第19話 ザボギア攻略戦ー①
クリスタ軍はザボギアを包囲し、全員配置につくと攻撃開始の狼煙が上がった。すると一斉に4方向から巨大な攻城塔が前進した。その攻城塔はザボギアの城壁よりも3mほど大きかった。だが敵側も攻城塔は予測しており火矢で燃やそうとしたが、クリスタ軍はそれを予想していて攻城塔を水を吸いやすい木材で作って、湿らせていたため燃えなかった。すると城壁の兵士数人が樽を持ってきた。それを見てクリスタの兵士は、その樽目掛けて火矢を放った。すると樽はすごい勢いで燃え広がり周りの兵士を燃やした。この樽に入っていたのは油だった。敵軍はこの油をかけてから攻城塔を燃やそうとしたが、それもヴァイスハイトは予測していて攻城塔を燃やされないように、攻城塔の上に弓兵を乗せていた。攻城塔は徐々に城壁へと迫って行き、ついに攻城塔が開いて兵士たちが乗り込んでいった。深緑隊や白金隊、黒狼隊は隊長が最初に乗り込んでいき、次々と兵士が乗り込んでいった。しかし、乗り込んだのがこの3隊だとしたら攻城塔4つというのが合わなくなる。そのもう一つの攻城塔にはアドルフとファルケの2人だけが乗っていた。この2人もほかの隊と同様に上のファルケが樽を打ちアドルフが乗り込んでいった。ファルケは矢を射るときに、樽を持った兵士の数を弓にかけて同時に倒していたのである。敵は2人というのを見て戦力を薄めに展開していたため、アドルフが乗り込むとファルケとともに敵を次々と倒していった。
クリスタ軍が攻撃を開始したころ、ザボギアの場内で4人の将が話していた。その4人とは前回の戦いで生き残った、ルフト、アングリフ、クライネとアルメヒティヒだった。なんとアルメヒティヒは生きていたのだった。だがクリスタ軍にばれないように隠れていたのだ。アルメヒティヒが
「敵は4方向から攻めてきているようです。なのでここは無難にそれぞれ一人ずつ向かいましょう。希望などはありますか?」と聞くとクライネは
「俺は白髪のおっさんのとこに行くぜ。今度こそ殺してやる。」というとルフトは
「じゃあ俺は黒狼隊のところに行こう。まだ決着がついてないからな。」というがアングリフは
「いや俺が黒狼隊だ。トイフェルさんの仇がいる、俺はそいつを倒す。」といった。するとアルメヒティヒが
「ならアングリフは前回戦った4人を倒してから黒狼隊に行ってください。僕は一番手薄なところを片付けてからそれぞれの援護に行きますね。」といい4人の向かうところは決まった。
戦闘が始まって10分ぐらいすると、それぞれの隊が弓兵も含めて城壁に上り切ろうとしていた。そんな時、それぞれの壁に敵将が上がってきて、兵士を蹴散らした。
―――白金隊
クライネが兵士を蹴散らしてエーデルシュタインに槍を突いた。するとエーデルシュタインは
「おー、あの時のチビじゃねえか!前よりかは強くなったか?」というとクライネは
「お前を殺すために猛訓練してきたんだよおっさん。」と答えた。
「もう仲間の力なんて使わない。俺一人でお前を殺してやる。」とクライネが言うと
「おいおい、前より不利な状況で戦って勝てるわけねえだろ。」とエーデルシュタインは煽る。クライネは早速エーデルシュタインに攻撃した。その槍さばきは明らかに速く、重くなっていた。エーデルシュタインはそれをすべて捌き、
「おいおいちょっと強くなっただけじゃねえか!勝つ気あんのか?」というと突然都市の中央から10本ほどの矢が飛んできた。それを薙刀で振り払うとエーデルシュタインは
「どうせこんなこったろうと思ったぜ。おまえが一人で戦うわけがねえ。」と少し怒っていた。クライネが槍で攻撃して、引いた瞬間に矢が飛んできた。これは完璧なタイミングでエーデルシュタインも防ぐのに手一杯になった。するとクライネが
「どんな手を使ってもお前を殺すからな、覚悟しやがれ。」といった。そしてもう一度槍を突くと、今度は矢がさきに飛んできた。それを薙刀で払うとクライネの槍が腹に刺さった。エーデルシュタインが血を吐いたのを見てクライネは
「へっ!やってやったぜ。串刺しだ!」といい槍を抜こうとしたが抜けなかった。それを見てクライネは焦り
「弓隊殺せー!こいつを殺せー!」というと弓兵が矢を放つ。するとエーデルシュタインは槍を抜いてクライネごと盾にした。10本のやがクライネに刺さり血を吐く。
「さあチビ、頑張って手を離さないこったな。落ちたら即死だぜ。」とエーデルシュタインが言うとクライネは必至で槍をつかんだ。エーデルシュタインのもつ槍の先は場内に出ていて、本当にクライネが手を離した瞬間落ちる場所だった。するとエーデルシュタインは
「おまえはほんときたねえ野郎だな。もう見限ったぜ。」というとクライネは
「お前こそチビチビ言いやがって、木偶の坊が!」という。エーデルシュタインは
「もういいだろ?腕が疲れたぜ。」というとクライネは
「待て!まだお前を殺せてねえ!俺を落としたらお前を10本の矢が」と話の途中でエーデルシュタインは槍を話した。
「話がなげえんだよ。クズが。」といいながら薙刀で矢を払った。エーデルシュタインは腹を刺されていたが、それでも戦闘に参加して自分の隊で戦った。
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