第4話 英雄か自由か

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 扉を開けた先には赤を基調として、金の装飾が施されている横幅の広い絨毯じゅうたんが、奥に向けて延々と伸びていた。


 絨毯へ乗らないように、両端でグラつく事もなく、真っ直ぐ立っている兵士が四人ずつ。帯剣し、指示を受ければいつでも遂行できると言った余裕を持っている様子であった。


(うわ……凄い。本当にお城なんだ……。)


 ミコが入室するは玉座の間。グランツ王国国王と謁見できる間である。


(っっ!!)


 目だけでチロチロと周囲を見るミコは、絨毯の先に居る者を見て瞬時に理解した。


(王様だ……!)


 ミコが抱くは畏怖。

 一目で王様と分かるほど威厳と気品にあふれる、玉座に座る老人の雰囲気に当てられ、自然と体は震えてしまう。


 白髪はむしろ威厳や気品をより強調しており、鋭い目はまるで、値踏みをするようであった。


 黄金の冠を被るその者こそが、グランツ王国国王……'モーゼル・グランツ'その人であった。

 グランツ王は入室して来たコルトとミコを見ては、ぼーっとしていた。


(腹が減ったの……。今日の昼飯はなんじゃろう……?)


 そんなことを考えてしまえる程に、グランツ王はミコのことなど眼中になかった。対するミコは、カタカタと震える手を必死になって抑え込んでいた。


(まずい!まずいまずい!!コルトとは比べものにならない!これが'王'と言う国の頂点に座する者……!?)


 ゾワゾワと、恐怖故に全身に立った鳥肌がミコに伝える。


 '下手な事を告げるな'……と。


 ミコがゴクリと固唾を飲み込めば、兵士の目が更に鋭くなった。


(ひっ!?)


 兵士らは理解している。

 '英雄'という存在が、称えられる存在であると同時に、危険な存在であるという事を。故に兵士らはミコの一挙手一投足、呼吸のタイミングすらも見逃すつもりはなかった。


 僅かに引きつるミコの微笑み。それは、如何にミコが緊張しているのかを表していた。


(まずい……胃に穴が空く。……これは空く。絶対に空く。)


 経験済みのミコは、胃に穴が空く雰囲気を理解していた。今、玉座の間を満たす空気は完全にそれであった。常に心配するは両端の兵士。斬り掛かれないかが不安であった。


「我が君。転移者を連れて参りました。」


 コルトが一礼する。それを見てくぁっと欠伸をしたグランツ王は、口を閉じた直後ミコを見る。


「コルト。その後ろのちみっこいのが英雄か?それにしては少し頼りないな。それに……英雄は'二人'呼ばれたのではなかったか?」


(なっ!?いきなりちみっこいとは失礼な!?)


 自らのコンプレックスを突かれたミコは、当然心の内で反抗するも、その様な思いを面へと出す事はなく。ミコは憤慨する思いを落ち着かせれば、グランツ王の言った最後の言葉が気になった。


(それに'二人'だって……?私以外にもこちら側に呼ばれた人がいるのだろうか?同じ世界出身なのだろうか?一体……どのような人物だろうか?)


 ミコがその様に疑問を抱き、考えているとコルトが報告する。


「何かの手違いが生じた模様です。転移場所に影響有りと見なし、只今捜索中ざいます。進展が見受け次第報告致します。」


 コルトの発言にグランツ王は難しい顔をする。


(英雄が二人。それ即ち、片方でも帝国に行ってしまえば……。いや、そうならない事を祈ろう。)


 グランツ王はコルトへ軽く手を振るい、承知の意を示した後にミコへとその鋭い目を向けた。


「主。名をなんと申す。」


(っっ!!)


 グランツ王の鋭い目が向けられると、ミコはゾクッ!と全身が震え、心臓が縮む思いをした。ゾワゾワと鳥肌が立っては脳内でガンガンと警鐘が鳴り響く。


(ダメだ……!ダメだダメだ!手が嫌でも震える!落ち着け!名を聞かれただけ!死にたくない!無難に……無礼のない様に……丁寧に冷静に……。)


 ゴクリと固唾を飲み覚悟を決めたミコは、一拍開けた後に、ゆっくりと……グランツ王に聞こえやすい声量を考えてハッキリと名乗る。


「山寺ミコと申します。」


 カタカタと震える手を握り締めて、ミコは震えていることを隠し、優しく柔らかな口調で名乗る。失敗なく出来た事に心の底から安堵したミコ。その心臓の鼓動は異常に早かった。


