第5話 ゾーン
指揮官様が「キングは領兵、クイーンは冒険者。」と指示を出した。
俺には「教会に戻りなさい。」と言う。
俺は迷った。
魔法使いのように攻撃できるんじゃないか、攻撃に参加できるんじゃないか、連絡係でもできるんじゃないかと。
「大丈夫だ、私達に任せなさい。」と強く言われ、教会に戻ってきた。
結界を囲んでいた魔物はキングとクイーンの指揮下に入ったのかいなくなっていた。
グリフォンプチウィンドに乗り結界ぎりぎりの上空から戦場を見る。
救援隊の魔法で開幕と同じようになるかと思いきや、指揮されたハイメイジとメイジの魔法で防がれてあまり斃せなかった。
それでも冒険者達の方は魔物との戦いに慣れているのか優勢だ。
領兵の方は均衡している。
背後から攻撃するべきか迷う。
領兵さんが一人倒れるのを見て身体が動いた。
急ぎ飛んでいつもより魔力を込めた大きいドラゴンプチファイアをキング達の後方上空から上位種の数だけ上位種に放つ。
キングとハイメイジがドラゴンプチファイアに気づいた。
キングは避けすれ違いざまに剣で斬りプチファイアを消し去り、ハイメイジには水の壁を張られたことでダメージを軽減された。
他の上位種はのみ込まれ炎上し倒れる。
瀕死。
ゴブリン達は混乱、領兵達が一瞬動きが止まるが指揮官様の声ですぐに動き隙のできたゴブリン達を斃していく。
キングが怒りの咆哮。
身体が膠着してしまい魔法の制御を失い落下する。
数秒後膠着が解けなんとかグリフォンプチウィンドを制御し上空に留まる。
ビュンと何かが顔横を通り過ぎる。
また通り過ぎた。
遅れて耳に激しい痛みが生じる。
絶叫した。
耳を押さえた手が濡れる。
完全に制御を失いグリフォンが消え落下する。
激しい痛みに正常な判断ができない。
何が起こったのかわからないが落下していることだけはわかる。
どうにかグリフォンプチウィンドを使おうとするが激しい痛みに魔力制御が上手くできなくて発動できない。
あぁ、ごめん母さん。とか落下死か。
即死だといいなとか諦めてしまった。
ふわっと何かに包まれた。
衝撃が来ない。
恐る恐る目を開けると抱っこされたくらいの高さで浮いていた。
次に耳の痛みがなくなった。
なんだ?何が起こっているんだ?と混乱する。
地面に下ろされる。
ガキンと硬い物同士が当たる音が聞こえて、バっとそっちの方を見ると指揮官様とキングが戦っている。
鍔迫り合いからキングが蹴りをして、指揮官様が後方に避け距離をできる。
キングが足元の瀕死状態のジェネラルの首を切った。
意味のわからない行動に指揮官様は固まる。
その一瞬にキングは残りのジェネラルの首も切った。
キングが叫ぶとハイメイジ達がキングの側に集まる。
指揮官様が身構えるがキングはハイメイジ達の首を切った。
キングが光に包まれる。
光が収まるとキングの身体が少し縮み、豪華な王冠をつけていた。
互角だった戦いが指揮官様が防戦一方になる。
このままだと負ける。
指揮官様が負けたら誰もあのゴブリンには勝てない。
俺も母さん達も殺されるっ!とそう思った。
なんとかしなきゃと思ったら、いつもより魔力を感じ、いつもより上手く魔力制御ができることに気がつく。
圧縮圧縮圧縮したライフル弾プチアースを数十発と同じく圧縮したライフリングした筒を複数作れた。
プチウィンドで浮かべ、再び上空にグリフォンプチウィンドで飛ぶ。
さらに筒の中に圧縮したプチファイアとプチウィンドを準備しライフル弾をセットし隙を窺う。
ゾーンとか超集中とか言われるやつになっていたんだと思う。
致命傷を避けながらもキングの激しい攻撃に傷が増えていく指揮官様。
遂に膝をついてしまう。
キングが止めとばかりに剣を大きく振りかぶる。
ここだっ!とキングの頭と胸、手足を狙い圧縮したプチファイアとプチウィンドを解放。
バンっと大きな音が鳴り、キングがこっちを見て顔を防御するよう両手剣を真横に構えた。
両手剣に当たり破壊したが狙いが悪く顔の横を通り過ぎる。
胸に向かった弾は防御で構えた右腕に当たり貫通し、腕に撃った弾は当たらず地面にめり込み、足に撃った弾は右太ももと左膝を撃ち抜いた。
体勢を崩したキングに指揮官様が叫びながら両手剣を下から掬い上げるように振り左腕を切断、勢いのまま立ち上がり回転、遠心力をのせた両手剣がキングの首を切った。
ゴブリンキングの胴体が倒れ、領兵達が雄叫びをあげる。
指揮官様が「クイーンが残っている!」と残りのゴブリンの追撃と冒険者達へ援軍に向かった。
優勢のところに援軍が来てあっという間にクイーン達が討伐された。
教会の周囲には生きたゴブリンはいない。
地面に着いて安堵として気を抜いたら、その場で倒れて気を失った。
ーーーーー
あとがき
面白いじゃん、続き早く上げろ。と思ったら☆☆☆、面白いなぁと思っても☆☆☆、少しでも気になるな。と思っても☆☆☆をつけていってくださいな!
冗談です。
前から☆☆☆、☆☆、☆をつけてください!
面白くなってきたら☆を足してくださいな!
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