一章 月と海 第四話 追いかけてくる月
”無限に拡がる大宇宙
満天の星空に羅列する”
”星の道標の示すまま
共に歩みを進みゆく”
”二人は結魂を結び
未来永劫ともに在り”
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郊外の夜のとばり。
小さいわたしが父に連れられて夜空を見上げると、でっかい月が輝いでいる。
大きな月が浮かぶ満天の夜空。
機嫌のいい時はとても嬉しいんだけれど
機嫌が悪い時はついてこないでほしい。
逃げて逃げても、どこまでも追いかけてくる月。
そんな月がいとおしくも怖かった。
月は嫌な時も心細い時も、いつだって私の事を見守ってくれているんだ。
鬱陶しいときも。私が泣いている時も。ついてこないで!!って思った時も。
空を見上げるとそこには月の存在が在る。
私はいつでもどんな時でも、月に見守られていたのね!
「お月さま、お月さま。ありがとう!」
渚はこれまで以上に、月の存在を感じられるようになるのだった。
でも、もうお父さんは居ない。
それから幾年、わたしが少し大きくなって
よく来ていた夜の砂浜に来たんだ。
月の光の反射に照らされた光が薄っすらと
上を見上げると、信じられない程たくさんの星が煌めいていた。
「わぁぁぁぁああああああああああっ……!!!!!!」
星ってこんなにも綺麗だったのね。満天に浮かぶ星が羅列して
渚の胸を締め付ける
ドキドキドキドキドキドキ……
渚は胸の鼓動が早くなって、頭の中が真っ白になる。
頭の中がぐるぐる言っているんだ。
身も心も満たされて、拡がる体内の宇宙がさらに拡がる。
瞼を綴じればその向こうには宇宙空間が拡がってみえる。
学生時代はいつも孤独だった。愛なんて嘘だと思った。
出会いと別れを繰り返して。随分と遠回りしてきた。
「だから……月のような人。いつだって私の事を見守ってくれている月のような人にに出会えるのだろう……か?
「ねぇ!どこにいるの?」
「いつだって、わたしを守ってくれる人。寂しさを払拭して側にいてくれる、わたしの愛しい人」
「逢いたい……凄く逢いたい……逢いたいよ」
ねぇ!わたしを見守ってくれる、大好きなお月様!
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