謝罪編
東国原杏の代弁
伊万里が何でも屋で働いて1週間が経った。
最初は、庭草むしりや子供の保育園のお迎え、高齢者宅の中の掃除といった依頼をこなしてきた。
不安な事もあったが、鬼塚達に支えられなんとか乗り越える事ができた。
伊万里の職場の何でも屋は、社長の鬼塚清志郎や先輩の本郷岳、阿南一華がいる。だが、この何でも屋は特殊である。
それは、社長の鬼塚清志郎の正体が、牛鬼という妖怪である。最初、伊万里は驚いたが、今では妖怪と働くことに慣れていた。
4月のある晴れた日。
何でも屋にとんでもない依頼が来た。
「私…先輩に謝りたいんですが、嫌われてるんでどうか私の代わりに謝って来てください!」
そう言ったのは、依頼人の東国原杏だ。杏の依頼は、バイト先の先輩に謝罪したいが、杏はその先輩にかなり嫌われているため、自分の代わりに謝ってほしいと言っている。
「代わりに謝罪何を言ってるんですか?」
鬼塚は大笑いしながら言った。
「鬼塚さん!失礼ですよ!」
伊万里は静かに言った。
この鬼塚、ストレートに発言する場合がある。そのため、いつも誰かが鬼塚にツッコミを入れたりしなければならない。
「すみません。お伺いしてもよろしいですか?謝罪を代わりにやる謝罪代行サービスを運営している会社には訪問されたんですか?」
「あそこは、料金高いんで、こちらに頼んでいるんです!何でも屋さんだから!」
鬼塚はふとある事を思いついた。
「では、こんなのどうでしょう!謝罪代行サービスの会社様のように謝罪する側の身内と名乗って謝罪するのは?」
「え?上手くいきますか?」
「任せてください!」
そう聞いた何でも屋一同は少し不安だった。
今まで何でも屋では謝罪を代行した前例がないかはだ。
こうして何でも屋初の謝罪代行の仕事が始まったのである。
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