 微笑みの仮面を被るミコを、グランツ王は目を細めて見る。ミコの瞳の奥の奥にある何かを見ようと。


「我が君。如何なさいました?」


 コルトはミコを睨み付けているグランツ王を怪訝に思い、首を傾げていた。


(ふむ……。)


 コルトにたずねられたグランツ王は一度目を瞑り、自らを落ち着かせた。


「……。……そうか、歓迎する。ワシはグランツ王国国王'モーゼル・グランツ'と申す。さて英雄の卵。なぜ呼ばれたかはコルトから聞いておるじゃろう……。」


「はい」と答えかけたミコは口を閉ざしては、冷静になってコルトとの会話を思い出した。


(……。……聞いてないな。)


 静寂が訪れた玉座の間。ミコとグランツ王の顔には「?」が浮かんでおり、コルトの額からは汗がにじみ出て、冷や汗が頬を伝っていた。


「わ、我が君。恐れながら申し上げますと……忘れました。」


「じゃろうな。」


 静寂に耐え切れなくなったコルトが白状すると、グランツ王はクックッと笑いながらミコを見る。


「ひよっこ。この世界が主を呼んだのじゃが、主はあまりに幼過ぎる。故に、ワシは選択肢を与えたい。」


 ミコの脳内に浮かぶは生か死か。震える手が更にガタガタと震え出す。


「'五代目'となり魔を祓うか。この世界の住人となり、'不自由なく'暮らして行くか……。選ぶといい。」


 選択肢を提示されたミコは放心していた。


(自由……?)


 見開いた瞳に映るは真っ赤な絨毯。しかし、脳内には公園で遊んでいる子供達や、部活で楽しそうに汗を流している少年達の姿が映っていた。


(自分で選択する事が……できるのか……?)


 たったそれだけ。当然の権利を与えられただけであるにも関わらず、ミコは目に涙を浮かべてしまう。


 そして、頭を過ぎるは母の姿。

 途端に、公園で遊んでいる子供達も、部活動に励む少年達も。固まり空間にヒビが入っては、鎖となりて一人の少女をがんじがらめにする。


(……私は……。)


 一瞬だけ暗くなってしまうミコ。そして、前を向いた。


「私は……。」


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「……。ふむ。山寺ミコ……のぉ。」


 ミコとコルトが退出した玉座の間。グランツ王は玉座に背を預けながらも、難しい顔をしていた。


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「私は……。……'五代目'となり、魔を祓う英雄となります。」


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 思い出されるミコの決断。

 ミコは自由を選ぶとばっかり思っていたグランツ王は、その決断に虚をつかれた気分であった。


(あの底が暗い目……。'自由'を恐れている目……。危ういのぉ。)


 数えきれない程人と対面してきたグランツ王は、ミコの瞳の奥に潜む'何か'を捉えていた。それは、子供特有のいつでも爆発してしまいそうな感情とは、少しだけズレたまた別の危険な感情……。


「お待たせ致しました。我が君……御用命を。」


 ガチャッと玉座の間に入室し、発言しながら白手袋の着けられた右手を左胸へかざして、頭を垂れるその者。


 肩まで届く黒髪に、前髪から覗く感情の起伏を微塵も感じさせない静かな赤眼。青白い肌はどこか上品さを感じさせ、執事のような黒服を着る者。


 グランツ王の右腕……'リン・グレラット'である。


 周囲の兵士は背筋を正した。

 それは、リンのまとう雰囲気が静かすぎる故に、自然と彼らにそうさせてしまうのだ。


(あの少女の瞳はリンの瞳に近い。しかし、どこか違う。まるで……)


 そこまで考えたグランツ王は首を振るう。


(いや。どちらにせよ。)


