浮気調査団 ウシオニーズ
本郷から連絡を受けた何でも屋一行、凛、そして一華の義両親は深瀬翼のアパートの前で深瀬翼と市村保奈美が出てくるのを待っていた。
1時間後、深瀬翼と市村保奈美がアパートから出てきたところを見た凛は
「翼…嘘だよね…」
そして、市村保奈美に
「市村さんどうして私の彼氏取るんですか?」
そんな凛を見た深瀬翼は
「凛、お前単純だからだよ。だからだ」
「私も悪かったところあったよ。だけど、あんまりだよ。許せない。翼も市村さんも許せない!」
凛が深瀬翼と市村保奈美に殴りかかろうとした。それを一華が止めた。
「お義姉さん、止めないでください!」
「暴力は解決できないよ!」
その様子を見ていた進と洋子が市村保奈美に
「市村さん…こんな事して恥ずかしくないんですか?」
「こんな姿を貴方の家族が見たらどう思うんでしょう…貴方は2人のお子さんを立派に育てました。なのにこれはあんまりです」
市村保奈美は進と洋子を見て
「私は確かに2人の子供育てた。けど、また青春がしたいって思った事が何回もあった。翼君はそんな私に声かけてくれたの。凄く嬉しくて私、恋したのよ!」
そこへ鬼塚がスマホを近づけて来た。
「鬼塚さん、何やってるんですか!」
伊万里がそう注意した。
「ん?録画だよ?念のために」
鬼塚は呑気に言った。
「へー。そのために人の彼氏取ったんだー。それならアイドルかスポーツ選手を見てキャーキャー言ってる方がマシ」
「鬼塚さんっ」
一華が遮るように
「深瀬さん、市村さん止めましょう!貴方達のためにならないですよ!こんな事!鬼塚さんが仰っていた通りアイドルやスポーツ選手を見てキャーキャー言っていた方がマシです!」
その時、いきなり市村保奈美は一華に殴りかかろうとした。それを鬼塚が止めた。
「離せ!離せよ!」
「そうはさせません!」
深瀬翼は走って鬼塚に殴りかかり、鬼塚は吹っ飛んだ。
「鬼塚さん!」
鬼塚はふらふらだったが、なんとか立ち上がり、別の方向に顔を向け、
「八巻さん!お願いします!」
そう言われ、八巻が市村保奈美の夫と2人の子供を連れてきた。
「保奈美がっかりだよ…」
「お母さん俺恥ずかしい」
「お母さんいい加減にしてよ」
市村保奈美は驚きで
「あ、あのね…私は」
市村保奈美の夫は目の前まで来たと思ったらズボンのポケットから離婚届の紙を出し、それを見せた。
「保奈美、もう終わりだ…」
そう言って市村保奈美の夫と2人の子供は去って行った。
市村保奈美は、子供のように泣きじゃくった。
あの日から2週間が経った。
あれから凛は深瀬翼と別れ、市村保奈美は離婚し、実家へ強制送還され、2人の子供の親権は市村保奈美の夫が持つことになった。
何でも屋一行は相変わらずたくさんの依頼に追われていた。
そんなある日。
「皆さんに新しい仲間が加わりました!」
鬼塚が笑顔で言うと
「え!本当ですか?」
伊万里は目を輝かせた。
「それでは、どうぞ」
鬼塚に言われ、八巻が出てきた。
一同は驚き、
「貴方は主人の両親と同じマンションに住んでる…」
一華は驚いた。
「八巻さん⁉︎」
伊万里は腰を抜かした。
八巻は狐の姿になり
「どうも〜。この度新しく何でも屋に入社しました!八巻です!あの浮気の件で、鬼塚さん達の姿に惹かれ入社しました!宜しくお願い致します!」
八巻は頭を下げた。
この後、八巻を加えた何でも屋は沢山の依頼をこなしていくのだが、これはまた別のお話。
牛鬼のシゴト 目黒恵 @meguro831
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