第9話 レベリングしすぎた後のボス戦ってあれですよね?
ハウンドは攻撃体制に入った。左の頭は炎、右の頭は雷の魔法を口を大きく開き溜めている。今回は、リーナがあるから、攻撃はあまり避けられない。とりあえず、ガードしてしのぐしかないか。
【 フレア −1】
【 サンダー −1】
派手な爆発音の割に、ダメージはやはり1。困った。レベリングしすぎた。序盤でレベルを上げてそのあと楽に進める。そういうプレイスタイルということで行こう。
しかも、リーナがいることだし。獅子搏兎[ししはくと]。獅子のごとく、全力で兎を狩ってやる!
ハウンドは続けて走って襲いかかってきた。思いっきり振る。渾身の力を込めて。木の棒がハウンドの片方の頭を直撃し、体は大きく吹き飛んだ。木々が薙ぎ倒される。木が10本ほどかきわけられた先に、ハウンドがひっくり返っている。これは戦闘不能だろう。
リーナは満面の笑みで
「すごい!ソラ強い!!」
興奮していた。そこらへんに落ちている木の枝を持ってぶんぶん振り回している。
エルフも人間の子どもみたいだなー。ほっこりする。
そうこうしているうちに、しばらく進むとエルフの村らしきところにきた。木の城壁で囲まれた。村だ。木々は気がつけばさらに大きくなり、10メートルは超えようかという気ばかりだ。太さもかなり大きい。自分が手を大きく広げても根に巻きつける程度の大きさだ。
エルフの門番だろうか。
「リーナ様。どちらにいかれていたのでしょうか!ご無事ですか?」
「うん!ありがとう!大丈夫!」
「そちらのものは?」
「ソラという人間!道中、助けられたの!一緒に入ってお母さんにお話しするね!」
「はっ!」
そういうと門番の横を通過して、中に入ることができた。リーナっていいとこのお嬢様なのか。
➖エルフの村➖
中に入ると大きな木の枝や横、木の上に家が着いている。村というか、街のような大きさである。買い物をしたり、植物を育てたりしている全てがエルフだ。顔立ちは中性的で綺麗な顔立ち。年配のエルフもどこか品がある。
「リーナ様!」「リーナ様!!」
村のエルフが声をかけている。
リーナは、一際大きな木を指差して、
「あそこが、私の家!」
そういうと私の手を引いて走り出した。階段を少し登るととても太い枝の間に、大きな家とそこに扉があった。
大きな扉を開けて、家の奥に進むなり、
「ただいまー!お母さんにお薬とってきたの!!」
リーナの母は
「ありがとう。心配したわよ。」
「ごめんなさい。でも、お薬でなんとかしたくて。でも、ソラが手伝ってくれたの。」
「ソラさん、ありがとう。」
そういうと、リーナの渡した薬草を近くの給仕が受け取りすり鉢で他の香草を合わせて、小さな粒にしていた。水と合わせて服用すると、顔色が良くなった。
「わざわざ、ありがとうございます。おかげでよくなりました。お礼にこちらを受け取ってくださると幸いです。」
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Bランククエストクリア
子どもエルフの護衛
報酬
成功 エルフとの親密度上昇
星の腕輪
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給仕が箱でアイテムを持ってきた。
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星の腕輪
MPが1分おきに5回復する。
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MPが自動で回復するアイテム!これはかなりいいアイテムじゃないか?そこまで大変な思いをしていないのに、いいのかこんなことで…。
リーナの母は続けて話を切り出した。
「ソラさん、実はお願いがありまして…」
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