魔法少女 vs アソ連邦

その10 ~魔法少女 vs アソ連邦 その1~

山中 慎太郎やまなか しんたろうは理不尽な結末を迎え、山田 花子やまだ はなこと言う少女に転生&転性した。今世では人類共通の敵エネミーが居て、微力ながら対抗組織が存在する…元の世界ではないが近しい世界であり、エネミーという異物から人類を守る組織がある世界だった。花子は人類の敵を倒す為に対抗組織「対エネミー自衛隊」に入隊の後、自らの高い肉体性能と魔法少女に変身することにより発揮する人外となったと自覚した今…半ばやけっぱちとなってはいるが自らの生活と母親を守る為に頑張ることとなる。そして…ダブルTS少女から魔法少女にクラスチェンジした山中慎太郎…否、山田花子は…本人の意思を他所に何処の誰かもわからない意図に依り、本人が気付かない内に身体を張った実験をさせられるのであった…そして、出張先でとある実験に巻き込まれた花子は、今…日本に帰還し…アソ連邦という、この世界の最大勢力に目を付けられたらしい…花子に平和の2文字は訪れるのだろうか?(恐らくは無理!w)

※主な出演者

ハナコ…山中 慎太郎やまなか しんたろうが転生して転性した魔法少女。ハスキー声の美少女

ダン …段田 弾ダンダ ダン。対エネミー自衛隊・高円寺支部の部隊長。筋肉質の熱血漢

カナデ…安西 奏アンザイ カナデ。対エネミー自衛隊・高円寺支部の事務職。元自衛官で強い

━━━━━━━━━━━━━━━


- アソ連邦・外交官総入れ替え事件 -


「アソ連邦の外交官が不祥事を起こした為、総入れ替え、ねぇ…」


まぁ、一般人たちの目前で外交官ナンバーのバンを自衛隊ナンバーのバンに何度もぶつけるは、自衛隊の敷地で銃やロケランを乱射なんてしたのだから…


「記事には「正気を失った末の蛮行」なんて書いてるけど…」


「正気を失ってるのはアソ連邦の上の方じゃないか?」


などなど、表立っていうと不味そうな暴言が飛び交っていたw



「それで…上からは何かいってきました?」


カナデが問うと、


「まぁ…本来ならあり得ない証言とか証拠の…例のメモリカードを提出したんだけどな…」


ダン部隊長は難しい顔をしている。指はまだ包帯を巻いており、狙撃された時の怪我は完治してないようだ。


「握り潰されたんじゃないっすか?」


その他ブラザース(花子のみ呼称)の片割れが笑いながら突っ込む。確かにその可能性は高い…


「何だそれは?…わたしらは知らん!」


…とかいわれて認められないなど、裏付けの無い証拠なんかは握り潰されてもおかしくない。だが…


(軽いショックで全て思い出すようにしてあったけど、どうなったかなぁ…?)


だが、交代した外交官3人は…アソ連邦本国に連れ去られ…否、連れ帰った後…全てを思い出し、半狂乱に陥った後に密かに射殺され…一族郎党皆殺しとなったのだが…それは表に上がることはなかった。唯…関係者たちの会社や学校などで、遠くに異動する、引っ越すなど…突然のことに違和感を覚えたに留まった。中には違和感では済まない者も居ただろうが…密かに暗示を掛けられて、それ以上波風が立つことは抑えられたのだった…



〈…ということでしたが。如何しますか?〉


(いやブラック…よく調べたなぁ~…だけど、面倒になるからその件に関しては放置で。もし、こちらに何か危険が及ぶようなら…)


〈承知。引き続き、見張りを行います〉


(あ、うん。無理の無いようにね?)


〈了解〉


それっきり、次の報告案件でも発生しない限りはブラック黒壱号との連絡は途絶える。


(緊張するよなぁ…頭の中で会話とか脳みその中を覗かれてるような感じだもんなぁ…)


主従の関係らしく、ブラックからはこちらを詮索するようなことはしないと思うけど…それでも転生して転性した秘密なんかは秘密のままにしておきたい…変態とは思われたくない花子だったのだw



- エネミー大量発生事件勃発 -


その晩、新月も重なってか…一際暗い空。漂う黒い靄…そして…



〈GYOEEEEEE!!!〉


〈GUMOOOOO!!!〉


〈BOEEEEEE!!!〉



遠吠えのような咆哮と共に、高空から風切り音が響き…


ずだあああああんんんっっっ!!!


