第18話 万死に値する
心臓が止まることなく魔法修練場に着いた。
魔法使いの領兵さんが訓練している。
エアルリーザ様の侍女さんが丸テーブルと椅子一つを置く。
なぜ椅子は一つなんでしょうか?
俺の分は?
ない、そうですか……
まぁいいけど。
侍女さんが椅子を引くとエアルリーザ様が座る。
引かれ慣れているエアルリーザ様格好良いっ!
もうこの歳から貴族らしくて優雅で格好良いね!
俺だったら「あ、すみません。」とか言って頭をぺこぺこして座るな……
「ラハートフ、グリフォンやドラゴンの魔法を教えなさい。」
「わかりました。ですが、あの大きさには多くの魔力量が必要なので、エアルリーザ様ができるかわかりません。まずは「平民風情が、エアルリーザ様を侮辱するとはっ!万死に値するっ!」」
俺の魔力量が多いとはわかっていたけど、エヴィンカル様が「ラハートフの魔力量は異常だ。私より多い。どうやったらそんな魔力量になるんだ?いや、この村の秘伝なんだろう。言わなくていい。」となんか勢いで教えられなかったけど今度教えてあげよう。
ではなく俺の魔力量は異常ということを教えてもらった。
たまたま前世の記憶の方法(魔力を使い切って気絶するあれね。)が上手くいっただけだけど、増やし方を知られていない俺と同じ五歳の子供がそんな魔力量があるわけがなく、事実を言ったわけで、そしたら興味があったのかわからないけど近くにいた一人の領兵がいきなり火の魔法をぶっ放してきた。
「『プチウィンド』」
エアルリーザ様とついでに侍女さんも囲うように圧縮した空気をドーム状に形成した。
火の魔法が当たるとボンっと爆発し全体に火が分散して弱まり消える。
「なっ?!」と物凄く驚いている領兵さん。
他の領兵さん達に取り押さえられる領兵さん。
「エアルリーザ様、申し訳ありません。エアルリーザ様と一緒にいられて浮かれ「……」……。」
侍女さんの睨みつけるの攻撃、ラハートフに効果は抜群だ。
ラハートフは怯んだ。
「……平民風情がエアルリーザ様に魔法を教えるのは良くないみたいです。それはわかりましたが、あの魔法を放った方には罰を与えてください。私が防いでいなかったら、エアルリーザ様にも被害がありました。それこそ万死に値します。」
「……ラハートフ様の言う通りですね。」
「そう……。」
「しかし死は一瞬です。それでは罰になりません。なのでトイレや馬の厩舎などを魔法を使わないで掃除することを罰にと提案します。」
「魔法を使わないとそれは、キツいですね。罰になるかと。」
「では、それを罰にしましょう。」
「ありがとうございます。あとわからなかったとはいえ私はエアルリーザ様を侮辱してしまったみたいなので死以外の罰を与えてください。」ドMじゃないぞ!
「…………ラハートフの罰は、あなたの魔法の知識を私に教えることよ!」
「わかりました。平民風情の知識が役に立つかわかりませんが私に知っていることをすべて教えます。」魔法はプチ系しか知らんけどな!
エアルリーザ様と一緒にいれることに浮かれていたけど、魔法を教えるだけなのにどうしてこうなった?
平民風情がって生まれなんてどうしようもないじゃないか……
俺が平民風情と言うたびに取り押さえられている領兵さんがめっさ睨んでくる。
万死に値するがエアルリーザ様が一瞬悲しい表情を浮かべたからトイレ掃除にしたんだぞ!
感謝しろよ、トイレ野郎!
エアルリーザ様に少しでも傷でもつけていたら俺が手をかけていたな。
エアルリーザ様を巻き込むなっ!
トイレ野郎!
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あとがき
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