第7話 主治医変更

今までのことを書いた紙は、ちゃんと届いていた


「意見書見たよ。本当にごめんね」


相談員さんは謝らなくていいのに

悪いのは全部主治医のせいなのに


「主治医変更したいよね?」

「(首を縦に振る)」

「誰がいいとかある?」

「いや……」


通院してる病院で知ってる先生は、主治医とカウンセリングの先生だけで、他の先生は知らなかった


「女の先生がいいかなぁ?男性の先生じゃ相談したいことも出来ないでしょう?」

「どっちでもいいです」


今の主治医から変更出来たらどうでも良かった


「じゃ、女の先生にするね。次の予約から変更になるから」

「ありがとうございます」


本当だったら自分の口から、「先生を変えたい」って言わなきゃいけなかった

今回は特例だったのかもしれない


主治医に対する『不満』とか『イライラ』を言えずに、ずっと黙って受診をして、自傷大量服薬の悪循環になってしまっていた状況を変えてくれた相談員さんには凄く感謝をしてる


「本当にごめんねぇ」


自分を散々振り回して、雑に受診させられたのに

本当にそう思っているんだろうか


「それで○○病院から取り寄せた検査結果なんだけど……これ結果のまとめみたいなものなんだよねぇ」

「え?」


知能検査の結果を聞いた時、転院先の先生はグラフのようなものを見て言っていたはず


「これ見る?」

「見ます。ください」

「はい、これ」


渡されたのは確かに『』のようなものだった


「(『知能が境界域』……)」

「そんな考え込まなくてもいいけどね」

「ありがとうございます」


このまとめで、やっと自分が『』と分かった

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