と、建物を踏み潰す音やアスファルト、コンクリを踏み砕く音が立て続けに響き渡る!



『緊急警報!…緊急警報!…各地でエネミーが多数発生!…各地でエネミーが多数発生!…種別は大型エネミーラージ並びに超大型エネミーヒュージ…種別は大型エネミーラージ並びに超大型エネミーヒュージ…至急対応にあたられし!』


「おいおい…数も不明なのかよ?」


「つか、ヒュージなんて支部の戦力じゃ無理だろ!」


「ラージだってなぁ…いや、うちにゃあ「ハナコ」って戦略規模の戦力はあるが…」


偶々当直していた隊員がボヤクが…当の花子は女子寮で寝ていることだろう…今頃は叩き起こされているのだろうが…


「今日の当直は!?…ってお前らかよ」


「ボス…そりゃ無いっすよ」


その他ブラザーズ2人組がボヤク。部隊長としては情けないが、この緊急時に最も戦力になる…新人の女の子に頼らざるを得ないのが此処、高円寺支部の現状だ。


「いいか?…まだ起きてないなら叩き起こして来い!…今のお前らの最重要任務だ。決して女子寮を吹き飛ばすような事態にはするなよ?


「「サー、イエッサー!」」


その他ブラザースたちは、敬礼をした後…くるっとその場で回ってから走り出す。「廊下は駆けるな」がこの支部のルールだが、緊急時には「ぶつからないように注意して走れ」に変更される。


「…さてさて。陸自が出動する前に抑えられるかだが…」


警報は繰り返し鳴り響いていたが、管内の出現数が追加されていた。


「ヒュージ1にラージ5、ミドルとスモールが多数ねぇ…盛り沢山過ぎねぇか?」


この高円寺支部の管内では過去に同時出現した数はラージ1にミドル5、スモール多数…とはいえ、20も無かったくらいか。それが最大数だった…


「自然発生した割にゃ…多過ぎじゃねーか?」


特に、あのデカブツ…ブラックが密かに配備されてからはエネミーの発生数は極端に減少しているのだ。見た目、派手に闇の靄が漂ってるように見えて、その濃度は高くても30%は行くことも珍しい…


「すいませ~ん…遅れ…遅れましたぁ~…!!!」


どたどたと廊下を走る音が3つ。特に破裂音も無かったということは…


「無事に任務達成したか。今度ビールの1本でも奢るかねぇ?」


ダン部隊長はニヤっと口角を歪ませ、


「おう…出るぞ。エネミーだっ!」


と、花子とその他ブラザーズを迎えて…


「バンを回せ!出るぞぉ~っ!!」


と、怒鳴るのだった…



- それは怪獣が闊歩する怪獣映画の如く… -



〈GYOEEEEEE!!!〉


〈GUMOOOOO!!!〉


〈BOEEEEEE!!!〉



警報が鳴り響いた町中では急いで近所のシェルターに人々が避難し、逃げ遅れることも偶にあったそうだが…今回は余裕を以て避難は完了していた。だが、通常は出現してもラージが1体とそれ以下が複数という想定の為、用意されていたシェルターが耐えられるかは未知数だ。


〈エネミーの出現規模が想定外の為、本シェルターの位置では危険が及ぶ可能性が出て参りました〉


〈規定により、シェルター位置を下降致します〉


〈ライフラインの切断処理を開始…完了しました〉


〈これ以降、消費電力を節約する為、照明を非常灯に切り替えます〉


ビーッ…という音と共に、通常の照明から赤色灯に切り替わる。


〈シェルター位置下降…〉


ゴゴゴ…と地響きに似た音と共にシェルター全体が下へと降りている感覚を覚える避難民たち。


「…これ、下…というより、斜めに下ってないか?」


「そりゃまぁ…万が一、エレベーターみたいに降りててワイヤーが切れたら事だし、なぁ…」


真下に掘るより斜め下に掘る方が安全かも?知れないがコストは掛かる。だが、シェルターの規模を考えると安全に下に移動するにはこの方が良いのだろう…


〈シェルター、下降停止。ライフラインの再接続処置を開始…成功しました〉


万が一使わなければ越したことはない最下層のライフラインは、果たして…建造当時から10年の時を経て…再接続で生きていることが証明された。定期的にメンテナンスを怠らずに続けていた町の…区長の勝利だろう!…だが。


ずがああああんんんっ!!!


