第14夜

「貴様…何でここに…!?」

「この小娘、上質な怒りのエネルギーを持っている。この私が作り上げた安綱を試そうと思ってな?」

渡辺先輩の言葉に不敵な笑みを浮かべ、そう返す、悪路王。刀を…作った…?

「刀を作った!?」

「あぁ、私は妖力で刀を作ることが出来る。まぁ、本物には一歩届かんが、何、下級妖怪や矮小な人間共には充分であろうよ」

風紀委員長の目は真っ赤で口からは黒い煙が出ている。この姿…まるで暴走した時の藤原じゃねぇか…!!

「さぁ、小娘。ここの全員を殺せ。貴様の恨み忌み嫌う、妖怪共がうじゃうじゃいるぞ?」

悪路王のその言葉に風紀委員長は声にならない唸り声を上げ、こちらに向って走ってくる。

「ッ!?月、憑依できるか!?」

「はい!お任せください!!」

俺と藤原は憑依して、委員長の刀を防ぐ。しかしその一撃はあまりに重かった。そして俺の身体から力が抜けて行く感じがした。

「!?力が抜けて…!?」

俺は一度後ろに下がる。心臓が痛い。それにとんでもない疲労感に襲われる。

「何だ!?ぐっ!?」

刀同士をぶつけている、藤原も声を上げる。徐々に刀が藤原の方に近づく。

「藤原!!一回下がれ!!」

俺の声に頷くと、藤原は大きく後ろに下がる。

『まさか安綱が生命を吸っておるのか!?!?』

乃々先輩の言葉に悪路王は笑う。

「ククク、そうだ。私は言ったな?本物の安綱には及ばないと。であれば、私自身が刀に能力を付ければいい。【所持者や斬りつけた相手の生命を吸い取り強くなる】と!!」

「まさか……!?貴様!!桜ちゃんが死ぬ前提でその刀を!?」

「あぁ、そうだが?この小娘はそれでも喜んでいたがね?妖怪共を殺せるなら私の命など要らないとな?しかし笑える!!怨敵が目の前に居るというのに、それよりも自身の欲を優先するとは…愚かだよ、人間は」

「貴様、この屑…!!!」

渡辺先輩はそう叫ぶと悪路王に向けて銃を乱射する。しかしその攻撃は謎の青年が全て防いだ。

「!?!?だ、誰だ!?」

「よくやってくれたな、武蔵」

「アンタに死なれては困る。僕は母さんに会いたいからね。アンタが死んだら母さんに会えない」

武蔵と言われる青年はナイフをこちらに向けて冷ややかな目で見てくる。

「君、正気か!?悪路王の味方をするなんて…」

(それに彼、今、ナイフだけで私の弾を全部落としたのか!?)

「正気だよ?僕は母さんに会う。この人は俺に母さんを会わせるって言った。だからその為なら何だってする」

「紹介するよ、彼は武蔵 海斗(むさし かいと)、私の憑依者だ」

「憑依……?」

俺達の思考が停止する。憑依だと…?

「貴様等、まさか私が単身で大会に出るとでも?甘いな!!これは崇高な儀式なのだ!その為には憑依で参加する必要がある。そこで彼に協力して貰ったのだよ!!」

「崇高な…計画…!?」

「ふん。貴様等に詳細など教えんよ、大会で存分に真実を知り、恐怖するがいい。クク、今から楽しみでしかたない!!…少し興奮してしまったな。たまにはこんな私でも良かろう?しかし、遊びは終わりにしよう。この小娘を上手く殺して見せよ?ここで貴様等が死んだならそれも一興。大会は貴様等なんぞいなくても成功する。帰るぞ、武蔵!!!」

