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「昨日の様子がちょっと心配だったからね。家まではついてきてはいないと思うけど、念のため……」

「相良さん」

「ん?」

「和食と洋食、どちらが好きですか?」

 相良さんが、目をぱちくりと瞬く。

「和食と洋食? どちらかと言えば、和食かな」

「よかった」

 私は、相良さんの袖を引いた。


「ごはん、作ったんです。食べていってください」

 相良さんが驚いたような顔になった。


「でも」

「私、こんなことぐらいしかできないですけど」

 じ、と目を丸くした顔を見あげる。

「お礼を、したいんです」

 いきなりそんなこと言われたら驚くよね。相良さんが困惑しているのがわかる。

「本当に、いいの?」

「ぜひ。あ、でも味は保証しません。まだ、お料理、あまりできなくて。ちゃんと胃薬も用意しました」

 私が言うと、相良さんはちょっと笑ってくれた。

「じゃあ、ごちそうになろうかな」

「はい」

 私も、ほ、として笑った。



 私が用意した朝ごはんは、焼き鮭と、ハムとウィンナーと千切りキャベツを添えた目玉焼き。作り立てのお豆腐ときゅうりの浅漬けとたくあん。あとは梅干しとかのりとか。

 そして、見かければ買うようになってしまったしらす。今日はおろし大根を添えてみた。


「うわ、すごいね」

「相良さん、たくさん食べるって言っていたので冷蔵庫の中のものありったけ出しました。足りなかったらごめんなさい」


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