第17話 第二章

 お久しぶりです。こなたです。


 私、中学生になりました。


 え?


 小学1年から、いきなり中学生は時間を飛ばしすぎですって?


 う〜ん。私もそう思うけど、何か小学生だとラブコメリベンジ出来る気配が無いって上の人が…。


 ……誰だよ、上の人って…。


 という訳で少し大きくなった私達のお話、始まり始まりだよ!



 ◇



「こなちゃん!こなちゃん!」


「ん?何?優ちゃん」



「なんか外部から転校生が来るらしいって噂、聞いたんだけど、こなちゃん知ってる?」


「転校生?」



 それは初耳だねぇ。



「そう!しかも結構イケメンの男子だって!」


「優ちゃんは本当にそう言うの好きだねぇ〜」



 そう言って話に加わってきたのはミヤちゃんことみやびちゃん。


 優希ゆうきちゃんとみやびちゃん、そして私の3人は相変わらず小学時代からの仲良し3人組だ。



「まあ、そうは言っても、こなちゃん程のイケメンは居ないけどねぇ〜」


「確かに」



「あの?毎回言ってますけど、イケメンの定義に女性の私は含まれるのでしょうか?私、メンズでは無いですよ?」


「何言ってるの?こなちゃんは可愛いだけじゃないこなちゃんなの!」



「ええと、それ?大丈夫ですか?ギリギリアウトでは?」


「こなたちゃん、何言ってるの?」



「いえ、別に…」


「ふ〜ん。でもちょっと気になるよね、転校生」



「ねぇ、そうでしょ!しかもイケメンって噂!」


「はあ、まあ私は特には…」



「何言ってるの!ここはその転校生に、きっちりと誰がこのクラスのトップカーストなのかをハッキリと教えこまないと!」


「ああ、そうだね。でないとまた、こなたちゃんに纏わりつかれでもしたら、だいぶウザイし!」



「え?そう言う興味なの?」


「それ以外に何があるって言うの?」


「正にその通り!」



 そう言って両サイドから腕を取って抱きついて頬をスリスリしてくる我が親友達。



 本当、近いよ?君ら…。


 もう少しパーソナルスペースと言うものを意識して頂きたい。



 小学時代に3人でお泊まりする事も多かったのだけど、よく2人には私の唇を奪われたものだ。


 まあ、子供のスキンシップの一種だと思い、あまり気にしていなかったのだけど、中学生になっても、どうやら止める気は無いらしい。



 どうしたものか…。



 流石に第2成長期を過ぎれば落ち着くと思っていたんだけどなぁ〜。



 ガラガラ



「皆、席につけ〜」


「あ、先生来ちゃった」


「もう少し、こなたちゃんのモチモチほっぺを堪能したかったかも…」



「はいはい。また後でね…」


「むぅ〜名残り惜しいです」



 そう言って2人は自分の席に戻っていった。


 ちなみに2人は同じ教室だ。



 何気にクラスが別れた事はないという奇跡にも似た現象が小学時代から起きている。


 この学校は何気に一学年ひとがくねん8クラスもあるのにエスカレーター式とはいえ8年間もの間、同じクラスとは珍しい事もあるものだ。



 もしかして、高校卒業までクラス替え的なのは無いのだろうか?


 帰ったらママ…ごほん!お母様に後で聞いてみよう。



「えー、ヒソヒソ話してたから知ってる者も居るみたいだが、外部より転校生が来た。入りたまえ」



 ザワザワ

 ザワザワ



 ガラガラ



 入って来たのはイケメン男子…イケメン男子?


 イケメンかな?


 どちらかと言えば童顔な可愛い系の男子だった。



「自己紹介を」


「はい!相楽さがら直哉なおやです。福島から来ました。よろしくお願いします」



 パチ…パチ…パチ…



 疎らな拍手がなされる。



 そんな中、転校生と目が合う。



「うわ!綺麗な外国人がいる…あっ!」



 慌てて口を押さえたものの、思わず口から漏れたのであろう言葉はクラス中に響きわたり、そして若干の気まずい雰囲気がクラス中に流れる。



 そして、優ちゃんとミヤちゃんからは、殺気がダダ漏れていた。



 ええぇぇぇぇ……。



 ちょっと!2人とも怖いよ!?








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