悪路王がそう言うと、武蔵は頷き黒い煙になって消えた。

「待て!!!!クソが!!!!」

渡辺先輩は今まで見せた事のない顔で悪路王がいた場所を睨む。

『始!!しっかりせんか!!!今は桜殿をどうにかするんが先じゃろうが!!』

乃々先輩の言葉にハッとした表情をした渡辺先輩は委員長に銃を向ける。

「安倍君!!藤原君!!私が援護する!!二人はとにかくあの刀を壊すんだ!!時間がない!!このままだと桜ちゃんは…」

俺と藤原は頷き、委員長に二人がかりで迫る。そこに渡辺先輩の攻撃も加わる。

「【黒弾-蛇王(ブラック-ナーガ)】!!」

渡辺先輩の銃弾は黒い二体の蛇の姿に変わり、委員長の身体をくるくると周り、口を開け両足に噛み付く。

「これで動きが制限され……え??」

黒い蛇が噛み付いていた両足から黒い煙が上がる。次の瞬間、蛇は黒い炎に包まれ、塵になった。そして俺と藤原に手を翳す。そして俺達の身体は宙に浮き、そのまま地面に叩き付けられた。

「ガッ!?」

口の中に血の味が充満する。

「安倍君!?藤原君!?」

『安倍君!!あぁ、血が……』

月の声が響く。俺は意識が朦朧としながら立ち上がり、笑う。

「月、大丈夫だ。死にやしない」

俺は口に溜まった血液を吐き出し委員長を睨む。

委員長は先ほどより大量の黒い煙を吐き、叫び声を上げる。顔には大量の血管が浮き出ており、その顔はかなり苦しそうだった。

「委員長、アンタのやった事は許せねぇ…だが、苦しむアンタを見たいわけじゃねえ!!」

俺は武器を構える。藤原も同様に立ち上がり、俺を見て微笑む。その口からは俺と同様に血液がこぼれていた。

「二人共!!無理しちゃだめだ!!死ぬぞ!?」

「分かってます!!でも彼女も苦しんでるんです!!俺達が助けるんだ!!!」

「その心意気、感謝するぞ!安部!!」

体育館の入り口からそう大声で叫ぶ青年がいた。あれは…

「如月!?」

そこには全身傷だらけの如月達、幹部の姿が有った。

「この際、呼び捨てでも何でも構わん!!頼む…!委員長を…桜さんを助けてくれ!!俺達にとって彼女は確かに恐怖だった。だがな、彼女は貴文さんの意思を必死に引き受け、一人で悩んでいた!!そしてあの人は本当はとても優しい方だと我々は理解している!!頼む…!俺たちが恨まれるのは構わん!!だから桜さんだけは!!!」

そう叫ぶと如月達は委員長の身体を押さえつける。

必死に暴れる彼女の刀で如月達はどんどん傷を作る。それでも離さない。

「!!!アンタ達の気持ちは分かった!!!その想い、俺が果たす!!!!」

『!?安倍君!!何かが!!!』

月の言葉が俺にも理解できた。何だ!?俺の身体からどんどん力が湧いてくる!今なら!!!

