第29話 弟子入り

   アドルフは兵士たちに保護され、都市に住むことになった。アドルフが連れていかれたところは戦争孤児を集めた孤児院だった。だがアドルフはすぐにその孤児院を抜け出して、今でいうストリートチルドレンになった。商店で売っているものを盗んで生きていた。そしてある時、アドルフのいる都市に敵軍が攻めてきて、都市を包囲した。だが数年後、幸いなことにすぐに稲妻隊が駆け付けて敵軍を撃破し、隊長を捕まえることができた。


   そしてブリッツが敵の隊長のもとへ行き尋問をした。

「そういえばお前、この前子供連れの家族を追いかけて殺した隊の隊長だな?」と聞き

「なぜそこまであの家族に執着した?」と続けて聞いた。その隊長が言うには、もともと自分は勘が良くて、なぜかその家族を殺しておかなくてはならない気がした。と語った。それを聞いてブリッツは

「それでも一般市民を襲うなど蛮族のやることだ。」といい部下に処刑を命じた。その後ブリッツは敵の隊長が言っていたことが気になり、アドルフを預けた孤児院を訪れた。すると院長に聞くとアドルフは着いてすぐに逃げ出したという話だった。ブリッツはさらに不思議に思い部下にもアドルフを探させた。そして数時間後。部下がアドルフを見つけたと報告してきて、すぐに駆け付けた。するとブリッツはアドルフの汚い恰好を見て驚いた。そして

「なんで孤児院を抜け出してこんな暮らしをしてるんだ?」と聞くとアドルフは

「お母さんに生きてって言われたから。」と答えた。ブリッツはその答えを聞いてその言葉の意味を少し考え、まさかと思い孤児院に戻って強制的に施設を捜索した。すると地下への隠し扉があり、入ってみるとそこには拷問部屋があった。ブリッツは激怒しながら院長を拘束して荷車に乗せた。するとアドルフが付いてきていて、

「おじさん強いの?」と聞くとブリッツは

「そこそこはな。」と答えた。するとアドルフが

「なら僕を鍛えてよ。誰にも負けない強い人になりたいんだ。」と言うとブリッツは

「なんで強くなりたいんだ?親の仇ならわしが獲ったぞ。」と答えた。するとアドルフは

「僕と同じ思いをする人を無くしたいんだ。」と答えた。それを聞いてブリッツは

「わしの訓練はとても厳しく、死ぬかもしれんぞ?」と聞くとアドルフは

「僕はお母さんに約束したから死なないよ。」と答えた。するとブリッツは

「わかった。だがこの戦争が終わってからだ。この戦争が終わるまでこの都市で待っていろ。迎えに来る。」と言った。そしてブリッツは約束通り戦争が終わるとアドルフを迎えに来て修行に連れて行った。


   そこからの修業はブリッツの言っていた通り極めて厳しかった。アドルフは毎日、朝から夜まで訓練をし、気絶するように睡眠をとりまた早朝から訓練の繰り返しだった。そしてその生活にやっと慣れ始めたぐらいで今度は、普段の訓練に加えて食料を自分で確保するようにした。これが思ったよりもきつく訓練で疲れ果てた後で食料も自分でとりに行く必要があり、肉類を食べないと動けないので動物を狩る必要があった。このように今の訓練に慣れかけるとさらに厳しくする訓練を続け3年ほどすると11歳とは思えないほどの強さになっていた。そしてその後の12歳になった時に訓練の総仕上げとしてエーデルシュタインの近くの山でサバイバル生活をしているときにノアに出会ったのだった。そしてその生活が終わった時にブリッツが軍に戻るタイミングでブリッツから離れノアとともに傭兵をして暮らした。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る