「おわっ!?…何だっ!!」


轟音と共に消える照明。そして再び点く赤色灯。


〈ライフラインの切断を確認。慌てず、そのままお待ちください…〉


システム音声がそうアナウンスするが…恐らくはシェルターの内蔵バッテリーで灯っている赤色灯がシェルター内部を照らしたまま、その声は沈黙を保ったまま…



- その頃、地上では… -


「ちょちょっと!ダン部隊長…不味いですぜ、こりゃあ…」


「わかってる!…花子聞こえるかっ!?」


『聞こえてます!…ブラックを呼び召喚しますか?』


既に吸引の後、魔法少女に変身した花子がラージと戦っているが、聖剣の魔力は回復しておらず…唯の剣として…暴力的な質量を持つ魔剣としての活躍は期待できたものの、それはスモールやミドルを軽く抹殺はできてはいるが…ラージと呼ばれるエネミーに対しては掠り傷を作るだけに留まっていた…いや、物理的な力では傷を負わせることも賞賛に値するのだが、この場合は被害拡大の助長をしているに過ぎない…


「場所を誘導してからにしてくれ!…このままじゃシェルターの真上でダンスを踊ってるからな!」


『あ、そりゃ不味いですね…唯でさえ、ラージの体重で踏み抜きそうですし…あ』


「あって何だ!?…あって!!」


『まず…ヒュージが…でええっ!?』


ずがああああんんんっ!!!


ラージの5倍はありそうな巨大な人型…否、4つ足の魔獣とも思えるヒュージエネミーが跳躍して来たのだ!…それは花子を見つけたから跳んで来たといわんばかりに…


『だああああっ!?…吸引!…カムヒヤ・ブラックぅ~!!!』


「ちょっ!…待ておいっ!」


ダンの静止も無駄に終わり、一帯のダークマターは残らず吸引され…その中心地には巨大な漆黒の巨人が現れる…



〈マスター、私は此処に…〉


と、いつもの台詞と共に現れるブラック黒壱号


「ブラック、今立て込んでるから!…コクピットに!」


〈了承しました〉


いつもならコクピットの隔壁を開けて手を下ろして乗り込ませる…という手順を踏むのだが、状況を確認したブラックは全てを省略した。


「おわあっ!?」


どさっ!…とコクピットにお尻から落とされる花子。


「こっ…これは」


〈少々乱暴ですがテレポートでマスターを回収しました〉


コクピット内のスクリーンを見る限り、既に動き出したブラックは浮遊してこの場から動き出していた。


〈此処からですと…あちらの公園なら安全に戦えると愚考致しますが?〉


スクリーンに周辺地図が表示される。見ると、少々細長いが「和田堀公園」という、都立の公園が点滅していた。善福寺川という川に沿っているようだがどのシェルターからも丁度離れている為というのもあるし、被害を考えたら余りエネミーを引っ張って動き回るのも良くないだろう…


「ちっくしょう…考える余地ってのももう少し残して欲しいよなぁ…」


花子は有無をいわさぬ現状を口汚く罵りつつ、


「行ってくれ!」


といわざるを得なかった…



- アソ連邦某所 -


「報復は?」


「今やってる」


「今頃は日本の首都は大騒ぎじゃないか?」


「くくく…そうだな」


残念なことに、この場からは現地の映像を見ることはできないが…


『H1、L5、MS多数投入…ザピッ』


「くっくっくっ…此処は例の支部管内か…どうやって対応するのだろうな?」


「無理だろ」


「あぁ…他と違って最も投入の質も数も多いからな…」


意地悪い笑みを浮かべた謎の人物たちは、時折流れてくる報告に喜びを浮かべていた…実はアソ連邦高官たちの秘密ミッション…ただの逆恨みだったのだった!


