第11話 出発までの一週間

ドライフルーツ事件から一週間。

オルヴェルド公爵様達と一緒に町に行くことになった。


俺と母さん、乾燥物に加工する人、あの時泣きながら食べていた一人のメルドさんと夫婦のコックスさんとシェフルさんと肉屋の夫人キヤさんも一緒に行くことになった。


この日まであの時いた皆で加工の熟練度を上げたり試行したりした。

オルヴェルド公爵様が「スープを乾燥物にできないか?」と聞いてきてインスタントスープを思い出しやってみたら乾燥野菜とスープの粉ができた。


俺だけ成功した。


皆はスープ味のプチウォーターと乾燥野菜ができた。

俺のはお湯を注ぐと普通のスープになり、皆のは味が抜けたところにお湯を注いだから超味薄スープになった。


スープの粉を舐め、水だけ抜くのを意識してプチウォーターを使ってもらう。

何度も失敗したがほんの少しだけスープの味がするようになった。

もっと何度も繰り返していけば上手くいくと思うから頑張ってね、皆。


スープ味のプチウォーターを対象にプチウォーターを使ったら、コンソメもどきみたいなものができた。

乾燥野菜を粉々にして混ぜたらコンソメもどきみたいなものができるんじゃないかと今度試してみようと思った。


今すぐやりたかったけど皆の熟練度を上げる場だったから。



他にも森の奥にゴブリンの村を発見されて、殲滅し村を破壊し更地にしたりするのを手伝った。

不甲斐ない結果になったけど。


キングとクイーンはさすがにいなかったが、ジェネラルやハイメイジの上位種が数体、ゴブリンは多くいた。

しかも生まれたばかりの小さいゴブリンもいた。


先日のゴブリン戦の時は皆を守らなきゃ、殺さないと殺される、とか死にたくない生きたいと命を奪うということを無意識に奥底にしまい込んでいた。


だから人型の魔物の命を奪ってもなんともなかった。

その後も母さんやドライフルーツなどのことで忘れていた。


それが、今、生まれたばかりのゴブリンを見て躊躇してしまった。

待機状態だった魔法が霧散。


そんな俺を近くにいたゴブリンは待ってくれない。

ゴブリンがナイフを顔目掛けて振るってきた。


反射的に腕を上げて顔を隠す。

ナイフをそのまま振り抜かれ上げた腕を切られる。


腕を押さえ後退し距離を取ろうとするが足が縺れてしまい尻餅をつく。

ゴブリンが近付きてナイフを逆さに両手で持ち振り下ろしてくる。


死にたくない!と切られていない腕を前に出してプチライトの気○斬を放った。

ナイフを切り、さらにゴブリンの腕を切り、胸から上下に真っ二つになり血を吹き倒れる。


血を被り血の臭いとグロさに吐いてしまう。


胃の中のものを全て吐き涙目になりながら、隙を見せている俺を殺そうと近付いてくるゴブリンに光円斬を放つ。

吐き気を抑えながら次々と近付いてくるゴブリンに無我夢中で放つ。


近付いてくるゴブリンがいなくなった。

胃の中のものがないのにオエエエと吐いてしまう。

誰かが背中を擦ってくれて鼻が麻痺し吐き気が収まり、少し落ち着く。


顔を上げると冒険者のお姉さんが背中を擦ってくれてたみたいだ。


「大丈夫?」

「だいじょ」「切られているじゃない!『クリーン』『ヒール』他に怪我しているところはあるっ?」

「ないです。ありがとうございます。」

「すぐに駆けつけられなくてごめんね。」

「いえ、」

「君、本当に五歳なの?」

「は、はい!そうです!」


冒険者のお姉さんに耳を触られる。


「本当?ハーフエルフ、ではないね。耳が普通だ。ハーフドワーフ?」

「いえ、村生まれの五歳の普通の子供です!」

「……普通ねー?」

「五歳の普通の子供です!」


なんてやりとりがあったりした。

周りを見ると血の海にゴブリンのバラバラ死体が転がっている。


また吐き気が……

プチクリーンを使い、周りの血が消える。


なぜか驚いている冒険者のお姉さん。

我慢して他の人と同じく魔石と討伐証明部位を頑張って取る。

死体を集め燃やし、家?テント?を燃やし、更地にして村に戻った。


今回のことを猛省した。

帰りに冒険者のお姉さんに魔物について聞いた。


昔俺みたいに躊躇して襲わないことを約束して逃がした見習いの狩人がいたらしい。

約束といってもその男がそう思っただけだった。


そのゴブリンは力をつけてキングとなって大群を率いて戻ってきたそうだ。

なぜそのゴブリンかとわかったのは彼が傷付けて逃がしたゴブリンと同じところが傷付いていたからだ。


笑いながら妻と娘を犯され、息子を手足から食われたらしい。

彼は殺されず放置されて、あとに討伐隊に救助されて、「あの時、俺が、助けなければ、あの時、俺が、」と繰り返し続け、翌日自殺したそうだ。


ゴブリンだけじゃなく他の魔物も似たような話があるらしい。


だから魔物は人類の敵、分かり合えぬもの達、俺達を食べるもの達、繁殖のために犯すもの達と言われて、見つけ次第討伐、できないなら報告と言われている。


「躊躇しちゃ駄目。返って自分の周りを不幸にするよ。」と冒険者のお姉さんに教えられた。


攻撃だけではなく防御の魔法も試行したり回復魔法を教えてもらったり、腐葉土を回収し畑に撒き耕したりとあっという間に日々が過ぎ出発日になった。


ーーーーー

あとがき

個人的に気○斬って最強の技だと思っています。


面白いじゃん、続き早く上げろ。と思ったら☆☆☆、面白いなぁと思っても☆☆☆、少しでも気になるな。と思っても☆☆☆をつけていってくださいな!

冗談です。

前から☆☆☆、☆☆、☆をつけてください!

面白くなってきたら☆を足してくださいな!

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