「うぉぉぉ!!!!!【夜式-零(よるしき-ぜろ)】!!!」

頭に浮かんだその言葉を叫び、委員長の刀目掛けて、拳を振り下ろす……


バキッという音が響いた。見ると刀が鍔の所から折れていた。そして折れた瞬間、委員長の目は元に戻り、気絶した。

「やったのか……?」

「驚いた、憑依してばかりで妖武(ようぶ)を操るなんて……」

「妖武?」

「桜さん!!!」

妖武は疑問に思ったが幹部の声で今すべきことを思い出す。

「それより、風紀委委員長を!!!!」


保健室に運び込まれた委員長と坂田先輩は命に別状は無かった。

坂田先輩は大きな傷があったがそれも処置が早く済んだおかげで、鎌鼬の塗り薬が効き、傷口も大分塞がったそうだ。

委員長の方は傷などは無かったが体力の消費が激しすぎて今も眠っている。

俺達や幹部は塗り薬で何とかなり、今は先ほど合流した卜部先輩、碓井先輩と共に保健室で会議をしていた。

「すまん、俺達がもっと早く登校してれば……」

「いや、二人の性ではありませんよ。まさかこんな事態になるなんて誰も想像してなかったですから…」

「それで??お前等は言う事あんじゃねぇか?」

碓井先輩はそう言って幹部達を見る。幹部の誰もが床を見つめていたが、如月が口を開く。

「今回の件は俺等のせいだ。そこは理解している。だが、妖怪は許せん。それは変わらん」

「まだ言って!!!」

「だが、彼は…安倍はそんな事を承知で桜さんを助けてくれた。妖怪嫌いな俺たちの願いを聞いてくれた。そこには妖怪の…彼女の力が使われた」

そう言って如月は月を見た。月は俺の後ろに隠れる。

「だからだ…俺達は本当に正しかったのか…分からなくなったのだ…」

「間違ってたのは、俺だぜ?如月」

そう声がすると、カーテンが開き、坂田先輩と楓さんが立っていた。

「貴文さん!!」

幹部は全員片膝をついた。

「俺はもう委員長じゃねぇ、それはしなくていい…てかこんなことさせてた俺を殴り殺したいぞ……」

片膝を辞めた、幹部は坂田先輩を見つめる。

「まず、お前達。大馬鹿ものが。俺が辞める時にもうこんな事、辞めろと言いつけておいたのに、続けおって…」

「申し訳…」

「だがそれも俺の性なんだよな…俺はお前達に桜を任せっきりにしてしまった。俺は逃げたんだよ…桜を正しく導いてくれって言ったがあれは俺が責任を放棄していただけだった…怖かったんだよ、桜に責められるのが…」

坂田先輩は涙を流していた。俺達は何も言えず、下を向く。

「すまん、泣くつもりなんぞ無かったのだが…次に阿部君、藤原君」

「はい」

「桜を救ってくれて本当にありがとう。俺はアイツと決着を着けようとした…」


【1時間前 安部達が学校に向かった時】

「わ、私は悪くない…!!貴様が!!貴様が全部!!!」

「いい加減にしろよ、桜ちゃん!!!」

楓が叫び、桜は一瞬怯んだ。

「だ、黙れ!!妖怪!!!」

「妖怪だから何なんだよ!?分かってるんでしょ!?妖怪にも善性悪性が有るって薄々さ!!」

「ッ!!分からん!!!妖怪は悪なんだ!!!悪じゃなければ…お母様もお父様も……」

「辛いよね、分かるよ」

「分かるわけないだろ!?妖怪が私に同情するか!?」

「分かるの!!私も家族を人間に殺された!!それで私も今の貴方みたいになった時期がある!!でもね、貴文に出会って変わった!!人間が全部悪じゃないって!!良い人間もいるって!!命をかけて教えてくれた!!そして恨みじゃ本当に何も変わんないって、たかちゃんが教えてくれたんだよ!?」

桜はそこでひどく狼狽した顔をした。そして頭を抱える。

「私が…間違ってた!?」

「いや?間違ってなどいないさ?」

どこからかそう声が聞こえた。そして桜の目の前に悪路王が現れた。

「貴様は…?」

「悪路王!?どうしてここに!?」

「小娘、貴様の願いは聞き遂げられた。さぁ、この刀を使え。大丈夫だ。貴様の悲願は達成される」


「そして彼女は刀を手にしてしまった。後は先程の通りだ。俺は切られ、如月達も切られた。あの子は俺の考えを必死に遂げようとしてた。あまりにも愚かで間違った教えを……だがね、多分俺は彼女を倒せなかっただろう。唯一の肉親だ。かわいい妹だ…」

