第007話 UNKNOWN
時は遡り
社畜を追い出したエレベーターの中
雄二はイラついていた
ここから脱出する為に社畜に道を確かめさせていたのに全然戻ってこない
自分一人だけ逃げ出したのではないのか
このまま取り残されるんじゃないのか
疑心暗鬼になってきたのだ
だからといって安全なのかわからない洞窟に足を向ける勇気などは無い
それ故に第二の生贄を出す事にした
「望美~お前は頭良いんだから 今俺達がやらなきゃいけない事分かるよな?」
望美は 遂に来たかと諦め顔でコクンと頷いた
幼馴染みと聞こえは良いが
小さな頃から この男の最低な部分を見てきたのだ
母親同士が親友だったからって
ただ それだけなのに赤ん坊の頃から貧乏くじを引かされてきた
何かと言えば私を頼り責任を押しつけてくる
何度も両親に訴えていたのだが
外面の良い この男の言葉を信じる大人に段々と希望がすり減っていき
やがて全てを諦めていった
今回の この暗闇の先に 化物が居て自分が殺されてしまっても良いとまで考えてしまっている
望美は雄二の言葉に何の返答もせずに洞窟へと足を進めた
エレベーターから身体を出した時に望美の身体を光が包み脳内に言葉が響いた
『ダンジョンにUNKNOWNが侵入』
『特例措置を取ります』
『UNKNOWNを転移』
『転移後体組織を変換』
『UNKNOWNをプログラムに組み込みます』
『emergency emergency UNKNOWNが知識を残しました』
『以後プログラム管理下から外れます』
『特異点をプログラムから排除する為に対象者を抹殺します』
『スポットに向けてF-1を差し向けます』
望美の身体が光にかけ消えた後
角を生やし赤い体を持った化物が現れ
エレベーターの中に入っていった後
断末魔の叫びが二つ響いた
不幸なスキル 紫苑01 @shion431016
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