第12話 「読み専」の価値

 予告通り、今回は「読み専」についてです。

 これもWeb小説で生まれた言葉ですね。

 小説投稿サイトにおいて、投稿はせず、読むためだけにアカウントを取得している人です。

 一般的に投稿者からは「読み専様」と敬われ、奉られています。


 なんで?


 なんで?「読み専」って敬われているの?


 ねーねー、岡村ぁー、なんで?


 ボーッとアップしてんじゃねぇよ!!


 今こそ全カクヨムユーザーに問います。なぜ「読み専」が特別な存在なのか。

 そんな事も知らず、やれ「読み専様も歓迎!」とか「読み専様からレビューを頂いた!」とか言っている投稿者のなんと多いことか。


 しかし西山さんは知っています。

「読み専様が敬われるのは『書き専様』が存在しないからぁ」



 あー、すみません。どこかでみたことのある構成になってしまいましたね。


 これは例によって完全な私見なのですが、本来読み専に特別な価値はないんですよ。普通の読者です。

 作品を投稿している者が読んでも同じ読者。普通の読者。

 しかしながら、自分も読まれる立場のため、いわゆる忌憚なき意見は述べにくい。自分に返ってくるかもしれませんから。


 つまり、読み専がその立場を上げたわけではなく、投稿者がその立場を下げたのです。


 何度も言いますが、投稿者だって読者。だけれども、投稿者からの「面白い」には、もしかしたら「私の作品にも好評価よろ」って下心があるのではないか。もしそれをわかっていて無視していたら、二度と読まれないばかりか、いわれのない酷評を受けるのではないか。

 そんな疑心暗鬼から、投稿者は投稿者同士で正当な評価をしにくい環境を作ってしまっているのです。


 しかし、私は胸を張って言います。

 私には下心も、恐れもありません。思いやりや、配慮する気持ちは持っていても。

 よって、正直な感想を述べますし、酷評されたからといって読み方に変わりはありません。

 皆もそうであってほしいと望んでいます。

 ですから、私には「読み専」という概念はないのです。

 読んでくれた人は等しく読者。ただそれだけ。


 全員がそうなるといいな、と思うのは、私だけかもしれませんね。

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