坂田先輩はそこまで言うと手で顔を覆う。楓さんが坂田先輩の背中を撫でる。

「坂田先輩。俺達は風紀委員会を許しません。月や藤原達を傷つけたんだ」

坂田先輩は頷く。

「でも月はこうも言った。誰も恨まないでほしいと。だから俺は月の言葉に従います。月、お前が決めていい。風紀委員会をどうしたい??」

月は急に話を振られ、驚いていたが、決心がついた顔をして話し始めた。

「私は…今も風紀委員の方々は怖いです…でも…恨みなんてありません…阿部くんや藤原君、鬼怒川さん…先輩方に出会えた。だから私は皆さんを許します」

真面目な顔で風紀委員幹部を見る月に、幹部は頷いた。

「我々も少し固着しすぎていたのだ。まずは詫びる。すまなかった…」

そう言って幹部は俺達に頭を下げた。

「我々は自身のやったことの責任を取る。だがそこには桜さんを入れない」

「私たちは彼女に躾と言われ、鞭で打たれたことがあります。本当に怖かった。でもあの時の委員長はどこか焦った風でした…多分、お兄様に近づきたかったのかと…」

「益々俺の性だな…アイツは俺が如何にして風紀委員会のトップになったかをよく知っている。俺は力で全て解決していた。だからアイツもそれが焼き付いている…だが女の子だ。力は弱い。であれば手を出す方法は躾と題しての束縛からの暴力だろう……」

「桜ちゃん!?!?」

誰しもが坂田さんの言葉に重く沈んでいると、急に三奈ちゃんの声が響く。

それに驚き、三奈ちゃんの場所に行くとそこには風紀委員長が片手にナイフを持って震えていた。

「桜!?!?」

「来ないでくれ!!わ、私は自身の仇であるあの鬼から力を貰ってしまった…それで私の大事な風紀委員を傷つけてしまった……」

「お前は風紀委員を大切と言いながら傷つけてたんじゃねぇのか?」

「ああ、確かに私は貴方…お兄様に何とか追いつきたかった。だから私は鮫島や如月に体罰を与えた。だが、それ意外にどうすれば良かったのです!?なぜ私たちを置いて行ってしまったのですか…」

委員長は啜り泣く。

「それは俺の性だね。で?そのナイフで何をする?」

「こうするんです」

そう言うと風紀委員長はナイフを自身の首元に近づける。

「なるほど…悪路王の責任や今までの責任を自身が背負い自決するか。良い心掛けじゃ無いか」

「坂田先輩!?アンタ!?」

俺は怒りを覚えた。あれだけ大切と言っていた肉親が自殺しようとしてるのに、なぜそんなに冷静でいられるんだ!

「褒められたのは久しぶりです。最後に良き思い出が出来ました。

委員長はナイフを振り上げる。そして悲鳴が響いた。


「え??」

ナイフは委員長に刺さっていなかった。ナイフは坂田先輩の手の平を貫き、血液が止め処なく流れていた。そして坂田先輩は力強く、委員長の頬を平手打ちした。

「なんて、言うと思ったかよ、この馬鹿者が。貴様がそうやって逃げることが許されるとでも?死んで詫びる??片腹痛いわ!」

「じゃあ……じゃあ!どうすれば良いと言うのですか!?もう私を許してくれる者は妖怪にも人間にもいないのに!!」

「なんで俺がお前を許さないって思うんだよ!」

坂田先輩がそう叫ぶと、委員長は驚いた顔をした。

「お前なぁ、俺が許さないなんていつ言った?俺はどんな事しても唯一の肉親であるお前を恨んだりできるわけねぇだろ!!……お前に全部押し付けた俺がお前を怒る理由なんてないんだよ…」

