第14話 街に入る

「公爵様、こちらへどうぞ。」

「彼らも一緒に通してくれ。」

「はっ!承知しました。」


オルヴェルド公爵様がグリフォンプチウィンドから降りないから、乗ったまま先導してくれる領兵さんの後をついていく。

領兵さん達に囲まれながら進む。


行列ができている門とは違う、少し凝った門をくぐり街の中に入った。


俺と母さんは初めての街にきょろきょろと建物や通行人を見る。

村の建物は教会以外一階の建物しかなかった。

前世に比べると全然低いけど、二階建てが普通みたいで三階、四階建てがぽつぽつ建っている。


うちの村では皆似たような服装、いやほぼ同じ服を着ていて、あっても二、三種くらい。


それも似たような服だった。

丈夫さ長持ち重視の服だった。


まぁ元々おしゃれに興味がなかったから気にしていないけどな。

通行人の服装はおしゃれな服だったりどこかの誰かさんみたいな真っ赤な服だったりそれはそれは色んな服を着ていた。


母さんが羨ましそうに見ていたので買ってあげようと思った。


少々、いや結構目立ちながら進む。

次第にどんどん人が集まり、パレードのような感じになる。


左右に領民や商人や冒険者、真ん中を先導する領兵さんに主役のグリフォンプチウィンドに乗るオルヴェルド公爵様と、同じグリフォンに乗るが主役になりたくない俺と母さん、三人を囲み護衛する領兵さん達。


降りればよかった。

そしたら馬車に乗って目立たなかったかもしれないと後悔。


「あれグリフォンだよな?」「グリフォンだ!」

「カッコイイ!」「「「エヴィンカル様ー!」」」


オルヴェルド公爵様は堂々と背を伸ばし前を見てグリフォンに乗っている。

俺は何も見えない聞こえないと現実逃避して前を見ていて、母さんは恥ずかしそうに俯いている。


最初にくぐった門よりも凝った門を見えた。

門の近くには人が少なくなり俺と母さんはほっとした。


その門をくぐった。

貴族区に入ったみたいだ。


オルヴェルド公爵様達が住み働く中央区、貴族が住む貴族区、他の領民が住む一般区と、第一城壁、第二城壁、第三城壁と区切られている。


一般区、貴族区の大通りには色んな商店が建ち並んでいる。

貴族区の商店にはおしゃれ過ぎて高価過ぎて立ち寄ることはないだろうなと思った。


始めにくぐったのは第三城壁の門で、今第二城壁の門をくぐり一般区より綺麗な建物が建ち並ぶ大通りを進む。


住む世界が違うなぁと思いながらついていく。


一般区ではあまり感じなかった侮蔑な眼差しを向けられる。

高そうな服を着た子供も大人と同じく侮蔑な眼差しをしている。


さりげなくあっちこっちそっちを見るとそのまま侮蔑な眼差しの人もいれば、睨むように見る人もいたり、母さんの方を見てにやりと気持ち悪い笑みを浮かべる人もいたりした。


さっきの方がましだ、けど、もう絶対来ないぞと思った。

来るとしても絶対母さんを連れてこない。


綺麗だけど居心地が悪い貴族区を早く抜けたいけど、ゆっくりと進む。


母さんの抱き締めが強くなる。

母さんの手を強く握る。

大丈夫、何があっても守るからと。


第一城壁に着くと門兵以外人は今来た俺達しかいない。


「公爵様、あの、その、グリフォンに契約紋がありませんが、大丈夫でしょうか?」

「うむ。問題ない。」

「そ、そうですか。では、お通りください。」


「護衛、ご苦労だった。戻っていいぞ。」

「はっ!承知しました。」


第二よりさらに凝って頑丈そうな門をくぐると、綺麗に整えられた植木道があり、少し先に噴水があり、その先に王様が住んでいるんじゃないの?っていうくらいの立派な城があった。


あれ?

俺ってオルヴェルド公爵家が所蔵する魔導書を見に、選びに来たんだよな?

王城は関係ないよな?

この城が家だとか言わないよね?ね?とは聞けず、黙ってオルヴェルド公爵様の後をついていく。


全て同じく綺麗な丸く整えられた植木道を進み、噴水前に着く。

噴水に天辺には遠吠えをしている姿のフェンリルの白い像がある。

目の部分は蒼い宝石のようなものが嵌めてある。


「目のところのやつ綺麗ですね。」

「我がオルヴェルド家の家宝だ。」

「「えっ?!」」

「家宝をこんなところにあって大丈夫なんですか?」

「大丈夫だ。悪意あるものが触るとな……」

「触ると?」

「……うむ。ラハートフ、試しに触ってみよ。」

「え?いやいやその感じですと悪意ある人が触ると痛い目に会うんですよねっ!盗もうとか考えてはいませんが、少しでもその、悪意感知か何かに引っかかったら、ヤバイですから触りませんよ!触らぬ神に祟りなしですよ!」

「なぜその諺を……」

「え?今何か言いましたか?」

「いや、何でもない。」


そう言い急に先に進むオルヴェルド公爵様。

慌ててついていく。


触らなかったから怒らせてしまったのだろうか?

でも俺に何かあったら母さんを守れないから無理ですよ。



城の玄関に着くと自動で両扉が開き、仁王立ちの女の子がいた。

そして、彼女が衝撃的なことを言った。


「あなたがお父様の隠し子にして恩人のラハートフですわね。私はあなたの姉のーー」


一章終わり


ーーーーー

あとがき

面白いじゃん、続き早く上げろ。と思ったら☆☆☆、面白いなぁと思っても☆☆☆、少しでも気になるな。と思っても☆☆☆をつけていってくださいな!

冗談です。

前から☆☆☆、☆☆、☆をつけてください!

面白くなってきたら☆を足してくださいな!

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