をぎゅっと押し固めるんだけど…………

あ!

泥だんごだっ!


「ちょっと汚れることをお許しください。」

「いいわよね?」

「クリーンが使えますので大丈夫でございます。」

「ラハートフ、許します。」

「ありがとうございます。」


「『プチアース』『プチウォーター』」


プチアースで土を集め、プチウォーターでできた水を集めた土にかける。

手で混ぜ混ぜして緩く泥だんごを作る。

普通の魔力量のプチライトと魔力を多く込めて圧縮前のプチライトの大きさの泥だんごを二つずつ計四つ作った。


「小さい方が普通のプチライトの魔力量、大きさの方が魔力を多く込めた魔力だと思ってください。触ってみてください。」

「わかったわ。」

「はい。」

「「「わかりました。」」」


なぜか一緒に聞いている領兵さん達。


緩いため指がすんなりと入る。

メリルさんにクリーンを使って綺麗にしてもらい説明を続ける。


「今の状態が圧縮前です。それをこうして両手で押し固める。ぎゅっと固める。ぎゅっと。」


ぎゅっぎゅっぎゅっぎゅっと泥だんごを回しながら押し固める。

分かりやすいよう濡れていない土を少しかけぎゅっぎゅっぎゅっぎゅっと押し固める。


両方一つずつ押し固め終わる。

最初緩く作ったから、圧縮するとわかりやすく元より小さくなった。

上手くいったと内心ほっとした。


圧縮前と圧縮後を並べる。


「見てわかると思いますが圧縮すると小さくなります。そしてこのように掴めます。」


圧縮後泥だんごを掴む。

それから圧縮前と圧縮後のプチライトを出す。


「わかったわっ!」

「そういうことですか。」

「「「なるほど。」」」

「丸の形で圧縮できるようになったら三角、四角と複雑な形と難易度を上げでいきます。最終的には、こんな感じのを。」


新しい形、組み合わせ、想像はできている。

というか目の前にいる。


プチファイアアアアと心の中で叫ぶ。

出来た……

完璧だ。

自画自賛。


「「!?」」

「「「これはっ!エアルリーザ様っとドラゴンっ!?」」」

「あ、エアルリーザ様、それには触れないでください。プチファイアなので火傷します。」


自分に似たものを触ろうとしたエアルリーザ様は手を引っ込む。


全身真っ赤な色のエアルリーザ様が同じく真っ赤な色のドラゴンに跨がっている。

竜騎士だね。

赤毛も似合いますね。


「すごい。」

「よくできてますね。」

「うん。」

「エアルリーザ様もできるようになります。」

「本当?」

「はい。エアルリーザ様が努力家だと知ってますから!焦らずこつこつとやっていきましょう!」

「……そうね。まずは圧縮できるよう頑張るわ!それから同時使用もできるようになるわ!」

「その意気です!私もさらに圧縮度を上がるよう、同時使用数が増えるよう一緒に頑張ります!」

「ええ、一緒に頑張りしましょう!」

「はい!」




「圧縮を極めるとここまでできるのか。」

「スゲーな。」

「というかこれプチファイアって言ってたけど、絶対違うよな?あのグリフォンもプチウィンドとか言ってたけど、絶対違うよな?これ上級魔法になるんじゃないか?」

「あぁ、魔力量的にもそうだな……」

「王宮魔導師に余裕で入れるんじゃないか?」

「噂ではラハートフはオルヴェル公爵様の隠し子らしいぞ。」

「なら、納得だな。王宮魔導師に入らないで教えてもらいたいものだな。」

「そうだな。」

「オルヴェルド公爵家は凄いな。エアルリーザ様も天才だと思っていたけどさらにその上をいく天才の隠し子がいるなんてな。」

「スゲーな。」


ラハートフ、エアルリーザ、メリルは領兵さん達がそんな会話をしているとは思ってもいなかった。


そして誤解だと証明されたのに、ラハートフはエヴィンカル様の隠し子らしいという噂はラハートフ様はエアルリーザ様の上をいく天才だと追加された噂が少しずつ広がっていくのだった。


ーーーーー

あとがき

面白いじゃん、続き早く上げろ。と思ったら☆☆☆、面白いなぁと思っても☆☆☆、少しでも気になるな。と思っても☆☆☆をつけていってくださいな!

冗談です。

前から☆☆☆、☆☆、☆をつけてください!

面白くなってきたら☆を足してくださいな!

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