そう言って坂田先輩は委員長を抱き締める。委員長は堰を切ったように大声で泣き出した。


「泣き止んだかい?」

「…申し訳ございません、お兄様…」

「もう謝んな。それに謝る相手間違えてるでしょ?」

そう言って坂田先輩は委員長を俺達の方に向けた。

「……」

「委員長…」

「全て私の責任だ。煮るなり焼くなりするといい」

委員長は俺たちとなるべく目が合わない様に逸らしながら言う。

月は急に委員長の前に出るとその身体を抱きしめた。

「は?」

「え!?」

「妖怪や安倍君を傷つけた貴女を許すのは難しいです」

月は今までになく冷たく言う。それに委員長は顔を更に暗くする。

「でもこれから貴女が変わってくれるなら、私、貴女の友達になりたいです」

その言葉に委員長は驚きの余り、口をパクパクさせた。俺も驚きで一瞬フリーズした。

「しょ、正気か!?君達を殺そうとしたんだぞ!?」

「死んでませんよ、私達?」

月の言葉は余りにも突飛がなく、吹き出してしまった。月はこちらを向き、頬を膨らませて怒る。俺は咳払いをして委員長に話しかける。

「そう言う奴なんですよ、そいつ」

「ふふふ…あははは!!!」

委員長は今までに見せたことない大笑いをした。それは狂気ではなく年頃の女の子特有の可愛らしい笑いだった。

「ふふふ……安倍君、君が変わった理由、何となく今、理解できたよ」

そう言うと、涙目で俺を見つめる。そこには先程までの恨みや怒りは見えなかった。


「改めて礼を言う」

委員長はそう言って頭を下げると、幹部も頭を下げた。

「とにかく一件落着かね?全くお騒がせだねぇ」

坂田先輩は先程の傷を治療してもらいながら笑う。

「お兄ちゃんから提案があるんだ。まず、風紀委員会はこのまま続けなさい」

「え!?お兄様、正気ですか!?」

「ああ、シラフだよ、俺は。風紀委員会のおかげで妖怪の不良どもが数を減らしたのは事実だし、学園に有益な部分もあったんだ。ここで風紀委員会が無くなれば不良どもは何しでかすか分からんからね。それからもう一つは、風紀委員会幹部全員とお前さんは俺の家で暮らしなさい」

「貴文さん!?」

「お前さん達、今、満喫暮らしだろ?」

坂田先輩がそう言うと、全員が目を逸らした。坂田先輩は自分の頭をガンガン叩き出す。それを見て三奈ちゃんが慌てる。

「俺の馬鹿が…なぜ最初から引き取らんかった…」

「貴文さんのせいじゃ…」

「俺の責任なの!!!君達を風紀委員のメンバーにした時に言っただろ?俺はお前達の父になる。家になるって……」

先輩はそう言って下を向く。そしてすぐに、委員長達を見つめる。

「お前らが良いなら、おいで」

そう言って坂田先輩がそう言って、微笑むとみんな涙目になり、鮫島が坂田先輩に抱きついた。

「ぶぇぇ!!貴文ざん!!」

「おうおう、華は昔から泣き虫だなぁ…」

そう言って先輩は鮫島の頭を撫でる。

「雄大!!」

如月は坂田先輩にそう言われて、背筋を正す。

「君の大事な幼馴染が泣いてるぜ?君が何とかしたまえよ?」

「は、はい!!!」

そう言うと如月は鮫島を抱き、坂田先輩の代わりに胸を貸していた。

「さて、最後に現実的な話だ。風紀委員会をこのままやっていくにも生徒からの反乱が起きちまう。俺の方でアポ取っておくから、桜。君は明日全校生徒や先生方に事情を説明するんだ」

その言葉に委員長は不安そうな顔をした。あれだけの被害が出たんだ。説明をしない訳にはいかないだろうが、彼女の気持ちを考えると心が締め付けられた。

「大丈夫。俺も一緒に出る。それに君を傷つけようとする奴は俺が守るから」

そこまで聞いて、委員長は頷く。その顔は少し、安心した風に見えた。

「俺たちも警護します」

俺がそう言うと、藤原は驚いた顔をしていたが、舌打ちをして、委員長に「アンタを許した訳じゃねぇぞ!!」と言って警護を一緒にしてくれる事となった。

「もちろんだ、許されたいなんて思うものか。これからは行動で示させていただくよ」

そう言って委員長は微笑んだ。


【体育館】

「フン、まさか模造品とは言え私自ら力を込めた安綱を折られるとはな」

悪路王はそう言って誰もいなくなった体育館で言う。そして悪路王が手をかざすと折れた刀は黒い煙になり、悪路王の身体に吸われていく。

「まぁ妖力の足しにはなるが、折れてては吸収率が悪い…」

「アイツら、強いの?」

武蔵がそう言うと悪路王は笑みを浮かべる。

「思った以上にやるかもしれんな?これならあの方の生贄にも足りるかもしれん…」

「分かってるよね?アレが復活したら…」

「あぁ、貴様の母を必ず召喚するさ。しかし…ククク…これからが楽しみになった…」

そう言って悪路王と武蔵は消えた。

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