何でも屋の視察

 何でも屋はゴミ屋敷を視察しに行く事になった。

それは2日前、海原莉子の依頼で、向かいの家のゴミ屋敷をなんとかしてほしいという依頼を受け、ゴミ屋敷を清掃する前に視察するという鬼塚の提案で今日こんにちに至ったのだ。


「うわーこれは酷い…」

 鬼塚は呟いた。

「そういえば、私、昨日茨城県のゴミ屋敷の話をTVでやってるのを見ましたけど、まるでTVで観たのとほぼ同じです…」

 伊万里は後退りをしながら言った。

「そうだな…。僕らが普段受けているハウスクリーニングとは次元が違うからなー…とりあえず、失敗例を知る為に、僕は一旦抜けるよ」

 鬼塚はそう言うと何処かへ行ってしまった。

「鬼塚さん!無責任ですよ!何が失敗例で抜けるなんですか!最後までやりましょうよー!おーにーづーかーさーん!!!」

 伊万里は、鬼塚の背中に向かって叫んだ。

「皇ちゃん、鬼塚さんが仰ってた失敗例って…」

 一華は言った。

「まさか!」

 伊万里は一華の言いたい事を理解して言った。

「役所」

 本郷がボソっと言った。

「それだ!」

 伊万里と一華は同時に言った。

「さすが本郷さん!」

「頼りになります〜!」

 伊万里と一華は本郷を誉めた。

 本郷は恥ずかしくなり、被ってたキャップを深く被った。

「役所から鬼塚さんが戻るまで私はどうするか考えましょう〜」

 一華にそう言われ、一行はゴミ屋敷をよく観察したり玄関前まで入って様子を見たりして意見を出し合っていた。


 鬼塚が戻ってきたのは、それから2時間後だった。

「鬼塚さん、やっぱり役所行ってたんですね?疑ってすみませんでした!」

 伊万里がそう謝ると

「まぁ、役所行ってたのは正解なんだけど、後は皇さんが言ってた茨城県のゴミ屋敷取材した番組の動画見たりして研究してた」

 鬼塚は頭を掻きながら照れ臭そうに言った。

「鬼塚さん、鬼塚さんが戻ってくるまで私達で意見を出しあいました」

 一華は言った。

「わかった!一旦戻ろう」

 そう鬼塚は言った。

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