最悪な事実

「あんたら市村さんの家から出てきたけど、知り合い?」

「その前にいいですか?」

 伊万里は手を上げて言った。

「何?」

「さっき気になったんですけど、どうして鬼塚さんが牛鬼だってわかったんですか?」

「あぁー。俺も妖怪だからだよ!」

「じゃあ、貴方も牛鬼?」

 鬼塚は聞いた。

「俺は狐だ!だからそのー…」

「私、鬼塚と申します」

 鬼塚はそう言って男に名刺を渡し、

「こちらは、部下の皇です」

「皇です」

 伊万里は頭を下げた。

「俺は八巻だ。だから鬼塚さんが牛鬼だとわかった。妖怪にしかわからない臭いで」

 松山はそう言って狐の姿になった。同時に鬼塚も牛鬼の姿になった。

「鬼塚さん、その市村さんの事なんだが…」


 鬼塚達が八巻の家にいて数時間後、張り込みをしていた本郷は深瀬翼のアパートの前で信じられないような光景を目にしていた。

 それは、車から降りる深瀬翼と隣りには市村保奈美がいた。2人は抱き合ったりしていた。

 本郷は急いで鬼塚と一華に連絡した。


 スマホを見た一華は凍りつき、義両親にスマホの画面を見せた。

 義父の進は見た瞬間、

「凛と付き合ってた男がこんな奴だったとは」

 と怒り狂った。


「やはり…」

「俺何回も見たんだ!市村さんの奥さんが若い男と一緒にいるところを」

 鬼塚はスマホの着信に気づき、見ると本郷からの連絡だった。

「皇さん、噂をすればなんとやら」

「え?」

「八巻さん、貴方の仰る通りでした」

 鬼塚は、伊万里と八巻にスマホの画面を見せ

「深瀬翼さん、市村保奈美さん、浮気してました」

  

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