「リンよ。時代が変わるぞ。常に周辺の出来事を把握しておれ。」


「承知致しました。」


 命令を受け入れたリンは、一礼し、玉座の間を去って行く。


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「何故……自由を選ばなかったのです?」


 コルトは素直な疑問をミコへと聞いた。

 コルトは、自由を選ばなかったミコに驚き、グランツ王の手前であるにも関わらず、'幻想ファントム'を使用し、ミコがこれから戦う相手を見せたのだ。


 '下位'も'中位'も'上位'も'魔族'も。


 しかし、ミコは顔をしかめただけで、決断を変えることはなかった。'英雄'の道を選んだのだ。


 それが何故か。コルトは理解できなかった。

 なぜ齢十二の少女が、理不尽に異世界へ呼ばれ、魔を祓う英雄にならねばならないのか。そこには僅かな憤りがあった。


「私は……自由が怖いです。」


 たった一言。ミコはその様に告げた。

 コルトは後目でミコを見て口を開く事が出来なかった。その無表情で歩く姿は、とても自らの意思で進んだとは思えなかったからだ。


 カツカツと足音が無駄に反響する静かで長い廊下。それを破るのはコルトであった。


「それは……本当にヤマデラ様の意思ですか?」


「……はい?」


 ミコはコルトを見た。

 前に向けて真っ直ぐ歩くコルトの姿には、気の迷いが見えており、言うか言わまいかで葛藤した後のような様子であった。


「私はよく葛藤します。すべきか否か。その判断が苦手なのです。ですから、ヤマデラ様のその決断が理解出来ません。貴方の判断基準は一体……なんですか?」


「それは……。」


 ミコは開いた口を閉ざした。頭を過ぎるは影がかって顔の見えない母の姿。そして、それをコルトに話すほど、ミコは心を開いていなかった。


「申し訳ありません。それは少し……お答えしかねます。」


(……深入りし過ぎたか。)


 コルトは自らの選択を後悔するも、ダメ押しと言わんばかりに発言する。


「この後。ヤマデラ様は'付与の儀式'を受ける事となります。想像を絶する苦痛が伴います。最悪死んでしまうかもしれません。それでも……'英雄'になりますか?」


「……はい。」


「……。……承知致しました。」


 ピタリと止まったコルトは振り返り、怪訝そうにしているミコを見据えた。


「これは余計なお世話かもしれませんが、ヤマデラ様。少しだけ……試させてください。」


「……?」


「……'幻想ファントム'」


 コルトが唱えるは'幻想ファントム'。廊下が瞬く間に闇に飲み込まれ、ミコとコルトの間に一筋の線が引かれる。


「コルトさん……これは一体……。」


「ヤマデラ様。貴方はこの世界の事をよく理解していない。'英雄'を選ぶとしても、'自由'を選ぶとしても。理不尽は必ず貴方の身に降りかかります。」


 ミコは気持ちを沈めた。


「理不尽には……慣れています。」


 コルトは下唇を噛み締める。


(子供が何を言う……。それは慣れている訳では無い!!)


 しかし、そのような事を声を荒らげて言えるはずもなく。コルトは静かに言う。


「見せてあげましょう。'英雄'の道を行く貴方が、これから嫌という程見る'魔入る'と言う事を。」


 引かれた一筋の線が眩い光を発しては、ミコの脳内に他人の記憶がなだれ込んでくる。


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 それは、カーテンの隙間から入る、僅かな光だけが照らす、薄暗い部屋の中であった。


 床から天井まで届く本棚には無数の本が収められており、床に積み上げられた本に囲まれている者が一人だけいた。


 それは五百年ほど前。コルトが十五の頃であった。


(この本も……つまらないな。)


 半ばまで読んでいた本を閉じたコルトは、ゴロンとその場に寝転んだ。


(私は一体……何を求めているのだろう。)


 コルトが本を読む理由はそれを知る為であった。しかし、読めば読むほど分からなくなっていくのだ。その事実に頭を悩ませているコルトは起き上がり、別の本を手に取り、再び読書に入る。


 --エルト様!困ります!


 そんな時であった。扉の奥から声が聞こえたのは。


(またか……。何故彼は私に構うのだろうか……?)


 コルトはうんざりするが、本を閉じ、立ち上がっては机に体を預け、扉に向いたと同時の事であった。薄暗い部屋に、カーテンの隙間から差し込む光以外の光が照らす。


「コルト!冒険に行くぞ!」


 使用人に止められながらも入って来た金髪中分けの青年。その瞳は眩しいくらいにキラキラとしており、まだ幼さの残る声でコルトへ呼びかけるその者の名は、'エルト・グリッジ'と言う。


