第3話 最悪の展開が待っていました
次の朝には最悪の展開が待っていました。
私がまだ寝ていると、ガチャリと解錠する音がして部屋のドアが開き、三人のメイドが入ってきました。
メイドたちは私をベッドから起き上がらせると、無言で私を押さえつけ、有無を言わさず全ての衣類を剥ぎ取りました。
そして私の服は、ナイトドレスやベッドのシーツ、掛け布団と共にメイドたちが持ち去りました。
何という屈辱でしょう。私は恥ずかしさと悔しさで溢れる涙を押さえられませんでした。
少し冷静さを取り戻してくると、昨日の少年の言葉が思い出されました。「ではまた明日…」そう、ここにもうじき少年がやって来る。ならば私をこんな姿にした目的は一つしかない…
(イヤ!)あんなサイコパス野郎に貞操を奪われるなんて絶対に嫌です。私は少ない知識の中から、内腿に力を込めると挿入できないらしいなど聞きかじりの妨害策を思い出していました。
しかし、メイドがサンドイッチを運んできた事以外、何も起こらないまま時は過ぎていきました。
そして夕方になると、メイドたちは車輪の付いたバスタブを部屋に運び込み。私に入浴するよう促しました。
入浴を終えるとナイトドレスを着せられ、ベッドメイキングを終えたメイドたちはバスタブを押して出て行きました。
(結局、少年の目的は何なの?)私は変な妄想をしていた自分が恥ずかしくなりました。が、そこに少年が現れたのです。
「こんばんはエレーヌ。僕の屋敷の住み心地はどうかな?」
(オマエ、ふざけんなよ!服、返せよ。家に戻せよ!)思ってもいざとなると口に出せないのが私です。
「いずれここにも衛兵隊が捜索にやって来るでしょう。今すぐ解放してください、私は何も告げ口しませんので」
これが目一杯気を使った私の言い方です。
「果たして衛兵隊は来ますかね?既に婚約は解消され、親からは勘当されているかも知れませんよ」
少年はサラリと酷い事を言います。私は強い口調で否定しました。
「理由もなく私がいなくなれば、エドワードも家族も心配して探すに決まっています!」
「そうだね、理由がなければ心配するだろうね。でも理由が分かっていたら、しかもその理由が、君が一方的に婚約破棄するような内容だったら?」
「そんな嘘、誰も信じる訳ないじゃないですか…」
「覚えてるかなあ…君が僕にくれた手紙。大切に持っていたんだけど、城のあの部屋に置いてきちゃった。どうなると思う?」
(手紙?そうか、少年の告白に対する返事を手紙にしたのだった…)私は手紙の文面を思い出しハッとした、
(あの手紙をエドワードが見たら…)その場面を想像して私は自分が青ざめていくのを感じていました。
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