第3話 状況確認
「で?水泳の授業の時、女子はどうやって着替えるの?」
『どうやってって…基本男子と同じよ。男子と別々の教室に分かれて着替えをしたら、最後はそれぞれの体育の先生が施錠をして、そのまま鍵をプールまで持って行くわ。』
「ふーん、じゃあ男子と一緒でプールにある更衣室はタオルと上履きを置くくらいしか使ってないんだね。」
そう、タオルやゴーグルを入れるスイミングバッグくらいはプールまで持っていくのだが、それ以外は全て盗難防止のため教室に置いていく。
横倉さんの下着は教室から消えてしまったのだけれど、そもそも犯人はどうやって密室の教室に侵入したのだろう?
「鍵って…まさか犯人は先生方って事はないよね…?」
紗英が不安そうにつぶやく。
犯人が同じ中学生ならまだしも、先生の誰かであったなら余計に気味が悪い。
「奥間さん、教室の鍵っていくつもあるのかな?」
「たぶんスペアくらいはあると思うけど…」
「それは確認しなきゃだね。」
更衣室として使った教室は、いづれも2階であって、中に入るには廊下から扉を開けるしかない。強引にガラスを割ったり、それこそ壁をぶち破ったり天井を破壊すれば物理的に侵入する事は出来るが、もちろんそんな形跡はない。
教室に入るには、鍵がなければ入れないのだ。
『わかったわ!とりあえず鍵について先生に聞きに行こう!』
「ちょっと美咲…って、行っちゃった。仕方ないけど、板垣くんもついて来てくれる?」
「奥間さんも、大変だね。」
そんな経緯で、私たちは女子の体育の先生である前田先生のところへ向かった。
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