第8話 守られた宝達

一部の領兵、多くの冒険者達は町に戻っていった。


オルヴェルド公爵様達半数の人は一週間村に滞在する予定。

残りの領兵は三ヶ月村が復興するまで交代で滞在、見回りなどしてくれるらしい。


森の調査の依頼を高ランクの冒険者に出したともオルヴェルド公爵様から聞いた。


宿舎から出て、近くにいた人に母さんがいるところを聞くと宿舎のある部屋にいると言われた。

宿舎に戻りその部屋に向かった。


コンコンコン


「どうぞー。入ってもいいですよー。」

「失礼します。僕の母さんがここにいると聞いたのですが。」


シスターさん達と妊婦さん達がいる。


「あ、ラハートフ君!もう大丈夫なの?!」

「まぁ!村の守護神で英雄様が来たわ!」

「ラハートフ君のおかげで私とお腹の中の子が生きているわ!ありがとう!」

「ありがとう。」「ありがとう!」


若いシスターさんにペタペタと身体を触られ、妊婦さん達に代わる代わる抱き締められお礼を言われる。


仕切りの先から母さんが出てくる。


続く抱き締めと感謝を見られて少し恥ずかしい。

皆が母さんに譲り俺を抱き締める。


「か、母さん、大丈夫?」


母さんは俺の手を掴み、自分のお腹へ誘導した。


「大丈夫よ。ラハートフ、あなたの弟か妹がお腹にいることがわかったの。あなたは私達の誇りよ。お父さん達とあなたのおかげで私とお父さんの子が生きているの。」

「え?弟か妹?赤ちゃんがいるってこと?」

「ええ、そうよ。あなたお兄ちゃんになるのよ。」

「本当?」

「本当よ。」

「お兄ちゃんになるのか……」


頑張らないとな……


「おめでとう。」


また抱き締められる。鼻を啜る音が聞こえる。


「お父さんとの子を守ってぐれでありがどう……ありがどう。わだじ、あなだど、ごのごのだめにがんばるわ。」

「……ぼぐも、どうざんのぶんまで、があさんど、おどうどだぢを、まもり、がんばるよ。」


感情が揺さぶられて、つられて泣き言った。


「わだじだぢもいるがらね。」

「いっじょにがんばるがらね。」

「らばーどぶぐんどげっごんじでざざえまず。」

「だずげあっでいぎまじょう。」

「いっじょにがんばりまじょうね。」


部屋にいた人達も泣く。

収拾がつかない、カオス。


なんか悪寒を感じた。


司祭様が来るまで続いた。

妊婦さん、老人を優先して宿舎を貸し出しているらしく、母さんが借りている部屋に一緒に入る。


「じゃあ一緒に行けるなら公爵様と一緒に町に行ってきたらいいわ。そうした方がラハートフは安心でしょ?」

「うん。早く選んで盟約を果たした方が安心する。母さんも一緒に行く?」

「公爵様と一緒なら無理じゃないかしら?」

「そこは命の恩人の親ってことでお願いしたらいけると思うよ。駄目なら別々に行けばいいし、町までの移動費も問題ないから。」

「そう。なら一緒に行こうかしら。皆にお土産なにがいいか聞いとかないとね。」

「そうだね。」


楽しそうな母さん。


無理している?

空元気?


わからない。

注意しておこう。


村を離れて暮らすかはまた今度聞こう。


「お菓子とか喜ぶかな?」

「甘いものは果実しか食べたことないから、とても喜ぶんじゃないかしら?日持ちするお菓子があるといいわね。」


日持ちするお菓子か……

ん?日待ちに、果実……


あ!


生水のプチウォーターを果実の水分を対象に使ったら、果実の水分が抜けてドライフルーツになったりしないかな?

それかプチファイアとプチウィンドで温風を流して乾燥させるとかでできないかな?


ドライフルーツって凝縮して甘くなるんだよな。

日持ちもする。


うん。

試してみよう。


「またなにか魔法を思い付いたの?」


あ、母さんがいたんだ。

今さっき注意しようと思ったのに……

魔法のことになると周りが見えなくなるのを治さないとな。


「ごめん。」

「別に謝らなくていいわよ。私達はラハートフが楽しそうにしているのを見るのが好きだからそのままでいいわよ。」

「楽しそう?」

「ええ、笑っているのよ。」

「そ、そうなんだ。」

気を付けよう……

「どんな魔法なの?」

「ちょっと魔法の使い方を思い付いただけだよ。」

「どんな風に使うの?」

「果実の水分を抜くためにプチウォーターとか試そうとしてる。」

「果実にプチウォーターを使ったら水っぽくなるじゃないかしら?」

「果実を対象にプチウォーターを使うから水分が抜けると思うんだ。」

「そうなの?水を抜いたらどうなるのかしら?」

「上手くいけば、ドライフルーツになるよ。」

「どらいふるーつ?」

「乾燥した果実のこと。甘くなるよ。あと日持ちするようになる。」

「まぁ!それは凄いじゃないの!」

「上手くいくかわからないけどね。」

「試してみましょう!ほら、果実を貰いに行くわよ!」

「あ、ちょ、待ってよ!」


母さんに手を引っ張られ、厨房に連れていかれる。


成功させないと怖いな……


ーーーーー

あとがき

面白いじゃん、続き早く上げろ。と思ったら☆☆☆、面白いなぁと思っても☆☆☆、少しでも気になるな。と思っても☆☆☆をつけていってくださいな!

冗談です。

前から☆☆☆、☆☆、☆をつけてください!

面白くなってきたら☆を足してくださいな!

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