境界知能って何ですか?
蓮見藍菜
第1話 周りと違う自分
何だか周りと違うなぁって思ったのは確か20歳になる前だったと思う
だけど確信が持てなかった
他の病気には確信があった
幻聴、幻臭があること
フラッシュバックがあること
不安からの不眠や食欲不振があること
その影響で、身体症状が出ていること
どれも『精神疾患』によるものだった
どれも原因があった
『親を亡くした』という事実
『親が障害者』だという事実
『被虐待児』だという事実
全部に起因があった
よくよく思い返してみたら
自分は周りと違うことが分かった
相手の声は聞こえるのに言葉が入ってこないけれど、環境音が大きく聞こえてしまうこともある
蛍光灯の青白い光や太陽の照り返しが目に刺さってしまう
前の行動から今に至るまでの記憶が無く、忘れ癖、無くし癖が多くある
多弁で独語が多い上に、対人関係の不和、人とのコミュニケーションが上手くいかない
簡単な計算が出来ず、先生に怒られたことがあったこと
それが『何で起こっている』のかが分からないまま、処方された薬を飲み、強い副作用と闘いながら学生時代を送っていた
「自分と同じ人っているんだろうか」
症状で検索してみると
『ADHD』
『アスペルガー症候群(現:自閉症スペクトラム)』
『境界性パーソナリティ障害』
「確かに当てはまってる……けど……」
診断には知能検査や心理検査が必要だったみたいだった
「知能検査か……受けられるもんなら受けてみよう。そして確かめてみたい」
そうして知能検査と心理検査を申し込み、検査を受けた
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