第29話 私は悪いことしてませんよ?
受付の奥には応接室がいくつかあり、その一つなら案内された。大きなソファーが並んでいる。触り心地はなかなかよいものである。
しかし、お店の裏みたいな場所に呼ばれるのは万引きした時とか悪いことした場合ならイメージが強くてソワソワしてしまう…。
黒髭の大柄な男がソファーに座った。大きく足を広げて片方の手を膝につき前屈みになって話しはじめた。
「私はこの街のギルド長のエドガーだ。君たちのランク設定について相談があってきてもらった。通常であればどんなにレベルが高くてもEランクから始まる…」
なるほど、ならEランクからでもいいの…。
「しかし、レベル90の人間などなかなかいないものでな…。特別扱いしてもいいとも思う…。高ランクであればあるほど、受けれる任務も増える。一方でギルドのやつらは噂好きで粗暴なのも多い。つか狙われる可能性もないともいえん。ソラさんはどうしたい?」
高ランク報酬もいいけど、ここは目立たず過ごしたいな…。
「Eランクから始めさせてもらってもいいですか?」
「うむ。少し残念でもあるが、わかったそのように手続きしよう」
そういうと、エドガーは受付の女性に指示を出した。女性は受付の方へ手続きに行った。
「もし、さらに受けたいクエストがあったら受付か直接私にそうだんしてもらってもいい。ランクアップしたいなら、クエストの達成度合いと試験で判断する。ちなみに、クエストはこの大陸の北側にある森、湖や洞窟のダンジョンでの仕事が多い。街にすむ人々のためにもよろしく頼む」
「わかりました」
受付の女性がEランクの証明書を発行してくれた。
「こちらをどうぞ」
「ありがとうございます」
そして受付の部屋から出て掲示板を見に行く。
「リーナは受けたいクエストある?」
「んー、わかんない!」
「そっか…。スチュアートさんは?」
「そうですね…。これはいかがでしょう?」
スチュアートはそういうと一つのクエストを提示してくれた。
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ギルドクエストE
東ピタセム森林にて木材の調達
0/30
成功報酬
1000G
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まー、こういうクエストをこなしていくのも大切だよな…。これにしよう。クエストの用紙をもって受付に行き、クエストを受諾した。森林を目指すべく、ピタセムの街を出発した。
「スチュアートさん、そういえばなんでこのクエストにしたんですか?」
「手刀で伐採するとよい訓練になるかと思いまして…」
「…な、なるほどさすがスチュアートさん…」
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