第101話帝国へ(帝国に到着9)


月夜の間から、今度は、煌めき間に移動した。

ターニャが出際よくお茶を準備し、それをクルリも手伝った。

勿論化粧直しは、クルリがやってくれました。

豪華な部屋だった。と言うよりも、月夜の間の部屋を全く見る余裕がなかったからあまり覚えていないが、部屋が暗いという印象はなかったが、調度品が端に置かれ、異様に空間を広く取っていたような気がする。

後で聞いたのだけど、やっぱりりその空間に死体とか、もしくは拷問とか、そういうのをする為に広く場所を開けていたんだって!

それを知ってあえてその部屋に選んだ皇后の悪趣味、

いやいや!性格の歪ん、

いやいや!!帝国の皇后陛下、と納得した。

考えれば図太い神経の持ち主でなければ、皇后になれないだろう。

ともかく、この煌めきの部屋はとても豪華な部屋だった。

少し甘いながらも爽やかな香木が炊かれ、カーテン、ソファ、絨毯、使用される布は全て金色を基調にし、金色を使いながらもとても上品に洗練されていた。

ああ、と思う。

これはフィーに合わせた部屋なのだ。

きっと同じようにカレンに合わせた部屋もあるだろう。

皇帝と皇后の愛を感じた。今の皇帝には愛人はいないと聞く。

代々皇帝には愛人がいないのは珍しくない、と習った。本来なら跡継ぎをより多くめる為愛人は付き物だが、逆に争いを起こす種ともなる。

跡目争いは、本人だけでなく、その周りの臣下達の陰謀が渦巻き、それが内乱となり国を治めるどころか、亀裂の間を他国が踏みにじり奪われる結果となる。

これまでの歴史の中幾度も戦争がありその発端が、跡目闘いから来るものだった。

その為いつの頃から、皇帝に愛人は少ない。

女性にしたら嬉しい。

フィーもそうならいいと思い、ついフィーを見てしまう自分が少し恥ずかしかった。

「さあ、説明してもらおうかしら?」

ともかく今は2人の安否が取れたのが嬉しいのと、その経路を聞きたかった。

「説明?何言ってるんすか。書いたじゃないですか」

お茶は熱いようで手をつけず、ボリボリと遠慮なくクッキーを頬張るコリュ様に隣に座るフィーが、少し嫌そうな顔をした。

なんだかなあ。えらく図太くなったわね、コリュ様。

「書いた?もしかして、あの、手紙の事言っている?」

思い当たるのはザンが持ってきてくれた最後の手紙くらいだ。

「それしかないでしょ」

当然とばかりに、今度ケーキを皿に乗せた。

「全く意味がわからなかったわ」

だって、

貰った手紙と言えば、

任せとけ、

の一言だったよ。

私もカップをとりお茶を取り1口飲んだ。

という事で、コリュ様に説明して貰った。

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