『ザピ…し、信じられない…何だ…これはっ!?』


「?…どうした」


『う…うわぁ…来るな…来るなぁぁぁっっ!!』


「おい!…何事だっ!?」


『ザガーッジジジガガガピガーーーッ………』


「通信、切れました」


「…原因を調べろ」


「…はっ」


逆探を恐れて映像をカットしたのが逆に原因を調べるのに時間が掛かり、対策が後手後手に回るとは…この時、彼らはそこまで想像が付いて来なかったのだが、仕方が無いだろう…彼のブラックのオーバーテクノロジーっぷりには、花子ですら想像の埒外だったのだから…



- ブラック無糖…もとい、無双 -


「くっそ…こんな町中で暴れやがって…」


〈マスター〉


「何?」


〈吸収したダークマターが規定値を突破しました〉


「うん…ひょっとして必殺技でも使えるようになった?」


〈いえ…エネミーたちを特殊空間に集めることが可能になりました〉


「…それって、どれくらいの数を?」


〈日本というこの島国に限れば、ほぼ全てを〉


「マジ?」


〈本当と書いてマジと読む程度には〉


「…わかった。やっちゃって!」


〈イエス、マスター!〉


ブラックは、吸収したダークマターを用いて、更に広範囲のダークマターを吸収開始する…そして、


〈歪曲空間生成…成功〉


目前の公園が、川を中心に


くぱぁ…


というような音を鳴らしながら開く。いや、エロイとかイヤラシイとかそんなん関係無しに、そんな擬音が合ってるような音が響いたんだよ…川があるからか、妙に水っぽい音がな…orz


そして…今度は強引に広げられて…公園の端から端までを限界まで広げられて、何かこう…これ以上伸び切らないくらいに丸い闘技場みたいな感じで、壁の高さは100m以上はあるんじゃないかな?


〈エネミーを回収します〉


「あ、ああ…頼む」


次の瞬間から、今まさに何かを叩き潰そうとしていたかのようなラージが現れて、地面を叩いていた。無論、何もない更地の地面しか広がってないので空ぶって無様に倒れたのだが…そして、そんなエネミーが次から次へと現れて来て…中には先に現れたエネミーを殴ったり蹴ったりしてムカついたのだろうか、殴り合いを始める個体も現れ始める…


「うわぁ…スモールがうじゃうじゃと…ミドルも負けじと増えて行くな…お、ヒュージが落ちて来た…おお…何体も先のエネミーが踏み潰されているな…こりゃいいや」


などとブラックの中から見物していると、突如輸送ヘリが地上50mくらいの辺りに現れる。


「うおっ!?…ありゃあ…チヌークか?」


以前、ハワイに連れてかれた時に使われたのと同型機か同じ機体か…兎に角つい先日見たばかりの輸送ヘリだった。グレーに塗られた軍用ヘリはいきなり転送されて戸惑っているのかフラフラとしていた。


「なんでヘリが?…エネミーを転送しているんじゃ?」


〈あの機体の内部にエネミーの反応が多数存在しています。侵入されたのでしょうか?〉


「…まさか」


花子は探知すると…確かに後部の格納庫にそれらしい反応がある。


「こいつらがばら撒いてたってことか?」


エネミーを捕獲し、ばら撒く…確かに安全なカプセルか何かに封じ込めていれば可能だろう…


(ホイポ●カプセ●とかあればな…ってあるのかな?)


