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「ほら、俺たちもつきあってもう半年にもなるわけだから、きちんと将来のことも含めてちゃんとご両親に挨拶しておきたい」
絡めた相良さんの指に力が入る。
将来。それって。
「だめかな?」
つないだ相良さんの腕にそっと顔を寄せる。
やだ、嬉しくて泣きそう。
「どうしようかな」
わざとそんな風に言って、指を離すと相良さんの前を歩き始めた。
「信乃ちゃん」
「だって相良さん」
困惑するような相良さんの声を聞きながら続ける。振り向かないまま、心持ち、歩く速度を速めて。
「私の両親に挨拶する前に、私に言うべきことがあるんじゃないですか?」
将来の話なんて、今初めて聞いたもの。また自分勝手に話を進めようとするんだから。
相良さんの足音が止まった。
「浅木信乃さん」
落ち着いた、でもちょっと緊張感のある声が聞こえて、私はゆっくり振りかえる。
大好きな人から、大切な言葉を受け取るために。
Fin
しらすの彼 いずみ @izumi_one
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