第30話 手で木を切りますか?
➖東ピタセム森林
ピタセムの森林までは半日ほどでついた。
「それでは、今日はクエストと訓練の同時進行でいきます。」
「…はい」
「はーい!」
「まずこのように、手に魔力を込めます」
そういうと、スチュアートの手に魔力が集まり始めた…。そして腕を真っ直ぐにしたまま振り抜いた。あたりの木々が一気に倒れていく…。たった一撃で30本倒した。
「このように、力の加減も調整することで必要な分を集めることができます」
そう言いながら、枝葉を綺麗に手刀で除去していく。丸太があっという間に30本完成した。
何という手際の良さ…。
「リーナさんは、ウインドで、ソラさんは手刀でやってみましょう」
実際に、手に魔力を込めてみる。が、かなり魔力が不安定になってしまう。
「うらぁ!」
大きな爆音とともに辺りの木々がばらばらと砕け散ってしまった。
「ソラさん。自然破壊です。もう少し弱めてから行ってください。」
「…はい」
「リーナも弱めでやる!」
【ウインド】
辺りが心地よいそよ風に包まれていく。あぁ、なんか涼しくて気持ちいい。
「リーナさん、春の季節みたいですね。もう少し鋭く魔力を使ってください」
「はーい!」
木を切っているうちに、魔力が発生して木がすぐ生えてくる。不思議な森である。しばらくすると、自分は10本をまとめて切れるようになり、リーナは5本をまとめて切れるようになった。少し上達してきたタイミングで休憩をしていると、手の大きさ程度の精霊が現れた。【森の大精霊 ティカ】と表示されている。
「皆さんとても強そうなので、皆さんの力を見込んでお願いがあります」
「…お願いというのは…」
「実は森に迷い込んだドラゴンが急に暴れ始めたのです。ドラゴンは本来知性のある強力な魔物です。しかし、誰から構わず攻撃する事態が発生しています。そして、その魔力を吸収して、木々が大規模な成長を行っているのです。どうかドラゴンが暴走しているのです。なんとか止めてもらえないでしょうか…」
あぁ、だから切っても切っても生えてるのか…。でも、ドラゴンって、めちゃくちゃ強いやつだよね?戦うのやばいんじゃないかな?
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Sランククエスト
ドラゴンの暴走を止めよ
報酬 スキル獲得
精霊との親密度上昇
失敗 レベル10ダウン
精霊との親密度低下
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これは…!失敗したときの代償がでかいということはもらえる報酬もかなり高いのでは!?
「わかりました!やりま…」
大きな爆発音が遠くで聞こえた。大きな木々が宙を巻い、近くのハウンドやエイプといった魔物が吹き飛んでいるのも見える。
「…す。」
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クエストを受諾しました。
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しまった…。やはり、超強敵らしい…。
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