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 と、掴まれた手を逆にひねって、相良さんはあっさりと小野先生を組み敷いて動けなくしてしまう。

「いててててて!」

「動くなよ。骨が折れるぜ」

「相良さん……」

「浅木さん、無事?」

「は、はい」

「遅くなってごめん。警察に連絡してたんだ。怖い思いをさせちゃったね」

 警察、と聞いて、小野先生がまた暴れはじめた。


「放せ!」

「そういうわけにはいかないんだよ」

「も、もうこの女には近づかない! だから!」

「残念だけど、そうもいかないんだ。あんた、初めてじゃないだろう」

 は、と小野先生が顔をあげた。


「え?」

 私は相良さんの顔を見返す。

「この男、以前からこんなことを繰り返していたんだ。これで懲役執行は免れないな」

「ええ?!」

 小野先生はなんとか逃げようと必死にもがいているけれど、上に乗っている相良さんはびくともしない。


「現行犯で逮捕、被害者に証言も取れるし俺という証人もいる。今までみたいにうまく逃げようと思っても無理だぜ」

「くっ……!!」

 そこへ、どたどたと外から人が集まってくる足音がした。

「ここか?!」

「相良さん、無事ですか?!」

 飛び込んできたのは、警察官が二人と私服の男性。


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