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 だんだんと闇に目がなれてきた長閑は、階段の周囲にある壁がぼんやりと見えるようになった。(でも、そこにはただの壁があるだけで、明かりをつけるためのスイッチも、手すりも、どこかに続いているはずのドアもなにも存在していなかった)

 長閑は七回目の階段の曲がり角を曲がった。

 真っ暗な階段は長閑が足をつけるたびにぎい、ぎいという(不気味な)音を立てた。

 ……まだかな?

 まだ、地下室(素直くんのいるところ)にはつかないのかな?

 長閑は思う。

 それから長閑が八回目の階段の曲がり角を曲がったときのことだった。

 ぱたん、とはるか上のほうで『なにかが閉まる』音が聞こえた。

 それはとても小さな音だったのだけど、確かに長閑の耳にはその音が聞こえた。

 長閑はとっさに上を見上げる。

 でも、そこにはただの真っ暗な闇しか存在していなかった。

 ……今の音はなんだろう?

 もしかして、(さっき私が想像したような)地下に続くための階段を隠すためのふたのようなものが(本当に)あって、そのふたがしまった音なのかな? とそんなことを長閑は思った。(もしそれが本当なのだとしたら、長閑はこの地下に閉じ込められてしまったと言うことになるのだろう)

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