第5話 天井しか見れなくなった

カーテンを開ければ、外はとっても晴れていて

他人ひとからしたら気持ちのいい朝だった


「……死ねなかったのか。死ねたら良かったのにな」


自分にとっては来て欲しくもない朝だ

昨日大量服薬した薬は、自分を死へと導いてくれなかったみたいだ


「起きなくちゃ……な……。あ、無理だ」


大量服薬の影響で体が動かない


見慣れている真っ白い天井

それをただ見ることしか出来なかった


「……何の為に生きてるんだろ」


楽しいことも楽しいと思えなくなり、何が楽しいのかも分からなくなった

感情さえ無くなったかもしれない


「もう一度」


こんな日々が続いていって、大量服薬する回数も増えて言った


生きていたくないのにl、生かされてしまうのは何でなんだろう


「いつまで続くんだろうな」


明日どんな日になるか分からないけれど、明日という日自体来て欲しくはないものだ


「あれから何日過ぎたんだっけ……?」

毎回毎回やるもんだから、鉛のように重たい身体と、『今日も生きてしまった』という絶望しか残ってなかった


「今日も……か」


夜が来る度に寂しくなって苦しくなって

辛くなって死にたくなって


「またやろう」


だからこそ朝が来て欲しくない


「また起きてしまった」


朝が来ないように……

自分に次の日が来ないように……したはずなのに


何でから逃げられないんだ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る