第7話 褒美
「……普通ではないと思うぞ?まぁいい、次は褒美の話をしよう。何がよい?」
「ほ、褒美ですか?」
「当主を救ったのだぞ。褒美を与えられるであろう。」
「褒美と言われましても、普通はどんな褒美を頂けるのですか?」
「爵位、」
「しゃくい?」
「公爵当主を救ったからな、一気に伯爵までいけるか?いや五歳の子供では無理か?」
「い、いいいいえ。爵位はいりません!」
公爵侯爵どっちだ?
どっちにしても高位貴族じゃん!
こんな村人の子供と話していいもんなのか?
というか貴族なんて面倒臭い!
なりたくない!
「……そうか、残念だ。他には大金貨千枚、」
「だいきんかせんまい」
……銅貨と銀貨しか見たことないんだけど、触ったことあるのは銅貨だけ。
銅貨、何枚分でしょうか?
銀貨は銅貨十枚で一枚だから……
金貨も大金貨も同じように十枚で一枚なら、十、百、千。
千かけ千だから、えーっと万、十万、百万。
銅貨百万枚か!
すげー。
プラス金貨十枚に素材などの買い取り金か。
すっげーいっぱいだ!
大金に混乱、語彙力など知能の低下する俺。
「同じくらい価値あるもの、魔導書、魔法書、魔法武器、魔法防具、」
同じくらい価値があるものって、超高いもんなんだな魔導書とか……
魔導書一択、いや魔導書って魔法書より凄いもんだろ?
使えるのか?
使いきれなきゃ意味ないよな……
だったら魔法書か?
うーん。
こういう魔法があるんだって知識にはなるけど、迷うな……
「欲しいものがあったか?」
「魔導書と魔法書で迷っています。魔導書や魔法書は読んだら使えるようになるものですか?」
「そのようなものがあったらいいの。どちらも適正が必要だ。魔導書は更に多くの魔力と才能が必要だ。」
「多くの魔力と才能ですか。凡人の私には宝の持ち腐れになりそうですね。」
「……君が凡人?」
「はい。」
「うむ……。我が家にある魔導書を読んでみてから決めるのはどうだ?」
「え?それはとても有難いですが、いいのですか?」
「当主の私が提案しているのだ。いいに決まっている。」
「じゃあそれでお願い致します。」
「では盟約書を用意しよう。」
「盟約書?」
「そうだ。私が死んでもオルヴェルド公爵家が必ず用意するという盟約書だ。」
「当主様が死んでも?」
「ああ、ここにサインをしてくれ。」
紙を出し何かを書き書きする当主様。
紙を俺に向ける。
一番下には目の前の当主様と思われる名前が書いてある。
エヴィンカル・フィン・オルヴェルド、と。
オルヴェルド……
何処かで聞いたことがあるような……
ゴブリンエンペラーからオルヴェルド公爵家当主を救った褒美にオルヴェルド公爵家が大金貨千枚の価値あるものを俺に渡す。
俺にオルヴェルド公爵家の所蔵している魔導書の閲覧の許可を出した。
所望されたら合計大金貨千枚の価値を超えるまで譲渡する。と訳したらこんな感じの盟約書。
別に騙すようなことも書いていないシンプルな盟約書なのでサインをした。
ラハートフ、と。
盟約書が五つの光になって俺とオルヴェルド公爵様の中に入ってきた。
もう三つは外に飛んでいった。
「……ただの紙じゃなかったんですね。」
「うむ。驚いてくれたようだな。」
「……これ、守らなかったら、どうなるのですか?」
「大事なものを失う。」
「大事なもの、」
「私の場合は魔法と娘だな。」
「えっ?!それって、魔法は使えなくなって……娘さんは死ぬって、こと、ですか?」
「その通りだ。」
「駄目です!さっきの盟約書無効にしてください!人の命をかけてまで魔導書なんか欲しくも読みたくもありません!村人の俺にとって読めるなんてラッキーだなくらいにしか思っていたかったのに、娘さんの命をかけるだなんて……無効にしてください!お願い致します!」
「無効、破棄はできん。成立されたものは記載されたことを達成されるまで盟約が続くのだ。」
「そ、そんなぁ……」
「違えなければいいだけのことだ。」
「そ、そうですが……あ!ぱっぱと行ってぱっぱと選んでしまえばいいんだ!今すぐ行きましょう!」
「復興やらお母さんのこともあるだろう?今すぐには行けぬ。」
「あ、そうでした……でも早めに行きたいです。」
「わかった。」
母さんを一人にできないよな……
父さんとの思い出がある村から出ていった方がいいのかな?
町で暮らすお金は今回の事でいっぱい貰えるから大丈夫、一緒に町に行くだけでも気が紛れるかもしれないし、話し合いをしないとな……
ーーーーー
あとがき
面白いじゃん、続き早く上げろ。と思ったら☆☆☆、面白いなぁと思っても☆☆☆、少しでも気になるな。と思っても☆☆☆をつけていってくださいな!
冗談です。
前から☆☆☆、☆☆、☆をつけてください!
面白くなってきたら☆を足してくださいな!
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