「'エル'……。何度やだと言えばいい?」


「コルトが'分かった'というその日までだ!」


 毎日同じ様に暗い部屋に閉じこもって、本を読んでいるコルトを、エルは毎日のように冒険へと誘っていた。


 他人との接点が少ないコルトは、エルトの来訪を少し嬉しく思うも、あえて本を手に取り、会話のため読まないがページをめくり始めた。


「少しくらい金持ちの息子だと自覚を持ったらどうだ?」


 真面目に取り合おうとはしないコルトにムッとしたエルトは、ズカズカと使用人に止められながらもコルトへ歩み寄る。


「そんなこと、今はどうだっていいだろ。今日こそは、お前と一緒に外に行くぜ!」


「はぁ……。前から思っていたが、なぜそこまで私にこだわるんだ?まさか、そっちの気もあるんじゃないだろうな?」


「はっ!つまらない冗談はよせ。俺はただ、お前に外の世界を見せてやりたいだけだ!」


「そうか。残念ながら外はもうずっと前に見た。だが、それもそこらにほっぽってある本らと同じだ。直ぐに飽きた。」


 エルトは眉を寄らせては何を思ったか、コルトの手を引っ張る。


「なっ!?何をする!?」


「お前は何も見ちゃない。」


 力のないコルトは簡単にエルトに引きづられていく。


「何も……感じちゃいない。」


 どこか怒った様子のエルト。コルトは、そんな大口を叩く彼に一度、身を委ねてみようとため息を吐く。


「……。分かった。自分で歩く。」


「そうか!じゃ!早く行こうぜ!」


 先程の怒った雰囲気はどこへやら。

 エルトの変わり身に「騙(だま)された……。」と苦笑いするコルトは、もう一度ため息を吐き、走り出したエルトの後を追いかける。


 ガチャッと家の扉を開けた時。コルトは数年ぶりに陽の光を浴びた。


「……。」


「コルト!早く来いって!」


 既に家の門前で待機しているエルトは、家の扉前でぽかんとしているコルトに呼びかける。


(……外は……こんなにも鮮やかだったか?)


 コルトは家の扉前から見える景色を見ては絶句していた。

 明るく照らす陽の光に緑豊かな木々。庭に植えられた花の数々に、本の匂いではなく新鮮な外の空気。コルトは自然と息を飲んでしまい、見開いた目はそれらを一つ残らず記憶しようとしていた。


「コルト!遅いって!何してんだよ!?」


 待ちきれずコルトの元まで戻ってきたエルトは、泣いているコルトを見ては首を傾げる。


「日光で目でも潰れたか?」


「……ふふ。エルト。昔の記憶とやらは間違いだったようだ。外は……ここから見える景色でさえ素晴らしい。」


 コルトは大きく深呼吸しては、外の世界を全身で体感する。


「……ぉ?ぉう。そうか?」


 エルトは当たり前の景色を見て涙するコルトに、首を傾げながら「違うんだよなぁ……。」と、本当に見せたかった物を思い、うんうんと唸ってしまう。


「エルト。」

「お?なんだ?」

「それで?見せたかったものってなんだ?」

「……は?」


 先程まであんなに嫌々言っていたコルトが、今や自ら進んで外を知ろうとしているのだ。エルトは、その変わり身に目を白黒させてしまう。


「外の世界に興味が出たと言っている。まさか、耳でも聞こえなくなったとか言わないだろうな?」


「……っっ!!……よし!じゃあ着いてこい!面白い物を見せてやる!」


「あぁ!一体何を見せてくれるんだ!?」


「もうすぐ畑の婆ちゃんが出てくる!仕掛けておいた罠にかかるか見に行こうぜ!!」


「それは直ぐに止めなくてはな!?」



おまけ



「コルト!そっちに兎がいったぞ!」

「あぁ!分かった!任せろ!ぁ……やべ。」

「おいおい!あんな部屋に閉じこもってるから反応速度も落ちてんじゃね!?」

「今のはわざとだ。」

「はぁ?」

「ほら。見てみろ。」

「兎が……罠にかかっている……だと!?」

「エル……私をバカにしてもらって困る。」

「半年前まで引きこもってた奴が生意気な!」

「ははっ!これが本当の私なのかもしれないな。」

「兎捕まえる為に転んで泥だらけになるのがお前か?金持ちの息子とは思えないな!」

「エル……。お前は他の金持ちの息子と同じく、そんなつまらないことを言うのか?」

「はっ!一緒にされては困る!俺はあんな奴らなんかよりもデッケェ夢を持ってる!」

「ほぉ?引きこもりの私を外へ誘い出すくらいだ。友達100人でも目指しているのか?」

「ちげぇって!」

「ならば……ぁ。エル。悪いが私にはそっちの気はな」

「それも違うって言ったよな!?」

「はは!悪かったって。じゃあなんだって言うんだ?」

「驚くなよ?俺は世界を見て回るんだ!それで色んな物を見てここへ帰ってくる!そして、コルト!お前に本だけじゃ知れない話を聞かせてやるよ!」

「お前……そこまで私のことを……。やっぱりそっちの」

「ねぇから!?」

「はっは!冗談だ!だが、気を付けるんだな。汚い人間なんて幾らでも居る。騙されたら最後だ。」

「おいおい!俺が騙されるとても言うのか?」

「お前は今……騙されているのにか?」

「な……!なん……だと!?」

「ぷっ……!はは!そんな神妙な顔をするな!嘘だ嘘!騙してなんか居ないさ!」

「なんだぁ……。……ん?……結局騙されたのか!?俺!?」

「さぁ帰るぞー!」

「コルト〜!!」

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