そう思っていると、下のエネミーたちがググっと力んでしゃがんでいることに気付く。


「あ、あれヤバくないか?」


〈そうですね…目標がこちらなら…あ〉


次の瞬間、数体のラージと1体のヒュージがジャンプをし…数秒後には戦闘ヘリに到達して…


「え?…あ…もう間に合わな」


いと、そこまで考えた時点でラージとヒュージに囲まれた戦闘ヘリが爆散する。同じ高度に達したと同時に四肢を振り回して脆弱な戦闘ヘリの装甲を切り裂かれ、燃料に引火して…という訳だ。


「あ~…乗組員は?」


〈焼死体となってますが脆いので既にバラバラになってますね…ご覧になりますか?〉


「あ、夢に出そうだから遠慮しとく…どっちにせよ、アソ連邦の軍人だろ?」


〈そうですね。下っ端の兵員でしたが…〉


「あ~…下っ端は辛いよね」


花子は来世ではもう少しマシな星の元に生まれて下さいね…とちょっとだけ祈っておいた。



〈日本列島のエネミー…現時点で現出している個体に限りますが。回収完了しました〉


戦闘ヘリ爆殺事件から凡そ15分が経過し、ブラックから回収が完了したと報告があがった。


「ここ、結構広いと思ったけど…埋まったなぁ」


〈そうですね。元々の広さの100倍まで拡張してますが…ここまで埋まるとは思いませんでした〉


途中からぶつかっては共食いを始めたりして、スモールがミドルになったりミドルがラージになったりして数は減ったが戦力が増強されるっていう…


「なぁ…あれって…」


〈放置すると面倒かも知れませんね。程ほどに数も減ってきましたし…攻撃しましょう〉


ぽひゅっ…ひゅるるる…どどぉぉぉんんんっっっ…!!!


最初は小さい火の玉みたいなモノが、ブラックの面前に現れ…線香花火が終わった時のように、儚く持っていた紐から切り離されて落ちるかの如く…


ごああああああああああっっっ!!!


着弾した途端、ナパーム弾でも爆発したかのように爆発的に炎が燃え広がり…


「うわすご…えっと…3,000℃?…温度おかしくね?」


〈炎熱魔法の爆弾です。こちらの世界ではナパーム弾というのですね?〉


聞けば、燃え広がって高温を維持する炎が広がるのはナパーム弾の特徴に似ているが…その温度が3倍近い。


そして30分程燃え続けていた炎は全てのエネミーを焼き殺し尽くした…いや、唯一…ヒュージの1体だけが半死半生の状態で生き残っていた!


〈GURURURU・・・〉


「面倒だねぇ…」


〈ダークマターを吸収します〉


「だね…敢えて強化するまで待つことも無いし」


ブラックは吸収しつつ、ヒュージの居る場所からやや離れた所に着地した…そして!


〈「敵を断つモノ」、起動…〉


目前に闇よりも尚暗き棒状のモノが現れる…ダークマターを圧縮した塊だ。ブラックはその「敵を断つモノ」を手に取り、がっしりと握り込む。途端、脈動し…燃え上がるように動き出す。


〈イキマス…〉


ブラックはそう呟き…滑るように地面を動き出す。そして…


〈GUAOOOOO!!!〉


ヒュージが口から漆黒のブレスを吐くが漆黒の巨大な盾で弾き…そして袈裟刈りに左肩から右脇に掛けて「敵を断つモノ」を振り下ろし…ブラックはヒュージの存在そのものを断ち切った。


〈GYOEEEEEE!!!!〉


一際咆哮を上げたヒュージは…軽くジャンプしたブラックに袈裟刈りに斬られ…存在が無に帰するというか、どちらかといえば「敵を断つモノ」に吸収されてしまったように見えた。


「何か吸収しちゃったように見えたけど…?」


〈はい、その通りです〉


「え…と。大丈夫なの?」


〈はい。私の動力源ですし、問題ありませんよ?〉


「そ、そう…」


まぁ問題無いならいいんだけど…と思ったが。


「まぁ…その…話せる時期になったらでいいので…色々」


とブラックに呟くと、


〈…ありがとうございます。では元に戻して帰還しましょう〉


「わかった」


こうして…一時的にだろうが、日本各地からエネミーの素である闇の靄ダークマターと…現出していた全てのエネミーが駆逐されたのだった!


━━━━━━━━━━━━━━━

人が居る限り、ダークマターとエネミーは絶えないのだが…。全ての人間から暗い欲望や考えが駆逐されれば別だろうが…無理だろう!

※そしてそれを動力源とするブラックとは…魔法少女の花子とは一体…!?(花子も理解できてないので、彼女からは情報は得られませんw)

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る