手編みのマフラー③

 君とは同じクラスになって

 最初の校外学習のときに仲良くなった


 笑い上戸で

 いつも僕のくだらない話を

 それはそれは面白そうに聞いてくれた


 涙を浮かべて笑うくらいウケてくれるから

 こっちもつい楽しくって

 休み時間になるといつも話してたっけ


 周りに他の友達もいたから

 特に意識とかしていなくって

 ただ毎日話できることが楽しかった

 君がお腹を抱えて笑ってくれるのが嬉しかった


 そんなある日

 ふとしたきっかけで


「男なら一度は手編みのマフラーを貰ってみたい」


 そんなことを口にしたら


 そのときはなんでもないような素振りで

 聞き流してたと思うのに

 なぜかあるとき

 クラスメイトの女子から


「ねぇ、手編みのマフラーとか欲しい?」


 唐突にそう聞かれて


「もちろん欲しいよ」


 そう返したら


「そう、うふふ……」


 と嬉しそうに笑われた


 何が可笑しいんだろう?

 意味深な笑いが不思議でしょうがなかった


 こんな自分には

 一生縁がないと思っていたから

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