第31話 ドラゴンは火を吹くものですか?

 

青空に現れたのは大きな水色のドラゴンであった。


【ウォータードラゴン】



 いきなりドラゴンか…。しかも水か…。

 次の瞬間ドラゴンは大きく口を開けた。



【咆哮】

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3秒間移動できません

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 耳を貫くような咆哮をあげる。木々が大きく揺めき、大気が震える。行動制限の状態異常。動けないとは、次の技は受け止めないと…。


【ウォーターフォール】


大きく振りかぶるとドラゴンの口から滝のような水が地上に降ってきた。強大な水圧によって地面が大きく揺れ、大地は隕石が落ちたように抉られている。




 ちょっと待ってね…。もはや某おじいちゃんゴーレムや金剛ゴーレムさん並みに規格外だよ?やっぱり火じゃないのね?火よりたち悪くないかな?最近の水圧洗浄機とかほんとすごいから逆に危ない気がするよ…?


 


ドラゴンが狙いを定めて攻撃を開始した。


【巨水球】


複数の巨大な水球が迫ってくる。


「スチュアートさん、リーナ。少し自分の力で戦わせて」


「わかったー!」


「無理は禁物ですよ」



 2人の声を耳にしながら、木の棒に魔力を込めて、木を切るように振り抜いた。水球が二つに割れて地面に着弾し、辺りは激流が流れたように水が流れていく。残りも棒を振り抜いて二つに切っていく。



 地上にドラゴンは降り立った。正面に立ちはだかる。ドラゴンは息を吸い込み、また攻撃を繰り出す。


【ウォーターフォール】



 すでに倒れた木々が、まだ健在の木々が、吹き飛ばされ、水が一直線に向かってくる。横に飛び避け、ドラゴン目掛けて走る。魔法の攻撃後、消し飛んだと思ったのか、油断して行動がゆったりとしている。


 【パントマイム 金剛ゴーレム】



スチュアートは遠くからソラの様子を見てつぶやいた。


「なるほど、考えましたね」




 その直後、ソラはドラゴンの腹に攻撃を加える。スチュアートの得意とする三連攻撃の打撃技だ。パントマイムをすることで、スムーズに技が出てくる。



【−500】

【−500】

【−500】



 ドラゴンの防御力もあり、ダメージがあまり加算されない…。それでも、積み重ねるしかないか。



【巨水球】



 ふたたびドラゴンの攻撃。大きな水球が襲いかかる。しかし、今度は最短距離で避けながら、ふたたびソラは連続攻撃をする。


【−500】

【−500】



 近づいては離れて、攻撃をして離れてを繰り返していた。次第に自分も焦っていたのか近距離戦が増えてきた。


 ドラゴンは、近距離になると尻尾や首を大きく振り下ろし攻撃を繰り出す。腕を振り下ろしたと思ったら、尻尾というように手数が増えてきた。


 腕の攻撃を避けた瞬間、大きく振り抜いた尻尾がソラに直撃した。ソラは遠くまで吹き飛ばされた。地面にバウンドして、やっと止まった。



【−800】



 ソラは心の中で、基本的な攻撃は避けないと一瞬でやられると思った。戦略を逃げながら攻撃を繰り返そうと切り替えた矢先。

 

 大きなドラゴンは口から吐き出す水を体にまとい始める。体が大きな水に包まれ、大きな水の塊が宙に浮いていた。


 


 また、次の大技でも出すのか…。ソラが考えている間に、水は弾けるのであった。







  




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